ニュース

リーチサイト「はるか夢の址」の運営者ら9名逮捕、ファイルのアップロードについて著作権法違反の疑い

 「はるか夢の址」を通じ、マンガ作品を権利者に無断で、共謀の上、公開していたとして、大阪府警察など9府県警察の合同捜査本部が31日、アップロード者およびサイト運営者ら9名を著作権法違反の疑いで逮捕した。一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)が同日、発表した。

 はるか夢の址は、アップローダーなどに違法にアップロードされている海賊版ファイルを紹介する“リーチサイト”の1つ。ACCSによると、はるか夢の址は日本最大級のリーチサイトで、同サイトを管理する「紅籍会メンバー」を含む関与者は相当数に上り、日本最大の出版海賊組織と目されているのだという。はるか夢の址については今年7月、合同捜査本部によって関係先の家宅捜索が行われ、今回の9名の逮捕に至ったが、今後もそのほかの被疑者の立件に向けて捜査が継続される見込み。

 なお、今回の逮捕は、同サイトで紹介された海賊版ファイルのアップロードについて摘発がなされたものだとしている。

 ACCSの調査によると、2016年7月から2017年6月までの1年間に同サイトを通じてダウンロードされたと推定されるデータをもとに算定したマンガの被害額は約731億円。ACCSでは、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館、スクウェア・エニックス、白泉社の出版社6社と連携・共同して対応をとってきたが、ほかにも複数の同種のサイトを把握・確認しているとしており、出版社6社では「今後も侵害行為者らに対しては刑事告訴など断固たる姿勢で対応していく」とコメント。また、「残念ながら本件類似の著作権侵害行為は依然多く行われているのが実情。同種サイトへの対策をより効果的に実施するためにも、今後の捜査を通じて、違法ファイルが組織的にやり取りされる仕組み・収益構造といった全容が解明されることを強く期待する」としている。

リーチサイト「はるか夢の址」の運営者ら9名逮捕、ファイルのアップロードについて著作権法違反の疑い 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)による発表文(一部)
一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)による発表文(一部)