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「Aterm」がついにIPv6 IPoEに対応! さらにNEC独自の謎技術「IPv6 High Speed」によりIPv6の通信速度を2~3倍高速化へ

Wi-Fiルーター新製品「WG2600HP3」「WG1900HP2」「WG1200HP3」発売

 NECプラットフォームズ株式会社は、IEEE 802.11ac/n/a/g/b対応Wi-Fiルーターの新製品「Aterm WG2600HP3」と「Aterm WG1900HP2」を7月5日に、「Aterm WG1200HP3」を6月7日に発売する。想定実売価格は「Aterm WG1200HP3」が7500円前後、「Aterm WG2600HP3」が1万6000円前後、「Aterm WG1900HP2」1万1000円前後(価格はいずれも税別)。

 3製品とも、Atermシリーズとして初めてIPv6 IPoEでの接続に対応。NTT東西が提供する「フレッツ光ネクスト」のIPoE IPv6接続サービスや、日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)が提供するMAP-E方式を採用した「v6プラス」、IIJなどが提供するDS-Lite方式を採用した接続サービスといったIPv4 over IPv6接続サービスでの利用が可能。ただし、接続を保証するわけではなく、ウェブサイトなどで対応ISPなどの情報を順次掲載予定。

 さらに10月のファームウェアアップデートにより、独自技術により通常のIPv6接続より通信速度を高速化する「IPv6 High Speed」という技術に対応。同技術のロジックについては企業秘密だとして明らかにしていないが、WG2600HP3で約3倍、WG1900HP2で約2.5倍、WG1200HP3で約2倍の高速化を実現するという。

Aterm WG2600HP3
Aterm WG1900HP2
Aterm WG1200HP3

電波強度が向上、最上位「WG2600HP3」では特許技術でさらにカバー範囲が拡大

 3製品とも「ハイパワーシステム」によりノイズを削減した上で制御を最適化し、電波カバー範囲を拡大。一定の電波強度以上のエリアは、WG2600HP3で21%、WG1900HP2で16%、WG1200HP3で15%程度、それぞれ拡大しているという。

 さらに、最上位のWG2600HP3は新筐体と、「ワイドレンジアンテナ」技術(特許出願中)を採用。これによりアンテナ性能を強化し、縦置き時、横置き時、平置き時のそれぞれで、速度低下を抑えつつ実行スループットを向上。壁を隔てた条件では580Mbps弱だが、同社による電波暗室での測定では、実効1430Mbpsを記録したという。

 従来機種のアンテナでは、基板全体で上下、左右、奥行の3方向での直交を実現していたが、今回採用された特許技術では、基板上のμSRアンテナ(5GHz)から水平偏波の電波が放射されると、無給電アンテナに電波の電磁誘導の影響で高周波電流が流れ、そこから垂直偏波に電波を放射。4本のアンテナのうち2本は単独で3直交、残り2本では2直交を実現しているという。

 4本のうち2本が3方向、2本が2方向となっているのは、無線ICとアンテナ間の距離を含め、どういった組み合わせが最も電波強度が高まるかを検証した結果だという。

動作中にチャネル自動切り替えが5GHz帯でも可能に

 オートチャネルセレクトでは3製品とも、従来の2.4GHz帯に加え、5GHz帯でも動作中にチャネルの自動最適化が可能になった。また、WG2600HP3では、バンドステアリングで接続端末ごと任意の周波数帯に固定して接続する設定が行える。

 さらに、国内メーカーでは初めて「IPv6 RA RDNSSオプション」に対応。IPv6に対応しないAndroid端末にも、直接IPv6サーバーアドレスの通知が可能になるという。このほか、WPS経由で既存のWi-FルーターからSSIDやパスワードの情報を移行できる「Wi-Fi設定引っ越し」や、接続端末の各種情報などを表示できる「見えて安心ネット」にも、従来から引き続き対応する。

 最大通信速度は、WG2600HP3が4×4 MU-MIMOに対応し1733Mbps(5GHz帯接続時)または最大800Mbps(2.4GHz帯接続時)。WG1900HP2が3×4 MIMO対応で最大1300Mbpsまたは600Mbps。WG1200HP3が2×2 MU-MIMO対応で最大867Mbpsまたは300Mbps。なお、WG1900HP2のみMU-MIMOには非対応となる。

 有線LANはいずれもギガビット対応で、WG2600HP3とWG1900HP2がWAN×1とLAN×4ポート、WG1200HP3がWAN×1とLAN×3ポートを装備。本体サイズ(幅×奥行×高さ)と重量は、WG2600HP3が約38×129.5×170mmで約0.6kg、WG1900HP2が約33×110×169.5mmで約0.4kg、WG1200HP3が約33×97×146mmで約0.2kg。

【お詫びと訂正 7月6日 11:21】
 記事初出時、WG1900HP2のMU-MIMOへの対応に関する記述に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:WG1900HP2が3×4 MU-MIMO対応で最大1300Mbpsまたは600Mbps。

正:WG1900HP2が3×4 MIMO対応で最大1300Mbpsまたは600Mbps。なお、WG1900HP2のみMU-MIMOには非対応となる。