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子どもの個人情報が不安、でも対策は「何もしていない」親が3割以上も

株式会社シマンテックの古谷尋氏(ノートン事業統括本部マーケティング部部長)

 株式会社シマンテックは27日、日本を含む世界16カ国・地域で、1万6267人を対象に実施したセキュリティ意識調査「ノートン/ライフロック サイバーセーフティインサイトレポート」の調査結果を発表した。

 同レポートによれば回答者の4割近くが被害を経験していることが分かった。この結果から過去1年間のサイバー犯罪被害者数は8億6720万人と推計している。このうち日本の被害者数は1960万人で調査地域の中でも5番目に多い結果となった。

過去1年間のサイバー犯罪被害者数

 具体的な被害については、インターネット接続機器でのマルウェア感染(18%)、ソーシャルメディアアカウントへの不正アクセス(6%)、メールアカウントへの不正アクセス(5%)の3つが上位に挙がった。

 脅威から守るための対策として、約8割が他人とパスワードを共有しないことや、信用できない送信元からのファイルやリンクなどを開かないことなどを挙げたが、シマンテックの古谷尋氏(ノートン事業統括本部マーケティング部部長)は「依然として被害が後を絶たない状態」だと述べる。

ホームWi-Fiネットワークに対する脅威や攻撃から保護するための対策

 個人情報盗難に関する被害者数については、1億1700万人と推計しており、このうち日本は240万人だった。

 インターネット上での個人情報保護に不安を感じる一方で、企業が提供するサービスが便利になるなら「個人情報に関する情報提供を承諾する」といった回答も半数以上あった。

 なお、個人情報の保護対策については、Cookieの削除・無効化、公衆無線LANを利用しないこと、ソーシャルメディアで共有する情報の制限などを実行している人もいる一方で、「何も実行していない」という回答が日本では34%に上り、全体平均(14%)を上回った。

オンラインアクティビティと個人情報(誕生日、住所、口座番号など)の保護対策

セキュリティに対する不安はあるものの、具体的な対策が分からず悩む保護者

 同レポートの回答者のうち、18歳未満の子どもを持つ親(全体:5307人、日本:193人)は、自分が行わなかった行動が原因で、子どもの個人情報盗難が起こる可能性についても不安を持っていることが分かった。

 保護者が行っている対策としては、ウェブサイトやアプリに何らかの制限をかけること、子どもによるソーシャルメディアの投稿の制限、子どもがダウンロードするアプリのチェック、ソーシャルメディアで子どもに関する投稿を制限することなどが挙がった。

 しかし、対策は「何もしていない」という親は全体平均で12%、日本は34%という結果が出た。他国平均については香港が27%、台湾が21%、英国が17%、オーストラリアが17%、ニュージランドが17%、オランダが16%などで、日本が16カ国・地域中最下位だった。

子どもの個人情報盗難に関して保護者が行っている対策

 この調査結果について、古谷氏は「セキュリティに対する漠然とした不安はあるものの、子どもにどのように伝えればいいのか、どのような対策を取ればいいか分からないため、世界平均から大きく離れる結果になったのではないか」とコメントした。

 同氏は、サイバー犯罪から身を守るポイントとして、疑わしいメールは開けないこと、セキュリティ設定を確認し、パスワードを安全に管理すること、セキュリティソフトの利用を検討することなどを挙げた。