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2Gbps以上の固定回線を利用したい人は9.7%~ICT総研のブロードバンド市場動向調査

 株式会社ICT総研は21日、「2019年度 ブロードバンドサービスの市場動向」の調査結果を発表した。国内のブロードバンド回線数は、2019年3月末現在で4025万件で、前年から62万件(1.6%)増加した。この調査は、ICT総研が行った電気通信事業者や関連企業への取材、アンケートなどを分析したものだ。

 2019年3月末現在のブロードバンド回線は、光回線が3166万件、ADSLが173万件、CATVインターネットが686万件という内訳。このうち、前年と比べて増加したのは光回線のみで、106万件増加した。ADSLは42万件の減少、CATVも2万件の減少となっている。ADSLは新規契約の受付を終了している状態のため、光回線への切り替えが進められているとみられる。

 このうち光回線は、NTT東日本が1189万件、NTT西日本が924万件、KDDIが451万件、オプテージが164万件となっている。NTT東西を合計すると2113万件だが、このうち1269万件は「コラボ光」で利用されているとしている。さらに、2019年度末にはコラボ光は1400万件に達し、NTT東西の光回線のうち64%を占めるとみられる。

 また、現在は、通信速度が最大100Mbpsから1Gbpsのサービスが多いが、2Gbps以上の回線の利用意向についても調査結果にまとめられている。これは、固定ブロードバンドユーザー2622人を対象に行ったアンケートの結果だ。これによると、「今後切り替えたい高速インターネットサービス」の回答のうち、「切り替えたくない(今のままで良い)」と答えたのは40.7%、「2Gbps以上の固定回線」は9.7%、「5G対応のWi-Fiルーター」は6.0%、「5G対応のスマートフォン」は5.6%、「その他・不明」は38.1%だった。一部の地域で光回線を用いた最大10Gbpsのサービスが始まっているが、このようなサービスを利用したいのは9.7%にとどまっているということだ。

 同アンケートでは、ISPの満足度についての調査結果もある。満足度を集計したところ、全体の平均は63.1ポイントだった。満足度が高かったISPは、「eo光」が68.5ポイント、「J:COM NET光」が66.6ポイント、「auひかり」が66.0ポイント、「NTTフレッツ光(コラボ光でないもの)」が65.5ポイントなど。

 現状、2Gbps以上の固定回線を利用したい人は9.7%に過ぎないが、ICT総研では「動画サービスなどの普及によって、これまで以上に高速・高品質なサービスが求められている」と指摘。「全てのブロードバンドサービスのうち、1Gbpsを超える超高速サービスの利用率は約7%に達しており、今後はさらに利用率が高まる見込みである」と予測している。