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ANA、飛行機に乗らなくてもよくなりそうな瞬間移動手段「ANAアバター」を本格展開、体験者を募集

 ANAホールディングス株式会社(ANAHD)は、瞬間移動手段「ANAアバター」の本格的展開の発表の場として、10月15日から18日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されるイベント「CEATEC 2019」に初出展すると発表した。遠く離れた場所に瞬間移動し、「その場にいる」のと全く同じ体験ができる「アバターイン」という体験を実現するもので、事前会員登録を受け付けている。登録することで、同イベント会場で優先的にアバターイン体験ができるキャンペーンも実施中だ。応募期間は10月10日までで、体験は抽選制での招待となる。

 ANAHDによると、ANAアバターとは「距離、身体、文化、時間、あらゆる制限を超える瞬間移動手段」であり、「VR、ロボティクス、センサー、ハプティクス(触覚)等、最先端のテクノロジーを用い、異なる複数の場所に設置したアバターロボット(遠隔操作ロボット)にアバターインし、『見て』『聞いて』『感じて』あたかもそこに自分自身が存在しているかのようにコミュニケーションや作業を行える」という。

 CEATEC 2019では、2030年のまちをイメージした「Society 5.0 TOWN」にANAHDブースを出展。アバターロボットを移動手段や人間拡張手段として用いる未来の暮らしを、リアルなアバター体験とともに紹介する。具体的には、1)リビングにいながらお出かけ体験ができる「ミュージアム&ショッピング」、2)家の中で魚釣りができる「フィッシング」、3)優れた技術を体で覚ええられる「スキルシェア」、4)遠く離れた場所で授業を受けられる「レッスン」、5)遠隔で料理を体験する「クッキング」、6)アバターロボットの未来を示す「フューチャーテック」――という6つの展示を行う。

「ミュージアム&ショッピング」:遠隔で水族館を訪れたり、お店でショッピングしたりできる
「フィッシング」:大分県の釣り堀に設置された釣りアバターロボットにアバターインし、釣り体験が可能(釣り場の天候や釣りアバターの機材状況により、体験できない場合あり)
「スキルシェア」:ウェアラブルアバターにアバターインすることで、「体験の共有」が実感可能。高い技術を持つ技術者が後進に対して遠隔で技術指導を行うことで技術の伝承に役立てたり、遠隔でピアノや習字の個人レッスンも行えるようになる
「レッスン」:ANAのCAが「おもてなし講座」などの遠隔授業を実施
「クッキング」:ハンドアバターが、キッチンで「遠隔調理」を実演
「フューチャーテック」:未来のアバターロボットを展示。その1つは、上半身と両腕を備えた二足歩行型ロボットで、歩行経路を選択するなど高度な行動ができるほか、両腕で荷物を運ぶことも可能。屋外、山、階段を昇るなど、人間が行けるところは全て行けるようになるという

 CEATEC 2019ではこのほか、同社代表取締役社長の片野坂真哉氏による基調講演も実施する(10月15日13時より。聴講するにはオンライン予約が必要)。ANAHDは、「経済発展と社会的課題の解決を両立する『超スマート社会(Society 5.0)』の実現を目指す」としている。