ニュース
削除された「アバスト」のFirefox/Opera拡張機能、運営元はアドオンサイト側のポリシーの更新が原因とコメント
「機能の提供にはURL履歴の収集が必要」、修正して近々再提供へ
2019年12月10日 15:44
アバストおよびAVGが提供するFirefox/Opera用の拡張機能が公式アドオンサイトから削除されており、12月10日時点でもインストールできない状態だ。ユーザー情報の収集について問題があった可能性が指摘されているが、アバスト側は、削除された原因は「アドオンサイト側のポリシーの更新によって起こったもの」で、ユーザー情報の収集は機能の提供として必要なものだと説明する。
アバストは無料のセキュリティソフトを提供しているチェコのセキュリティベンダーで、2016年には競合であるAVGを買収している(2016年7月8日付関連記事『Avast、競合の無料アンチウイルスベンダーAVGを13億ドルで買収』参照)。
ユーザー情報の収集に問題? 「Adblock Plus」開発者が指摘
拡張機能の問題について指摘しているのは、広告ブロッカー「Adblock Plus」の開発者であるWladimir Palant氏。同氏によれば、ユーザーのウェブサイトの閲覧履歴・閲覧行動の多くを再構築できるデータをアバスト側に送信しているという。
AvastやAVGでは、サービス提供のうえで必要なユーザーデータの収集について、プライバシーポリシーで明らかにしているが、これらの拡張機能で収集されるデータは、「セキュリティ拡張機能として適切と考えられる量をはるかに超えている」とPalant氏は指摘する。
同氏はすでにMozilla、Google、Operaにこの問題について報告を行っており、FirefoxやOperaの公式アドオンサイトでは該当ページにアクセスしてもインストールできない状態になっている。
削除されている拡張機能は以下の通り。アバストによると、Mozillaでは12月2日、Operaでは12月4日に削除されたと説明している。なお、すでにインストールを行った既存ユーザーについては使い続けることができる。一方、Chromeウェブストアでは削除されておらず、12月10日時点でもインストール可能な状態だ。
- Avast Online Security
- AVG Online Security
- Avast SafePrice
- AVG SafePrice
アバスト「機能の提供にはURL履歴の収集が必要」、修正して近々再提供
拡張機能が削除された問題についてアバストに問い合わせたところ、以下のような回答を得た。
「我々は、長年にわたってMozillaストアでAvast Online SecurityとSafePriceブラウザー拡張機能を提供してきました。最近のMozillaストアにおけるポリシーの更新を受け、新しいポリシーに合わせて拡張機能を調整するため、Mozillaと連携しています。Avast Online Securityプラグインは、マルウェアに感染したウェブサイトやフィッシング攻撃などから、ユーザーのオンライン活動を保護するセキュリティツールです。期待される機能性を提供するには、URLの履歴を収集する必要がありますが、ユーザー情報の収集および保管はしていません。
すでにMozillaの新しいポリシーに併せて一部の調整は完了しており、今後、同ポリシー完全に準拠した、透明性のあるアップデートを公開する予定です。Avast Online SecurityとSafePriceブラウザー拡張機能は近々、以前と同様Mozillaストアで提供する予定です。」