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「オンライン飲み会」参加経験は18.3%、「遠距離の相手と開催できる」一方、「終わり方が難しい」
2020年9月1日 17:50
株式会社リクルートライフスタイルが運営する、外食市場の調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研は8月24日、オンライン飲み会・食事会への参加経験等についての消費者アンケートの結果を発表した。
調査は、株式会社マクロミルの登録モニターで首都圏、関西圏、東海圏に住む20~60代の1万186人を対象に、7月1日から7月8日までインターネットで行われた。
「オンライン飲み会・食事会参加経験」のある人は、全体で18.3%だった。うち「20代女性」が最多で40.1%、次いで「20代男性」が38.5%、「30代男性」が25.3%、「30代女性」が24.0%の順。男女ともに年代が若いほど参加経験者が多かった。また、圏域別では首都圏がやや多い20.1%だった。
「緊急事態宣言」以後、参加が急増
「オンライン飲み会・食事会に初めて参加した時期」は、最多が「2020年5月」で36.6%、次いで「2020年4月」が32.8%で、合わせると参加経験者の約7割にあたる。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言が発令されていた時期と重なることから、同研究所は「外出自粛がオンライン飲み会・食事会の普及に大きな影響があったことが伺える」としている。
飲み会相手、最多は友人。帰省代わりにする人も
「オンライン飲み会・食事会の相手・シーン」(複数回答可)は、全体では「友人・知人」が48.3%、「趣味・サークル関係」が25.0%、「職場・社内関係(オフィシャルな行事以外)」が22.5%など。
男性では全体的に「職場・社内関係(オフィシャルな行事以外)」「職場・社内関係(オフィシャルな行事)」が目立っており、仕事関係での参加が多いとしている。
女性では20~50代で「友人・知人」、また、サンプル数はやや少ないものの、50・60代で「夫婦以外の家族・親族(実家などへの帰省・訪問の代わりとして)」「夫婦以外の家族・親族(実家などへの帰省・訪問の代わり以外のシーン)」が目立ち、プライベートな相手やシーンが多いとしている。
開催人数「3~4人」 50~60代男性は「10人以上」も
「参加したオンライン飲み会・食事会の人数」(複数回答可)は、最多が「3~4人」で54.1%、次いで「5~6人」が41.4%など。うち50・60代男性は「10人以上」、20代女性は「2人」「3~4人」との回答が多かった。男性は相手やシーンが職場・会社関係が多く、女性ではプライベートな相手やシーンが多かったことと関係する可能性を挙げている。
「料理、飲み物がおいしくない」正直な声も
「オンライン飲み会・食事会に対する感想」(複数回答可)では、ポジティブな感想として「なかなか会えない遠距離の相手と開催できる」(65.9%)、「家なので気楽」(65.6%)、「安上がり、お金がかからない」(60.5%)などが選ばれた。一方、ネガティブな感想では「終わり方が難しい」(52.0%)、「会話がしにくい」(35.2%)、「家で話しにくい内容の場合がある」(24.6%)などの声も上がった。
性年代別では、20・30代女性がポジティブな感想を多く回答した。一方、20~50代女性でネガティブな感想の「終わり方が難しい」が共通して多く見られる。また、40・50代男性では「料理、飲み物が外食ほどおいしくない」が多く選択された。同総研では「会の目的を会話におくのか飲食におくのかによっても、評価が分かれるところなのかもしれない」としている。
また参加したい? 全体では「No」、経験者は「Yes」
「今後、外出の制限などの規制がなくなっても、オンライン飲み会・食事会に参加したいと思うか」(全体/単一回答)との設問には、「積極的に参加したい」が4.2%、「まあ参加したい」が14.8%に対して、「あまり参加したくない」が24.2%、「まったく参加したくない」が38.6%と、規制等がない場合にはそれほど参加意向が高くないことが分かった。
しかし、今回のコロナ禍をきっかけに参加する人が増えた若年層では、「積極的に参加したい」「まあ参加したい」と答えた20代男性が合計36.4%、20代女性が同35.5%おり、若年層を中心に定着に向かう可能性もありそうだと指摘している。
また、参加経験の有無別で集計すると、参加したことのある層では「積極的に参加したい」「まあ参加したい」が合計58.3%と、「あまり参加したくない」「まったく参加したくない」の合計23.3%を大きく上回り、同総研は「参加のハードルは高いものの、一度経験するとその後も参加意向が継続しやすいことが分かった」としている。