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FAXにADFも付いて1万円台から選べるビジネスインクジェットプリンターカタログ

家庭用インクジェットプリンターとは違う、ビジネスに適したプリンターとは?

テレワークにも最適なビジネスインクジェットプリンター

 再び11都府県で緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルスの世界的蔓延により、日常における生活や働き方が大きく変化した。最大の特徴は自宅で仕事をするテレワークを行う人々が急増したことだろう。こうした変化、具体的には職場が会社から自宅へと変わったことで必要とされるビジネス向けの機器も、これまでと同じ様に使えるというわけにはいかなくなった。そうした機器のひとつがプリンターだろう。


家庭向けインクジェットはテレワークに向いていない!?

 緊急事態宣言をきっかけに、自宅で仕事をするテレワークを開始して、日常が大きく変化した人も多いことだろう。

 テレワークの導入が進んだことで、ZoomやSkypeなどを使ったオンラインでの会議が一般化したし、中にはオフィスを解約して全員テレワークに移行したり、本社機能のみ小規模な事務所に集約し、各部署をSOHO/SMB環境に分散したりする企業もある。最近では電通の本社ビル売却も注目の話題だろう。わずか1年たらずで、働き方の環境は大きく変化した。

 しかし、相手先のある仕事においては、自社の都合だけでは変えられないこともある。そのひとつが「ペーパーレス化」だろう。テレワークで出社はしないものの、客先に自宅から直行して企画書や見積書を提出。そんなスタイルになったため、自宅での文書印刷が劇的に増えたという声も聞く。

 これまでならば、年賀状の印刷と写真の印刷ぐらいしか使わなかった自宅の家庭用インクジェットプリンターだが、こうしたビジネス文書の類を印刷するのに使ってみたら、思いもよらなかった不満が出てきたという人も少なくないのではないだろうか。


ビジネスで使う「家庭用」はここが不満に……

 インクジェットプリンター用のはがきや写真用紙に印刷すれば、とてもきれいな印刷ができる家庭用インクジェットプリンターだが、こと普通紙を使ったビジネス文書の印刷では、機種によってはやや不得手な感はいなめない。

普通紙に印刷したら用紙がふにゃふにゃになってしまった
文字がにじんで読みづらい
裏写りがして見栄えが悪い
オフィスのプリンターと比べると印刷されるまでが遅い
大量に印刷するとすぐに用紙切れ、インク切れを起こす

 といった不満は、家庭用インクジェットプリンターでビジネス文書を印刷した時に経験した人もいるだろう。

 印刷する機会が少なければ我慢もできるが、テレワークになって日常的に多く印刷をするとか、客先に提出したい、といった人にはストレスが大きいはず。そこでそんな人におすすめしたいのが「ビジネスインクジェットプリンター」という選択肢だ。


ビジネスインクジェットのメリットとは?

 家庭用インクジェットからビジネスインクジェットに変えることでどういったメリットがあるのだろうか。

顔料インクで普通紙への文字印刷がきれい

 まずはビジネス文書の印刷、つまりは普通紙を使って主に文字を印刷した場合の仕上がりが違う。その違いは使っているインクの種類の違いだ。専用紙を使った写真印刷に重点を置いた家庭用インクジェットプリンターでは、全色染料インクを採用していることが多いが、染料インクは紙に染みこみやすいため、普通紙で印刷すると文字がにじんだり、裏写りしたり、紙がふにゃふにゃになったりしてしまう。

 その点、ビジネスインクジェットプリンターでは、多くの場合ブラックに顔料インクを用意する。顔料インクは染みこみにくいので、文字がにじまず、裏写りもしにくい。水に濡れた場合や、マーカーでなぞった場合にもにじみにくいのが特徴だ。

 一方、カラーインクについては、ビジネスインクジェットプリンターの中でも機種によって分かれる。カラーも顔料インクとしてにじみにくさを目指したモデルもあるが、カラーには染料インクを採用することで、写真などの印刷のきれいさを目指したモデルもあるので、利用状況に応じて選択したい。

大容量インクでインク切れが少なく、印刷コストもダウン

 大容量のインクタンクや大容量のカートリッジでランニングコストを抑え、さらにインク交換の手間を減らせるモデルもある。こうしたモデルは本体価格は高い傾向にあるが、1ページあたりの印刷単価がぐっと安くなって、A4モノクロ/カラーともに1円以下など、ランニングコストを大きく下げることができる。さらにビジネスユースを想定して、10万ページを超えるような高い耐久性を売りにしているモデルもあるので、印刷する量に合わせてランニングコストも含めたベストな選択をしたい。

すぐに出る、プリント速度が速い!!

 ビジネス文書はペラ1枚ということも多いので、ビジネスインクジェットではファーストプリントタイムでもこだわった製品が多く、そうした用途でも絶大な威力を発揮する。印刷速度においてインクジェットはページプリンターに負けるというイメージだったが、いまやビジネスインクジェットの中にはページプリンターに匹敵する印刷速度を実現したモデルも存在しており、印刷速度で選ぶこともできるようになった。

FAXやADF付き多機能モデルから、1万円台の低価格モデルまで

 そうは言ってもすでに家庭用インクジェットプリンターを持っている人には買い足しに抵抗があるかもしれない。しかしビジネスインクジェットプリンターのバリエーションは多様で、オールインワンの複合機からモノクロ印刷専用のコンパクトモデルまである。

 スキャン/コピー/FAXまでをこなす複合機でも、1万円台の低価格なモデルから、大容量インクタンクでランニングコストを抑えたモデル、置き場所に困らないコンパクトなモデル、SOHO/SMB環境に対応できるような多機能モデルも存在する。

 機能面においても、まとめて複数枚をスキャンしたりFAXしたりできる自動用紙送り機能(ADF)や、自動両面印刷機能、1パスでの表裏スキャンや、A3ノビ用紙対応など、バリエーションは多岐にわたるので、自分の使用環境に合わせた製品選びをすることができる。


「5万円で買える」ビジネス向けインクジェットはこれ

 そんなバリエーション豊かなビジネスインクジェットプリンターの中から、今回はテレワークでの利用を想定して、5万円以下(税別)で買える特徴的なモデルをピックアップしてみた。FAXにADFまで付いた複合機から、印刷に特化したモデルまで、ニーズに合わせて選んでほしい。

 なお、価格はオープンプライスなので、メーカー直販サイトの販売価格を基準に選択している。もちろんここに紹介した以外にも、より高価格で高性能なモデルもあるが、まずは製品選びの参考にしていただければ幸いだ。


【全部入りA4複合機】大容量インクタンクにFAX、ADFも搭載して5万円以下

大容量インクタンクでA4モノクロ印刷約0.5円/枚を実現

キヤノン「G7030」
  ウェブ直販価格:4万4980円(税別)

キヤノン「G7030」

 ギガタンクによりA4モノクロ最大約8300枚、A4カラー最大約7700枚の印刷が可能。印刷コストもA4モノクロで約0.5円/枚、カラーで約1.0円/枚を実現。顔料インクのブラックと染料インクのカラーを組み合わせて文字と写真の美しさを両立する4色ハイブリッドインクを採用する。A4両面印刷標準対応にADF搭載でFAX機能も持つ。

前面カセットに250枚収納可能、A4モノクロ印刷は約0.4円/枚

エプソン「EW-M670FT/FTW」
  ウェブ直販価格:4万9980円(税別)

エプソン「EW-M670FT」

 A4モノクロ印刷が約0.4円/枚、カラー印刷が約0.9円/枚というランニングコストを誇るエコタンク搭載モデルのA4対応複合機。ブラックに顔料インク、カラーに染料インクを採用。自動両面印刷にFAXも標準搭載。前面カセット給紙には普通紙250枚を収納でき、さらにADFも搭載する。本体カラーはブラックとホワイトの2色をラインアップする。

大容量インク+サブタンク搭載でいざというときも安心

ブラザー「MFC-J1500N」
  ウェブ直販価格:4万3450円(税込)

ブラザー「MFC-J1500N」

 月に300枚印刷しても1年以上の使用が可能な大容量インクカートリッジ「ファーストタンク」採用でモノクロ印刷がわずか0.7円/枚を実現。カートリッジが空になってもサブタンクに残ったインクで200枚までの印刷が可能。FAX搭載でADFと両面印刷にも対応するオールインワンのA4複合機。ブラックに顔料インク、カラーに染料インクを採用する。

両面スキャン可能なADFを搭載したコンパクトモデル

日本HP「HP OfficeJet Pro 9020」
  ウェブ直販価格:3万4800円(税別)

日本HP「HP OfficeJet Pro 9020」

 A4モノクロ印刷が約24枚/分という高速印刷に対応、最大約2000ページの印刷が可能な大容量インクカートリッジに対応。ブラック、カラーともに顔料インクを採用する。1パスで両面スキャンが可能なADFを搭載、FAXと両面印刷にも対応し250枚収容可能な用紙トレイを2つ持ったA4複合機。従来比36%の小型化で省スペースも実現。


【低価格A4複合機】FAX付きながら本体価格を抑えて1~2万円台

FAX・ADF付きで低価格、離れた場所から電源オンする機能も

キヤノン「TR8630」
  ウェブ直販価格:2万6500円(税別)

キヤノン「TR8630」

 コンパクトなボディにFAXやADF機能も持たせたキヤノンの最新モデル。インクは顔料インクのブラックに加え、染料インクのカラー3色とブラックを組み合わせた5色ハイブリッドで文字も写真もきれいに。カートリッジタイプで、大容量、標準、小容量から選ぶことができる。また、Wi-Fiで離れた場所から電源をオンにするといった便利機能も。

8万ページの高耐久、ビジネスユースを1万円台で実現

エプソン「PX-M730F」
  ウェブ直販価格:1万8000円(税別)

エプソン「PX-M730F」

 FAXにADFも付いて1万円台というコストパフォーマンスに優れたエプソンの最新モデル。インクはブラック、カラーともに顔料インクを採用。カートリッジタイプで標準容量と大容量が用意される。カラーで11ipm、モノクロ21ipmという高速印刷でファーストページプリントも速い。用紙カセットは250枚で、8万ページという高耐久性も実現。

FAXもADFも付いたコンパクトモデル

エプソン「EW-M530F」
  ウェブ直販価格:1万5500円(税別)

エプソン「EW-M530F」

 FAXにADFも付き、さらに高さ方向でもコンパクトなボディとしたエプソンの最新モデル。インクはカートリッジ式となり、「PX-M730F」とは異なってカラーは染料インクとなる。印刷速度はカラーで8ipm、モノクロ14.5ipmと高速。用紙カセットは150枚で、耐久枚数は5万ページと、価格を抑えながらもビジネスユースに耐える性能を持つ。

スキャンしてデータ化といった繰り返し作業の自動化も

日本HP「HP OfficeJet Pro 8020」
  ウェブ直販価格:1万7800円(税別)

日本HP「HP OfficeJet Pro 8020」

 コンパクトなボディにFAX、ADF機能も持たせ、1万円台の価格も実現したHPの最新モデル。インクはカートリッジタイプでブラック、カラーとも顔料インク。クラス最高のセキュリティを備えるほか、印刷や電子メール送信、クラウドストレージへの保存といったプロセスを簡単に自動化する機能も持つ。色違いの「HP OfficeJet Pro 8028」もある。


【FAXレスA4複合機】大容量インク搭載でも2~3万円台

大容量インクタンクと250枚の用紙カセット搭載

キヤノン「G6030」
  ウェブ直販価格:3万9880円(税別)

キヤノン「G6030」

 ギガタンクの採用により、A4モノクロ最大約8300枚、A4カラー最大約7700枚の印刷が可能。印刷コストはA4モノクロが約0.5円/枚、カラーが約1.0円/枚を実現する。顔料インクのブラックと染料インクのカラーを組み合わせた4色ハイブリッドインクを採用。前面カセットに250枚、後トレイに100枚の給紙ができ、両面印刷にも対応する。

大容量インクタンク搭載で長尺用紙プリントにも対応

キヤノン「G3360」
  ウェブ直販価格:2万6500円(税別)

キヤノン「G3360」

 ギガタンク搭載によってA4モノクロ最大約7600枚、A4カラー最大約7700枚の印刷が可能。顔料インクのブラックと染料インクのカラーを組み合わせて文字と写真の美しさを両立する4色ハイブリッドインクを採用。最長1200mmという長尺用紙プリントにも対応する。また、プリントヘッドを交換可能としたことで、ロングユースを実現する。

前面カセットに250枚収納可能、A4モノクロ印刷は約0.4円/枚

エプソン「EW-M630TB/TW」
  ウェブ直販価格:3万6980円(税別)

エプソン「EW-M630TB」

 エコタンク搭載により、A4モノクロ印刷が約0.4円/枚、カラー印刷が約0.9円/枚というランニングコストを誇るA4プリンター/スキャナー。ブラックインクは顔料、カラーインクには染料を採用する。自動両面印刷に対応し、コンパクトなボディながら前面カセット給紙には普通紙150枚を収納できる。本体カラーはブラックとホワイトの2色をラインアップする。

ファーストタンク搭載A4プリンター/スキャナー

ブラザー「DCP-J988N」
  ウェブ直販価格:3万6850円(税込)

ブラザー「DCP-J988N」

 月に300枚印刷しても1年以上の使用が可能な大容量インク「ファーストタンク」採用でA4モノクロ印刷がわずか0.7円/枚を実現。カートリッジが空になってもサブタンクに残ったインクで200枚までの印刷が可能。インクはブラックに顔料インク、カラーに染料インクを採用する。FAXは非搭載で価格を抑えつつADFと両面印刷に対応するA4複合機。


【A3対応複合機】A3サイズ対応の複合機が3~4万円台

A3対応でコンパクトなプリンター/スキャナー

キヤノン「TR9530」
  ウェブ直販価格:3万4880円(税別)

キヤノン「TR9530」

 最大でA3サイズの印刷とスキャンに対応。最大20枚積載可能なADFも搭載したプリンター/スキャナー。顔料インクのブラックと、写真に強い染料インク4色を組み合わせた5色ハイブリッドを採用。インクはカートリッジタイプで標準容量のほか、大容量と小容量サイズを用意。A3印刷とスキャン対応モデルでありながら3万円台という価格も魅力。

A3ノビ印刷、A3両面コピー/スキャン対応の複合機

エプソン「PX-M6011F」「PX-M6010F」
  ウェブ直販価格:4万500円/3万2500円(税別)

エプソン「PX-M6011F」(左)、「PX-M6010F」(右)

 A3ノビにまで対応しながら価格を抑えたモデル。エコタンクは非対応ながら自動両面印刷にFAXやADFまで標準搭載している。インクはブラック、カラーともに顔料インクを採用。上位モデルPX-M6011Fは給紙カセットが2段になっており、最大550枚の給紙が可能。一方のPX-M6010Fは給紙カセット1段(300枚)として価格とサイズを抑えている。

コンパクトサイズで高耐久のA3複合機

ブラザー「MFC-J6583CDW」
  ウェブ直販価格:3万7400円(税込)

ブラザー「MFC-J6583CDW」

 約15万ページという高耐久のA3複合機。FAX、30枚のADF、両面印刷にも対応した全部入りの多機能モデルながらコンパクトなサイズと低価格を実現する。4色独立カートリッジで全色で顔料インクを採用。A4サイズの場合で、モノクロ印刷は約1.3円/枚、カラー印刷は約6.0円/枚。250枚の大容量カセットと普通紙100枚のリヤトレイを持つ。


【A4プリンター】大容量インク搭載プリント専用機が2万円台

優れたランニングコストで大容量の印刷に強く利便性も高い

キヤノン「G5030」  ウェブ直販価格:2万9880円(税別)

キヤノン「G5030」

 ギガタンク搭載でA4モノクロ約0.5円/枚、カラー約1.0円/枚。印刷速度も速くモノクロで約13ipm、カラーで約6.8ipm。顔料のブラックと染料のカラーを組み合わせた4色ハイブリッドを採用する。自動両面印刷にも対応し、前面カセットで約250枚、後トレイで約100枚の給紙ができる。印刷時に自動で電源が入る機能やスマートスピーカーにも対応。

A4モノクロ約0.4円、カートリッジでカラーも対応するモノクロプリンター

キヤノン「GM2030」
  ウェブ直販価格:2万1880円(税別)

キヤノン「GM2030」

 ギガタンク搭載モノクロプリンター。A4モノクロ約0.4円/枚で、印刷速度約13ipmを実現。自動両面印刷にも対応し、前面カセットで約250枚、後トレイで約100枚の給紙ができる。印刷時に自動で電源が入る機能やスマートスピーカーにも対応。インクは顔料ブラックインクを採用。また、カラーインクカードリッジの装着でカラー印刷にも対応する。

A4モノクロ約0.4円、天面排紙のモノクロ専用モデル

エプソン「PX-S270T」
  ウェブ直販価格:2万9980円(税別)

エプソン「PX-S270T」

 モノクロ専用モデルでエコタンクによりA4モノクロ印刷のコスト約0.4円/枚を実現。インクはにじみにくい顔料インクを採用する。出っ張りを無くしたコンパクトなボディとS字型給紙経路による天面排紙によって設置性を向上。約250枚の内部カセットのほか、リヤトレイからも給紙でき、印刷速度は20ipmで自動両面印刷にも対応する。