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大賞は「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」に決定、2020年の「AMDアワード」

「Zoom」や「radiko」が優秀賞に

「AMDアワード」受賞者と審査員

 一般社団法人デジタルメディア協会(Association of Media Digial:AMD)は21日、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'20/第26回AMDアワード」の授賞式を開催した。

 AMDアワードは、最新のデジタルコンテンツの中から優秀作品・サービスを選定し、制作者を表彰するもので、作品の質的向上と人材育成の促進を目的として開催している。2020年1月1日~12月31日の間に発売・発表されたデジタルコンテンツおよびサービスを対象とした年間コンテンツ賞「優秀賞」の10作品はすでに発表されており、今回、その中から「大賞/総務大臣賞」および「AMD理事長賞」を選出した。

 大賞/総務大臣賞は、「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」(株式会社集英社/株式会社アニプレックス/ユーフォーテーブル有限会社)に決定。AMD理事長賞には「あつまれ どうぶつの森」(任天堂株式会社)と「日曜劇場『半沢直樹』」(株式会社TBSテレビ)の2作品が選出された。

 「劇場版『鬼滅の刃』 無限列車編」は、興行成績の記録を塗り替えながら現在も上映中のアニメ作品。人気コミックを原作として、アニメならではの構図やアクション、感情を掻き立てる音楽、個性的な登場人物で世代を超えて人々の心をつかみ、多くの観客が映画館に足を運んだとして、企画、制作、宣伝の全てにわたる先進性と完成度が高く評価された。

 アニプレックスの高橋祐馬氏は、「すばらしい原作をお預かりして、スタッフたちと一同が真摯に向き合ったからこそ、多くの方にご覧をいただき、高評価をいただいているのだと思います」とコメント。「今年は『遊郭編』の放映も予定しておりますので、これからも真摯な姿勢で向き合っていければと思います」と語った。

株式会社アニプレックスの高橋祐馬氏

 「あつまれ どうぶつの森」は、「どうぶつの森」シリーズ7作目となるNintendo Switch用ゲーム。コロナ禍でリアルなコミュニケーションが制限される中、気ままな無人島生活をゲーム上で展開し、幅広いユーザー層に“癒やし”を提供しつつ、バーチャルなコミュニケーションツールとしても人気を呼んだ。

 任天堂の柴田聡氏は、「コロナ禍で人が集まるのに制約がある中で、このゲームを通じてオンラインでコミュニケーションして、いろいろな方にさまざまな楽しみをしていただいています」とコメント。「少しでもこのゲームで皆様を笑顔にすることができたことを非常にうれしく思っております」と語った。

任天堂株式会社の柴田聡氏

 「日曜劇場『半沢直樹』」は、池井戸潤の小説「半沢直樹シリーズ」を原作としたテレビドラマで、主演は堺雅人氏。コロナ禍により困難な制作状況の中、内容をスケールアップして話題となった。視聴率は最終回で32.7%となり、総合視聴率は44.1%と、年間および令和最高を記録し、タイムシフト視聴を含む全話総合到達人数は7408万人を記録したという。

 授賞式には、TBSの福澤克雄氏と主演の堺雅人氏が登壇。福澤氏は、「なによりも『日曜劇場』のコンセプトである、『働くみなさまに元気を』を貫き通せたことが一番うれしい」とコメント。一方、堺氏は、コロナ禍で密を避けた撮影に苦労した思い出を語った上で、「ここに来てみなさんの話を聞いて、やれることはまだたくさんあるし、人に会いたい気持ちやなにかを表現したい気持ちというのは、いくらでも出せる可能性があるんだな、ということを勉強することができました。この賞をいただいたことをきっかけにして、これからも精進していきたいと思います」と抱負を述べた。

株式会社TBSテレビの福澤克雄氏
堺雅人氏

 なお、大賞/総務大臣賞およびAMD理事長賞の発表に先立って、優秀賞の授賞式も行われた。インターネット関連のサービスとしては、「Zoom」と「radiko」が受賞。Zoom Video Communicationsの日本法人であるZVC Japan株式会社の佐賀文宣氏は、「このような緊急事態のときだけではなくて、普段からZoomを使っていただくためにできることはたくさんあると思っていますので、社員一同、汗を流していきたいと思います」とコメント。また、radikoからは、「今後ともradikoはラジオコンテンツの新しい魅力と、その可能性を示し、放送・通信が融合するシナジー効果を最大化し、新規ラジオリスナーの獲得を目指して参ります」というコメントが発表された。

ZVC Japan株式会社の佐賀文宣氏

 AMDアワード審査員長の夏野剛氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授)は総評として、「今年は大豊作」とコメント。「コロナ禍の中で、国民がコンテンツに癒やされる、コンテンツに勇気と希望をもらうということが、この1年でものすごく証明されました。コロナで縮小する日本が、実はコンテンツでは拡大していたということで、本当に日本国民に勇気を与えていただいたと思っております」と語った。

審査員長の夏野剛氏
コンテンツ制作・関連会社等
・大賞/総務大臣賞
劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編株式会社集英社/株式会社アニプレックス/ユーフォーテーブル有限会社
・AMD理事長賞
あつまれ どうぶつの森任天堂株式会社
日曜劇場「半沢直樹」株式会社TBSテレビ
・優秀賞
GUNDAM FACTORY YOKOHAMA株式会社 Evolving G
劇団ノーミーツ株式会社 Meets
小惑星探査機「はやぶさ 2」宇宙航空研究開発機構(JAXA)
ZoomZoom Video Communications, Inc.
ポカリ NEO 合唱 2020大塚製薬株式会社/株式会社電通
YOASOBI株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
radiko株式会社radiko
・功労賞
HIKAKIN氏
・リージョナル賞
「碑の記憶」プロジェクト株式会社岩手日報社/株式会社IBC岩手放送
・江並直美賞(新人賞)
景井ひな氏