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「Windows 11」発表、Teamsを統合しタスクバーからチャットが可能に

2021年末より提供予定、Windows 10からは無償アップデート

 米Microsoftは6月25日(日本時間)、新しいOS「Windows 11」を発表した。今年のホリデーシーズン(11月下旬以降の年末)に発売になるPCに搭載されるほか、ホリデーシーズンから2022年にかけてWindows 10からの無償アップグレードを順次適用する予定としている。

 Windows 11ではユーザーインターフェースを刷新し、デザインとユーザーエクスペリエンスを簡素化するという。複数のウィンドウを操作できる機能や、並べて表示するスナップ機能により、柔軟な操作が実現され、作業内容を把握しやすくなる。また、デスクトップを複数用意したうえで、好みや用途に合わせてカスタマイズできる。

 コミュニケーション機能ではMicrosoft Teamsのチャットがタスクバーに統合され、常に利用可能になる。Teamsを利用していない相手に対しても、SMSで接続可能になるという。ミュート/ミュート解除やプレゼンテーションの開始もタスクバーから操作できる。

 このほか、主なWindows 11の特徴として以下が挙げられている。

ゲーム関連の機能強化

 ハードウェアの可能性を最大限に引き出し、精密で没入感のあるグラフィックスを可能にする「DirectX 12 Ultimate」、ロード時間を短縮して高速なゲーム体験を実現する「DirectStorage」などを提供。「Xbox Game Pass」によるゲームの提供が継続される。

情報へのアクセス性の強化

 AIにより情報がパーソナライズされるウィジェットを提供。ニュースや天気、各種通知など、現在スマートフォンで閲覧されることが多い情報を、PCのデスクトップから同じように利用できるようになり、ウィジェットは作業の邪魔にならないように画面上をスライドして表示される。

Microsoft Storeの改善

 検索しやすく、見やすいデザインにリニューアル、Microsoft Teams、Visual Studioのほか、Adobe Creative Cloud、Zoom、CanvaなどのアプリもMicrosoft Storeから提供されるようになる。

安全性、互換性

 設計の段階からセキュリティを組み込み、複数のデバイスで横断的にデータとアクセスを保護。ゼロトラストに対応したOSを提供するとしている。

 また、Windows 10の管理機能をWindows 11でもサポート。アプリの互換性も保ち、150人ユーザー以上のアプリケーションにおける問題を追加費用無しで解決する「App Assure」により、Windows 11でもアプリが動作することを約束するという。

 2015年に、MicrosoftはWindows 10を「Windowsの最後のバージョン」として提供開始。以来、OSの名称が変更になるメジャーアップデートは行われず、大型更新プログラムが年2回提供されてきた。このたびのWindows 11の発表により、Windows 10は最後のバージョンとならず、メジャーアップデートが行われるかたちとなる。

 Microsoftでは、コロナ禍において、PCが仕事や学業だけでなくゲームやエンターテインメント、コミュニケーションなど幅広く活用されていることを意識。Microsoft Japan News Centerの記事では、PCが「実用的で機能的なものから、個人的で感情的なものになってきた」とし、Windows 11の設計において、このことがインスピレーションになったと述べている。