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「基本情報技術者試験」「情報セキュリティマネジメント試験」が通年化、2023年4月より

出題形式や範囲にも変更あり

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は4月25日、「基本情報技術者試験(FE)」と「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」を2023年4月から通年化することを発表した。加えて、一部問題のコンパクト化や出題数の変更によって、試験時間を約30~40%短縮する。採点はIRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づく方式に変更する。

 従来、両試験ともに年2回(上期・下期)の実施だった。これが通年実施となることで、受験者が都合の良い日時を選択することができ、年間の受験可能回数も増える。さらに、試験時間も短縮されるため、受験者の利便性も高まるとしている。

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて2020年12月からは、これら2つの試験区分は試験方式が筆記形式からCBT(Computer Based Testing)方式へと変更されている。

出題形式の変更

 基本情報技術者試験の出題範囲にも変更があり、科目B試験(午後試験)の内容が「情報セキュリティ」と「データ構造及びアルゴリズム(疑似言語)」を中心とした内容となる。

 さらに、個別プログラム(C言語・Java・Python・アセンブラ言語・表計算ソフト)による出題が変更となり、普遍的・本質的なプログラミング的思考を問う疑似言語による出題に統一される。

出題範囲の変更

 基本情報技術者試験は、ITに関する基本的な知識や技能を評価する国家資格。これまでに約915万人が受験し、合格者は約115万人に上る。情報処理技術者試験の中で累計応募者数が最も多い試験区分となっている。ITエンジニアの登竜門と位置付けられ、受験者の7割が社会人、3割が学生となっている。

 情報セキュリティマネジメント試験は、組織の情報セキュリティの基本的な知識・技能を評価する国家試験。2016年の創設から現在までの応募者総数は約20万人、合格者総数は約10万人。部門における情報セキュリティリーダー向けの試験であり、応募者数の約9割が社会人、約1割が学生となっている。