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美大初の試み。武蔵野美術大学、キャンパス内にコワーキングスペース「Ma」オープン

クリエイティブワーカーを対象に入居募集を開始

ネーミングは、クリエイティブディレクターの萩原幸也氏(2006年 デザイン情報学科卒)が手掛けた。「真:“真”に人間的自由」「磨:様々な人材と切磋琢“磨”していく時間」「間:社会と大学の“間”」という意味を込めているという。ロゴデザインは、アートディレクターの小杉幸一氏(2004年 視覚伝達デザイン学科卒)が手掛けた

 武蔵野美術大学は、同大学の市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)の7階にコワーキングスペース「Musashino Art University Co-Creation Space -Ma-」を6月8日に開設すると発表した。キャンパス内でのコワーキングスペース開設は、美術大学で初の試みだという。開設に先立って4月28日より、個人会員の第1期入居募集を開始している。

コワーキングスペースの設計は、建築家の織戸龍也氏(2011年 建築学科卒)が手掛けた。オープン後も、入居者とともに「場」を考える取り組みを行う。また、コミュニティのプランニングは、コミュニケーションデザイナーの河野奈保子氏(2005年 視覚伝達デザイン学科卒)が仕組みを構築、若手卒業生がコンセプト設計から関わっているという

 Maは「スキルシェアや活動領域を拡張したいクリエイターの表現の場・社交場となることを提案する」とし、「コワーキングスペース」「コミュニティ創出」という2つの機能を持つ。

 コワーキングスペースにおいては、キャンパス内のスタジオ利用など様々な領域のクリエイターに合わせた環境を整備。個人・法人問わず、フリーデスクや個人ブースなどを提供する。月額会費制またはドロップインで利用でき、利用時間は月~土曜の10時~22時。

 入居定員は100人。対象者は、武蔵野美術大学ならびに美術・デザイン専攻の大学を卒業後15年目までの、各種クリエイティブワークを本業とする個人。会費は自由席会員が1万5000円/月、ドロップイン(1day利用)が1500円/1回。そのほか、座席予約やコミュニティ運営に係るシステム利用料が別途発生する。また、オプションとして事務所登記(5000円)、会議室利用(1000円/1時間)も可能。

 入居募集の開始に合わせて4月28日に1回目の入居説明会を開催。5月12日に2回目を開催する予定となっており、現在、Peatixにて参加申し込みを受け付けている。

 なお、法人会員の募集開始時期は、決まり次第、ウェブサイトで案内する。

 コミュニティ創出としては、コーディネーターが常駐し、プロジェクトや起業・創業支援を行うほか、トップクリエイターやスタートアップ経営者らとの交流イベントを定期的に開催する。また、持ち込みイベント、勉強会、利用者同士のコラボレーションなど、実験的なアイデアも歓迎するとしている。

武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス

 武蔵野美術大学では市ヶ谷キャンパスにおいて、「無印良品との共創実験店舗や、日本総合研究所との共同研究拠点の開設など、ポストコロナを見据えた新たな大学教育の場を目指し、大学と社会をつなぐ社会連携拠点機能の整備を行ってきた」。今回開設するMaでは「コワーキングスペースの運営に加え、若手のクリエイティブ人材のコミュニティを形成することで、従来の大学の枠に捉われない拠点となることを目指し、企業・自治体との共創の推進や、創造性リカレント教育の拡充に取り組んでいく」としている。