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サウンドマスキングのあるコワーキングスペース「DMZ WORK」、東京“築地バレー”にオープン
クリエイターが静かに集中できる個室が特徴、その一方で「寿司フリーナイト」毎月開催も
2019年2月27日 13:05
東京・築地に、映像などのクリエイターのためのコワーキングスペース「DMZ WORK」を、株式会社ねこじゃらしが3月1日よりオープンする。その先行お披露目会が2月26日に開催され、内部がメディア向けに公開されたほか、「築地バレー」構想も語られた。
クリエイターのための“リアル”ワークスペース
DMZ WORKのコンセプトは「クリエイターのための“リアル”ワークスペース」。ねこじゃらしは、もともと映像業界向けのクラウドサービスとして、動画の管理に特化した業務用クラウドストレージ「JECTOR」や、大容量データ向けクラウドバックアップ「BackStore」、クラウド上で映像を編集する「SETARIA CLOUD」などを提供している。
こうしたバーチャルなワークスペースに加えて、リアルなワークスペースであるDMZ WORKによって、「バーチャルでもリアルでもクリエイターを支援する」と同社代表取締役の川村ミサキ氏は説明した。
DMZ WORKは完全会員制のシェアオフィス型のコワーキングスペースだ。TSUKIJI GRANDE(東京都中央区築地3-7-1)の2階にあり、占有面積276.48㎡。12の鍵付き個室を備えるほか、2つの会議室とフリーワークスペースもある。想定席数は38席。24時間・365日入退出可。月額利用料は3万円/人。個室利用料が、広さによって異なり月額6万3000円~32万9000円(価格はいずれも税別)。
調光・調色機能付きの照明と潤沢な電源コンセント、4K映像も送れるよう有線LANも完備
施設の設計にあたっては、クリエイターにアンケートをとって意見を集めた。従来のコワーキングスペースはオープンな作りになっていることが多く、静かに集中することがあまり想定されていなかった。また、発表前の製品のCM制作など、機密情報をしっかり管理できる必要がある。
こうしたことから、DMZ WORKでは全室を鍵付き個室とし、ガラス張りではなく、閉めてしまえば中が見えないようにした。会話が聞こえないように、フロア全域にサウンドマスキングのシステムも入れている。
その一方で、他の入居者とのコミュニケーションもとれるように、中央にフリースペースを設けた。「築地なので」(川村氏)ということで、交流イベントとして「寿司フリーナイト」も月1回開催する。
そのほかのクリエイター向けの特徴として、照明は調光・調色機能付き。4K映像でも送れるよう、Wi-Fiだけでなく有線LANも完備している。机は、大型ディスプレイを複数台置けるような広さを確保。椅子も、アーロンチェアなど作業が快適なものが備えられている。
メンバー特典に、ねこじゃらしのクラウドサービス無料利用権など検討
法人登記も可能。メンバー特典としては、ねこじゃらしのクリエイター向けクラウドサービスの無料利用権や、近隣の飲食店の割引サービスを考えているという。
川村氏は「すでに申し込みが3件あり、問い合わせも十数件ある」と語った。すでに契約を決めたデザイナーのタルマユウキ氏は、「近くで間借りして働いているが、DMZ WORKが近くにできたので説明を聞いた。デザインもよく、クリエイターのことを考えてくれているので決めた」とコメントした。
食の築地から、職の築地へ――水産会社跡に「築地バレー」構想
ITベンチャーやクリエイターの集積する「築地バレー」構想についても、川村氏は語った。キャッチフレーズは「食の築地から、職の築地へ」。
DMZ WORKと、同ビル6階の「DMZ CAFE」をコアに、コミュニティ形成や情報発信、資本の呼び込み、ヒューマンリソース、教育支援などで人材・企業をサポートする。
川村氏によると「電通などがあるので、もともとクリエイターが近くに集まっている。また、築地市場の移転により、水産系の会社も移転し、そのあとにITベンチャー企業ややクリエイターが入ってきている」という。
今後、株式会社ビックウエストの「TSUKIJI HAKONIWA PROJECT」など、築地を盛り上げようとする企業と協力し、築地のさらなる発展を目指すと川村氏は語った。「今後の発展のためには、ビットバレーのセルリアンタワーやマークシティのような大型ビルが築地市場跡にできるように、行政にも働きかけていきたい」(川村氏)。