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デザイナーは「週0~2日出社」が理想? 3日以上で満足度が大きく低下

グッドパッチの「ReDesigner Career Trend Report」で明らかに

 デザイナーのキャリアや働き方についての調査結果「ReDesigner Career Trend Report」を、UI/UXデザイン事業などを手掛ける株式会社グッドパッチが10月9日、公開した。

 調査は7月31日~8月15日、同社が運営するデザイナー向けキャリア支援サービス「ReDesigner(リデザイナー)」のユーザーを対象にインターネット調査で行われたもの。有効回答数は406人。

グラフィックデザイナーよりもデジタルプロダクトデザイナーのほうが高年収の傾向

 現在の年収について尋ねたところ、最も多かったのは「400万円~500万円未満」で21.2%、次いで「500万円~600万円未満」で16.8%。一方で「300万円未満」も14.5%いるという結果に。

現在の年収について(出展:ReDesigner Career Trend Report

 職種別に見たところ、グラフィックデザイナーの69.1%は年収400万円未満である一方、デジタルプロダクトデザイナーの半数近く(計48.0%)が年収700万円以上であることが分かった。

職種別の年収について(出展:ReDesigner Career Trend Report

転職を決断した理由は、5割以上が「スキルを伸ばすため」

 転職を決断したきっかけ・理由(複数回答可)について尋ねたところ、54.0%が「スキルを伸ばすため」と回答。次いで「会社の将来に不安があった」が43.5%、「給与・待遇を上げるため」が36.1%、「ワークライフバランスの改善」が31.8%、「評価・査定に不満があった」が23.8%、「業界の将来性に不安があった」が12.7%、「会社都合(事業縮小、M&A)」が11.1%、「その他」が18.5%
という結果になった。

転職を決意したきっかけ・理由について(出展:ReDesigner Career Trend Report
これまで正社員として就業した会社の数について(出展:ReDesigner Career Trend Report

「週3日以上の出社」は満足度が半数を切る

 リモートワークの動向について、現在の出社頻度について尋ねると、正社員・契約社員デザイナーのうち31.3%が「フルリモート」だった。

 続いて、リモートワーク頻度の満足度について、5段階で尋ねた。「非常に満足」「どちらかといえば満足」を合わせた結果を見てみると、「フルリモート」では95.0%、「週1~2日程度出社」では77.3%、「週3~4日程度出社」では40.0%、「週5日でオフィス出社」では14.9%だった。出社頻度が高くなるにつれ満足度が下がる傾向にあり、3~4日出社になると一気に低下すると指摘している。

リモートワーク頻度の満足度(出展:ReDesigner Career Trend Report

 なお、希望の出社頻度について尋ねると、「週1~2日」が43.0%と最も多い結果となった。次いで「フルリモート」が38.7%、「週3~4日」が14.6%、「週5日」が3.7%。出社頻度の低いハイブリッド勤務を希望するデザイナーが多いことが分かるとしている。

リモートワーク頻度の希望(出展:ReDesigner Career Trend Report

デザイナーの採用・定着に苦戦する企業が多い

 ReDesigner事業責任者の宮本実咲氏は、週3日以上の出社は満足度が下がる傾向にあることを踏まえたうえで、「デザイナーの採用や定着に苦戦している企業が非常に多い」と指摘する。また、「企業側とデザイナー側の双方にとって、出社とリモート両方のメリットを生かした工夫の余地があると感じる結果となった」とコメントしている。