ダブルクリック日本法人、広告配信事業をGoogleに譲渡


 ダブルクリックは25日、同社のインターネット広告配信事業を米Googleに譲渡すると発表した。ダブルクリックはトランスコスモスが吸収合併し、インターネット広告配信以外の事業はトランスコスモスが引き継ぐ。

 ダブルクリックは、米DoubleClickとの日本国内における独占的ライセンス契約により、1997年からDoubleClickの「DART」技術を利用したインターネット広告配信事業を展開してきた。

 その後、2008年にGoogleがDoubleClickを買収。Googleは2009年、ダブルクリックがDART契約上の競業禁止義務に違反しているとして、契約違反を解消しない限りはDART契約を解除すると通知した。これに対して、ダブルクリックでは契約の履行を求める仮処分の申立を行い、仲裁手続きを行っていた。

 ダブルクリックでは、こうしたGoogleとの係争およびDART事業に与える悪影響を総合的に勘案し、Googleから相当対価の支払いを受けることと引き換えに、係争を終了させることにしたと説明。DART事業をGoogleに譲渡するとともに、対価としてGoogleが4500万ドルを支払うことで合意に達したという。

 また、ダブルクリックはトランスコスモスに吸収合併され、メール配信事業などインターネット広告配信以外の事業については、トランスコスモスが継続する。トランスコスモスによるダブルクリックの吸収合併は3月30日、DART事業のGoogleへの譲渡は3月31日の予定。


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(三柳 英樹)

2010/1/26 15:13