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ヤフー、VICSに対応した無料アプリ「Yahoo!カーナビ」、Google Mapsに対抗
(2014/7/31 20:14)
キーワードは「安心安全」
Yahoo!カーナビは、スマートフォン向け無料カーナビアプリとして初めてVICSに対応。リアルタイムで配信される渋滞情報や交通規制情報をもとに、渋滞や通行止めなどを回避したルートを音声・画面で案内する。また、ヤフーの独自エンジンによる3D表示機能を搭載するほか、高速道路の入口や分岐、ETCレーンの場所もイラストで表示する。文字はルート沿いの店舗や交差点名のみ拡大され、ドライバーに配慮している。地図データは、Yahoo!地図とは異なり、カーナビ用に住友電工システムソリューションのものを使用している。
複数のモードを備え、高速道路走行中は、サービスエリアやインターチェンジまでの所要時間、サービスエリアやパーキングエリアのアイコンを表示する「高速走行モード」に切り替わる。夜間走行中は、「夜専用モード」となり、画面が白地から黒地に自動的に切り替わる。
また、タイムズ、リパーク、名鉄協商と連携し、約2万4000カ所の駐車場の満車・空車情報を5~10分間隔で提供する。指定した駐車場を常時マップに表示することもできる。イードの「e燃費」と連携し、ガソリン価格情報の表示、ガソリン価格を反映した「ガソリンスタンド検索」が利用可能。一部のガソリンスタンドについては、カービューの「洗車倶楽部」のクーポンが利用できる。ほか、JAFの会員証を提示することで優待サービスが受けられる、3万1000カ所のJAF優待施設も検索できる。
そのほかの機能として、横画面にも対応。現時点でAndroidのみ対応だが、iPhoneは噂されている次期モデルまでに間に合わせたいとしている。また、音声入力にも対応し、短い単語に関連した候補から選択する補助機能を搭載する。Yahoo!地図とも連携し、自宅のPCから目的地を設定すると、Yahoo!カーナビの目的地として登録される。
Yahoo!カーナビにはオフラインモードはなく、利用にはインターネット環境が必要。また、現時点では、出発地点は現在地のみのほか、経由地も設定できないが、ユーザーから要望があれば検討したいとした。なお、バイクなどの二輪車には対応しない。
Google Mapsから利用時間シェアを奪還したい
ヤフーではこれまで自宅、電車の中、オフィス、外出先に関するサービスを提供してきたが、車に関連する初のサービスとしてYahoo!カーナビを提供する。
日本を4エリアに分けて電車・徒歩と車の移動時間調査を実施。東京23区では、電車・徒歩と車の利用は半々だったが、政令指定都市では78%、都市近郊市では90%、地方市郡町村では94%の人が車での移動時間が長いと判明したため、車向けのサービス展開の1つとしてYahoo!カーナビを開始した。
潜在的市場として、国内のネット人口9652万人における地図サービス利用者は76%、そのうち66%はスマートフォンを利用しており、その中で車の利用者は65%。さらにその中で車載カーナビを利用している54%の1689万人をターゲットにサービスを展開する。記者発表会で、ヤフー株式会社の石田幸央氏(システム統括本部マップイノベーションセンター長)は、無料で利用できること、交差点の表示や高速道路の入口などのグラフィカルな表示、きめ細やかな音声案内で、Googleなどの海外勢から利用時間シェアを奪還すると意気込んだ。
声優ナビも検討中?
今後の展開について、まずはユーザー獲得を目標とするが、今後、使うごとにお得になるサービス、ユーザーおよび向かう店舗双方にメリットがあるサービスを検討していくとした。音声データを声優のナビゲーションと入れ替えるといった、有料サービスの提供も検討しているという。
また、Yahoo!カーナビを利用しているユーザーの位置情報の解析・分析結果で、より精度の高い渋滞情報などを提供する予定としている。VICSに入っていない情報なども、ユーザーからの投稿ではカバーしていくという。なお、VICSの利用には、Yahoo! JAPAN IDのログインが必要だが、これはVICSへの情報提供料を支払う際に必要な人数の把握のためであり、今後提供される精度の高い渋滞情報含め、位置情報とYahoo! JAPAN IDとは紐付けしないとのこと。
現時点では、スマートフォン向けアプリのみの提供だが、今後タブレット向けのアプリを別途提供予定。