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Apple、絵文字の“肌の色”を変更可能に、OS XとiOSの最新バージョンで

 米Appleは、8日に公開したMac用OSの最新バージョン「OS X Yosemite 10.10.3」とiOSの最新バージョン「iOS 8.3」において、絵文字をアップデートした。300種類を新たに追加するとともに、人の顔や手足などを表す絵文字の一部で、ユーザーが“肌の色(スキントーン)”を選べるようにした。

「OS X Yosemite 10.10.3」の絵文字パレット。300種類の絵文字が追加された
人の顔や手足などを表す絵文字の一部では“肌の色(スキントーン)”を6種類から選べる

 スキントーンを変更できる絵文字は、絵文字パレットでクリック/タップした際に、デフォルトのスキントーン(黄色)の絵文字に加え、白っぽいものから黒っぽいものまで5段階のバリエーションが吹き出しで表示される。それら計6種類の中から希望するものをクリック/タップすることで、そのスキントーンで絵文字を入力できる。一度バリエーションを選んだ絵文字は設定が保持され、パレット上の表示もそのスキントーンとなる。次回からはクリック/タップするだけで、そのスキントーンで絵文字を入力可能だ。一方、一度使用したスキントーンを変更したい場合は、その絵文字を長押しすることでバリエーションの吹き出しが表示され、再度選択できる。

「iOS 8.3」の絵文字パレット。耳の絵文字でもスキントーンを選択できる

 昨年11月にドラフト案が出された文字コード規格「Unicode 8.0」では、肌の色の多様性に対応するため、特定の絵文字について、肌の色を変更するための符号を追加。ベースとなる絵文字に、色を指定する符号を追加することで肌の色を選択できるようにした。Appleの絵文字のスキントーンも、この符号を用いている。そのため、OSやブラウザー、ウェブサービスなど環境によってはこの仕組みに対応しておらず、ベースとなる絵文字と色を指定する符号が分離して表示されてしまう。

「OS X Yosemite 10.10.3」の「Safari 8.0.5」で表示した状態。肌の色のバリエーションをきちんと認識して表示している
「OS X Yosemite 10.10.3」の「Firefox 37.0.1」で表示した状態。デフォルトカラーの黄色の絵文字と色を指定する符号の表示が分離している
「iOS 7」端末で表示した状態。従来の明るい肌の色の絵文字だけが表示され、色を指定する符号は認識されていない

 Unicode 8.0では、肌の色の変更に対応する絵文字として、最小限の「Minimal Set」とオプションとなる「Optional Set」を定めているが、肌が含まれる絵文字であっても、家族やカップルなどの絵文字は現時点で対象外となっている。

 OS X Yosemite 10.10.3/iOS 8.3で肌の色を変更できる絵文字は、編集部で確認した範囲では、絵文字パレットの「人々」カテゴリーで47種類、「活動」カテゴリーで10種類あった。丸い抽象的な顔で感情を表現した絵文字は、Unicode 8.0のOptional Setの対象ではあるが、OS X Yosemite 10.10.3/iOS 8.3ではスキントーンの変更には対応していなかった。

(山川 晶之)