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Cerevo、既存の自転車をIoT化するモジュール発表、3DプリンターによるオーダーメードIoTロードバイクも

 株式会社Cerevoは5日、同社のスマートスポーツ用品ブランド「XON」において、既存の自転車をIoT化する計測・通信装置「RIDE-1」と、IoTネイティブなロードバイクフレーム「ORBITREC」を発表した。2016年春の発売予定。価格は、RIDE-1が300ドル以下、ORBITRECが7000ドル以下。

「ORBITREC」
「RIDE-1」

 ORBITREC/RIDE-1ともに、9軸センサー(加速度、角速度、地磁気)のほか、温度、湿度、気圧、照度、GPSのデータを取得可能。走行中の場所や速度のほか、傾きや衝撃などフレームの状態を把握できる。ORBITRECでは、フレームのダウンチューブに各種センサーを内蔵。RIDE-1は、ORBITRECのセンサー部分をモジュール化し、既存の自転車に取り付けて利用できるようにしたもの。

 IoTモジュールは、Bluetooth 4.1とANT+に対応しており、ほかのデバイスやサービスとの連携が可能。走行中に転倒したり、グループからの遅れが発生した場合に、ほかのメンバーにSMSを通知したり、特定の地点を通過したらサスペンションダンピングを変更するといった活用が可能。また、照度センサーを利用して、トンネルに入った際にライトを自動で点灯することも可能となる。

 Cerevoでは、ORBITRECとRIDE-1で取得したセンシングデータを解析して、ライディングに関する情報をフィードバックする専用の解析サーバーを開発。Bluetoothで接続されたスマートフォンを経由してデータを送信する。サーバーを組み合わせることで、転倒発生率が高い場所をGPS情報とマッピングし、「この先転倒多数のため減速」といったプッシュ通知などをポイント通過前に送ることができる。

 センサーモジュールの駆動時間はORBITREC/RIDE-1とも15時間程度で、充電はMicro USB端子で行う。対応OSはiOS 8.3以上。

「ORBITREC」や「RIDE-1」は、スマートフォンを経由して計測したデータを専用の解析サーバーに送信する

 ORBITRECは、3Dプリンター技術を採用した、オーダーメード対応のロードバイクフレーム。オーナーの体に最適なジオメトリに合わせて制作する。フレームは、カーボンファイバーチューブに、株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズが持つ溶融型3Dプリント技術を用いたチタニウム製のジョイントを組み合わせたもので、3Dプリンターによる実用的な強度を持つ製品を量産できるようになったほか、最短納期1カ月以内を実現した。

 ORBITRECのデザインは、デザイナー柳澤郷司氏のユニットであるTripple Bottom LineとDMM.make AKIBA、ABBALabが共同で開発したロードバイクフレームのコンセプトモデル「DFM01」を発展させたもので、引き続き柳澤氏がデザインを担当。歪みが発生しやすい金属3Dプリントで量産できる品質・強度を獲得するために、人間の骨の内部構造を模した「ラティス」と呼ばれる特殊構造を内部に多数配置している。

「ORBITREC」

(山川 晶之)