総務省、通信・放送の法体系見直しに向けた答申案の意見募集
総務省は、情報通信審議会の検討委員会が取りまとめた「通信・放送の総合的な法体系の在り方」の答申案に対するパブリックコメントを募集する。募集期間は6月20日~7月21日。
「通信・放送の総合的な法体系の在り方」の答申案では、デジタル化やブロードバンド化の進展により、通信用の設備で放送が可能になるといった状況を踏まえ、通信・放送に関する現行の法体系を見直すことを提言している。
現行の法体系は、1950年に制定された「放送法」「電波法」を出発点として、「有線テレビジョン放送法」「電気通信事業法」など様々な法律が利用目的や業態ごとに設けられている。新たな法体系ではこれらの制度を集約・大括り化し、「伝送設備」「伝送サービス」「コンテンツ」の3つの視点から法体系を見直すとしている。
伝送設備については、電波利用の柔軟化を図り、放送用などの目的に割り当てられている周波数についても、時間的・地理的・技術的な条件により他の目的にも利用可能な「ホワイトスペース」の活用についても検証を行い、制度整備を行うことが適当だとしている。
伝送サービスについては、現行の「電気通信事業法」を核として、制度を大括り化。有線テレビジョン放送(ケーブルテレビ)については、現在では地域的独占に陥りやすいとは言えないことから、施設設置の許可制を廃止するなど規律の見直しを提言。一方で、放送を受信している消費者の利益を保護するため、放送・有線放送について重大事故の報告義務や、設備の維持義務などの規定を整備することが適当だとしている。
コンテンツについては、規律の対象とするのは従来の「放送」の範囲にとどめ、現行の放送法を核として放送関連4法の制度の大括り化を図る。一方で、インターネットによる放送に類似した通信を規律の対象とすることについては、関係事業者などからの意見聴取でも批判的意見や慎重な意見が多かったとして規律の対象とはせず、違法な情報および有害情報については、まずはプロバイダ責任制限法や青少年インターネット環境整備法により対応することが適当だとしている。
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(三柳 英樹)
2009/6/19 16:29
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