Google Book Search和解案の反対団体設立、米MSやYahoo!など参加


Open Book Allianceのサイト

 米国の司書や法学者、出版社、IT関連企業などが26日、書籍の全文検索サービス「Google Book Search」の和解案に反対する団体「Open Book Alliance」を設立した。IT関連ではAmazonやMicrosoft、Yahoo!、Internet Archiveなどが参加している。

 共同設立者であるPeter Brantley氏とGary Reback氏は、「デジタルライブラリー管理が単一の企業と共謀する少数の出版社によって進められれば、消費者や図書館、研究者、学生は必ず価格の上昇とサービスの低下にさらされることになる」などと主張している。

 和解案は、米Googleと作家団体の「Authors Guild」および「米国出版者協会(AAP)」の3者で合意されたもの。

 この和解が成立すると、米国での「Google Book Search」サービスにおいては、図書館との提携でスキャンした書籍について、絶版または市販されていない書籍の全文が閲覧できるようになる。著作権の保護期間内の書籍についても、絶版または市販されていない書籍であれば閲覧可能となる。ただし、Googleが著作権保護期間内の書籍の使用により得た全収益の63%を権利者に支払うことなどが盛り込まれている。

 また、この和解は「米国著作権を有するすべての人物が含まれる」とされている。著作権に関する国際条約の「ベルヌ条約」により、加盟国で出版された書籍は米国でも著作権が発生するため、米国外の著作権者にも影響がある。なお、和解に同意するかどうかの意思確認については、9月4日までに行うことが求められている。

 なお、和解合意が正式に成立するためには、連邦判事による承認が必要となっている。Open Book Allianceによれば、現在、合意案はニューヨーク州地方裁判所において審理中で、10月7日には決定が下される予定。さらに、米国司法省も独占禁止の観点から調査を進めているという。

 Open Book Allianceにはこのほか、ジャーナリストや作家の業界団体「American Society of Journalists and Authors」や出版社団体「Council of Literary Magazines and Presses」など合計9社・団体が参加している。


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(増田 覚)

2009/8/27 16:13