Linden Lab、企業向け「Second Life」とマーケットプレイス発表
3D仮想世界「Second Life」を運営する米Linden Labは4日、企業がファイアウォールの内側で仮想世界を運用できる「Second Life Enterprise」のベータプログラムを開始した。
Linden Labはあわせて、Second Life内に構築した地域やツール、ソリューションなどを売買できる「Second Life Work Marketplace」を2010年第1四半期に公開することも発表している。
Second Lifeは、エンターテインメント用途で個人によって使用されている一方で、政府機関や大企業も、企業内コラボレーションや、高度なプロトタイプ作成用途のために利用することで知られている。そのため、セキュリティや高度な管理システムが要求されることになり、今回の「Second Life Enterprise」に繋がった。
ベータプログラムには14の組織と大企業が参加している。その中には、米IBM、米軍需企業大手のNorthrop Grumman、米海軍のNaval Undersea Warware Centerなども含まれている。
IBMでは、Second Life内で会議を行うことで、会議開催コストを5分の1に削減し、32万ドルを節約できたとする。また、Northrop Grummanは、Second Life内で開発設計とシミュレーションを行ったところ、大幅に研究開発費を削減できたとしている。
「Second Life Enterprise」ベータプログラムは、企業内ネットワークでイントラネットと同じセキュリティレベルで動作する。利用者は、Second Lifeと同じく3Dコンテンツやコラボレーションツール、ドキュメントなどの共有を行うことができる。
最大で8つの地域を同時運用でき、25の追加地域を保存可能だ。この8つの地域では、最大800のアバターを同時サポートする。管理者はWebベースのコントロールパネルを使い、ユーザー、地域、コンテンツ、システムを管理できる。
デフォルトでは、2つの会議場やテスト用のビル、ビジネス環境に合わせた10種類のアバターが用意されている。
「Second Life Enterprise」ベータプログラムは2009年第4四半期まで続けられ、一般発売は2010年の前半になる予定。価格は5万5000ドルからとなっている。
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(青木 大我 taiga@scientist.com)
2009/11/5 12:41
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