インターネット衛星「きずな」実証実験、父島で実測値86Mbps


実験の概要図

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日、東京都小笠原村・父島で実施していた、超高速インターネット衛星「きずな」によるブロードバンドインターネット通信実験が成功したと発表した。

 この実験は、JAXAと小笠原村の共同研究プロジェクト「小笠原村でのインターネットブロードバンド環境実証実験」の一環として行ったもの。小笠原村の既存の通信回線を「きずな」のブロードバンド通信回線に切替え、小笠原村の村民が利用し、その通信環境・利用効果について検証した。実験期間は11月15日~24日、対象は小笠原村(父島)の村民2031人(1101世帯)。

 実験では、通信回線の伝送速度は最大で約86Mbpsを達成。既存回線の実測値(約1.7Mbps)の50倍以上の回線速度になった。小笠原村の利用者からは、「GoogleマップやYouTubeでは明らかな違いを体感できた。断然速い」「夢だと思っていたブロードバンドがもうそこまで来ている」「ずっと実験していてもらいたい」と言った声が届いたという。

 JAXAでは、実証実験の成功を受け、今後はインターネットや携帯電話の事業者との実証実験を視野に入れた検討を行う予定としている。


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(三柳 英樹)

2009/11/30 19:01