盗品カーナビ対策、オークション出品に製造番号の記載義務付けへ


 警察庁の「総合セキュリティ対策会議」は、2009年度の報告書として「インターネット・オークションにおける盗品の流通防止対策について」をりまとめた。特に盗品カーナビについて早急に対策を講じる必要があるとしており、出品時にシリアルナンバーの記載を義務付けることなどを提言している。

 警察庁によると、ネットオークションで処分された盗品の件数(検挙により判明したもの)は、2004年に904件だったのが年々増加し、2008年には3000件に達した。このうちカーナビは、2004年は34件で、全体に占める割合は3.8%。それが2008年は1239件と、41.3%を占めるまでに急増している。

 こうした状況を受け報告書では、カーナビについては出品フォームにシリアルナンバーの項目を設けて入力を義務化するとともに、掲載する商品写真にもシリアルナンバー記載個所のものを含めるよう推奨すること、こうしたルールが守られていないカーナビの出品はネットオークション事業者が削除することなどの措置が望ましいとしている。

 2009年度の総合セキュリティ対策会議には、国内ネットオークション大手のヤフーや楽天、ディー・エヌ・エーも委員として参加しており、こうした措置の導入についてはおおむねコンセンサスが得られているものとみられる。

 国内ネットオークション最大手「Yahoo!オークション」を運営するヤフーによると、盗品カーナビが問題なっていることは認識しており、時期は未定だが、シリアルナンバーの記載義務化を早急に行っていくスタンスを示している。Yahoo!オークションではすでに2009年4月より、オークションストアの出店店舗に対しては、商品説明にシリアルナンバーを記載するよう求めるルールを導入している。今後は個人の出品者においても、記載が義務化される見込みだ。

 なお、Yahoo!オークションではすでに携帯電話ではシリアルナンバーの記載を義務化している。携帯電話の出品にあたっては、キャリアが提供しているシリアルナンバーの検索サイトで、その端末の利用制限の有無を確認するとともに、利用制限がかけられた端末については出品を禁止する規定をガイドラインに追加している。

 盗品カーナビについても、ネットオークション事業者側の対応だけでなく、警察が保有する盗難品のシリアルナンバーリストをネットオークション事業者が参照できるようにしたり、消費者が購入したカーナビのシリアルナンバーをきちんと管理できるようにする仕組みをメーカー側で工夫するなど、関係者間の連携が必要になる。


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(永沢 茂)

2010/4/2 19:32