2010年のネット広告費は7747億円、微増にとどまった前年から回復基調に


 株式会社電通は23日、日本の総広告費と媒体・業種別の広告費を推定した「2010年 日本の広告費」を発表した。2010年の総広告費は5兆8427億円で、前年比1.3%減少。3年連続の減少となったが、2009年の11.5%減から減少幅は縮小した。

 2010年のインターネット広告費(媒体費と広告制作費の合計)は7747億円(前年比9.6%増)で、1.2%増にとどまった2009年から回復基調となった。内訳は、ウェブ(PC)広告が4876億円(前年比10.4%増)、モバイル広告が1201億円(同16.5%増)、広告制作費が1670億円(同3.0%増)。

 ウェブ広告は、2009年に出稿が停滞していた「人材」「不動産」「金融」などの有力広告主が盛り返し、SNSやミニブログなどのソーシャルメディアも広告媒体として存在感を高めてきたことなどから、市場全体としても復調。検索連動広告(2035億円、19.0%増)も、金融や不動産、旅行、流通などの業種に加え、クーポン共同購入サイトといった新しいサービスの登場により、引き続き成長した。

 マスコミ4媒体の広告費は、新聞が6396億円(前年比5.1%減)、雑誌が2733億円(同9.9%減)、ラジオが1299億円(同5.2%減)、テレビが1兆7321億円(同1.1%増)。テレビ広告費は、インターネット関連企業の出稿が目立った「情報・通信」業種などが牽引したことで6年ぶりに前年を上回ったが、その他の媒体は引き続き減少となった。


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(三柳 英樹)

2011/2/23 17:05