出版4団体、「Baiduライブラリ」のデジタル海賊版に対策を要請


 日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本電子書籍出版社協会、デジタルコミック協議会の4団体は28日、バイドゥの「Baiduライブラリ」において明白な著作権侵害行為が横行しているとして、バイドゥに対応を求める声明を発表した。

 「Baiduライブラリ」は、ユーザーがOfficeやPDFなどのファイルをアップロードして、他のユーザーと共有できるサービス。アップロードできるファイルは1ファイルあたり10MBまでだが、ライブラリには市販の漫画や小説などをスキャンし、権利者に無断でアップロードしたとみられるファイルが多数並ぶ状況となっていた。

 こうした「デジタル海賊版」に対して、著者や出版社はバイドゥに対して発見される都度削除を要請してきたが、違法なデータのアップロードは後を絶たず、いたちごっこが続いている状況だとして、4団体では「この問題に関し、バイドゥ社に重大な責任があると考えています」とする声明を発表した。

 声明では、バイドゥではライブラリをカテゴリー分けし、利用ポイントを付与するなど積極的に投稿を促す一方、著作権侵害に対する警告は利用規約に形式的に書かれているだけで、実効性のある警告などは行われていないと指摘。Baiduライブラリにおけるデジタル海賊版問題は2010年から継続的に生じており、ようやくバイドゥによる事情説明と対策協議が始められたが、現在でも抜本的な解決策は講じられていないとしている。

 こうしたことから、4団体ではバイドゥに対して、早急にデジタル海賊版に関する情報の開示と防止策の構築に着手することを要請。対策に出版社側の協力が必要であればサポートを惜しむものではなく、同じテーブルを囲み新たなルール作りに取り組んでいきたいとしている。


関連情報

(三柳 英樹)

2011/2/28 18:56