ソニー、Androidタブレット「Sony Tablet」2機種を発表


 ソニーは1日、Androidタブレット端末「Sony Tablet」を発表した。9.4型(1280×800ドット)液晶を搭載する「Sシリーズ」と、5.5型(1024×480ドット)液晶を2画面搭載する折りたたみ型の「Pシリーズ」の2機種がある。SシリーズはWi-Fiモデル(16GB/32GB)と3G+Wi-Fiモデル(16GB)、Pシリーズは3G+Wi-Fiモデル(4GB)を販売する。

 SシリーズのWi-Fiモデルは9月17日発売、SシリーズとPシリーズの3G+Wi-Fiモデルは10月~11月にNTTドコモから発売する。市場推定価格は、SシリーズのWi-Fiモデルのみ発表されており、16GBモデルが約4万5000円、32GBモデルが約5万3000円。

9.4型の「Sony Tablet S」5.5型2画面の「Sony Tablet P」

 Sシリーズは、プラットフォームにAndroid 3.1(Wi-Fiモデル、後日3.2にアップデート予定)またはAndroid 3.2(3G+Wi-Fiモデル)を採用し、CPUにNVIDIA Tegra 2(1GHz)を搭載するタブレット端末。本体サイズは約241.2×10.1(最厚部20.6)×174.3mm。重量はWi-Fiモデルが約598g、3G+Wi-Fiモデルが約625g。片手での持ちやすさを追求し、片側が厚くなっている偏重心デザインを採用している。バッテリー駆動時間は、音楽再生時で最長31時間、動画再生時で最長6時間、ウェブ閲覧時でWi-Fiが最長6.2時間、3Gが最長4.5時間。

Sシリーズのホーム画面片側が厚い偏重心デザインを採用

 Pシリーズは、プラットフォームにAndroid 3.2を採用し、CPUにNVIDIA Tegra 2(1GHz)を搭載する、液晶2画面の折りたたみ型端末。本体サイズは、開いたときが約180×14×158mm、閉じたときが約180×26×79mm。重量は約372g。バッテリー駆動時間は、音楽再生時で最長16.8時間、動画再生時で最長6.5時間、ウェブ閲覧時でWi-Fiが最長6.1時間、3Gが最長4.6時間。

Pシリーズを閉じたところ2画面を1つの画面としてブラウジングなどが可能

 Sシリーズ、Pシリーズとも、Wi-FiはIEEE 802.11b/g/n準拠、Bluetooth 2.1+EDR対応で、正面カメラ(30万画素)と背面カメラ(511万画素)、ヘッドフォン出力(マイク入力兼用)を搭載。センサーは、3軸加速度センサー、ジャイロ、デジタルコンパス、照度センサーを内蔵する。カードスロットは、SシリーズはSDメモリーカードスロット、PシリーズはmicroSDカードスロットを搭載。Sシリーズのみ赤外線リモコン機能を備える。

電子書籍対応やAV機器連携、幅広い層に訴求する「みんなのタブレット」を目指す

(左から)ソニーマーケティングの松原昭博氏、ソニーの古海英之氏、NTTドコモの板倉仁嗣氏

 ソニーの古海英之氏(コンスーマープロダクツ&サービスグループ VAIO&Mobile事業本部 バイスプレジデント 副本部長)は、Sony Tabletの特長として、「優れたデザイン性」「快適な操作性」「ネットワークサービス」「テレビなど様々な機器との連携」の4点を挙げ、それぞれについて説明。デザイン面では、Sシリーズは片手で持ちやすいくさび形の偏重心デザイン、Pシリーズは2画面の折りたたみ型を採用するなど、持ちやすさ、持ち運びやすさを追求したと語った。

 また、快適な操作性については、独自技術により「サクサク・エクスペリエンス」を実現したと説明。ウェブブラウザーには独自の即応性技術「クイックビュー」を搭載し、JavaScriptの実行よりもコンテンツのテキスト情報を先に表示させるなどして、素早くユーザーが必要な情報にアクセスすることが可能となり、タッチパネルにも応答性を向上させた「クイックタッチ」を搭載することで、高速かつ滑らかに反応するようになったとした。

 ネットワークサービスとの連携では、映像配信サービス「Video Unlimited」、初代プレイステーションなどのタイトルが楽しめる「PlayStation Certified」プログラムへの対応、電子書籍ストア「Reader Store」、写真・動画共有サービス「Personal Space」に対応。Reader Storeには10月以降に対応し、雑誌や写真集などSony Tablet向けのカラー対応コンテンツも200点以上追加する。

映像配信サービス「Video Unlimited」や電子書籍ストア「Reader Store」などに対応電子書籍リーダーの画面
Sony Tablet向けのカラー対応コンテンツも追加されるPシリーズで電子書籍を表示したところ

 テレビなどのAV機器との連携では、Sony Tablet内のコンテンツを無線LAN経由でDLNA対応のテレビやAVアンプなどに送信できる機能や、SシリーズにはテレビやDVDレコーダーの赤外線リモコンとして利用できる機能を備える。

DLNA経由でテレビなどにコンテンツを送ることができるSシリーズはリモコンとしても利用が可能

 ソニーマーケティング株式会社執行役員の松原昭博氏は、国内のタブレット市場は2011年には200万台規模に達するという見通しを示し、Sony TabletはAndroidタブレットのナンバーワンを目指すと説明。現状のタブレット市場は、アーリーアダプター層が購入する状態だが、各種のネットワークサービスも提供することでタブレット端末の具体的な利用方法も示していくことで、「みんなのタブレット」をマーケティングコンセプトとして幅広い層に訴求していきたいと語った。


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(三柳 英樹)

2011/9/1 15:03