「mixi」訪問者数は横ばい、ネットレイティングスが再集計グラフを公開

ここ1年は月間1000万人以下で推移


 ネットレイティングス株式会社は28日、2011年10月における日本の主要SNSサイトの訪問者数などのデータをまとめた「最新SNS利用動向レポート」を発表した。集計方法を変更したことで10月に訪問者数が大幅に減少したように見えていたSNS「mixi」については、同様の集計方法を過去の月にさかのぼって適用した推定訪問者数も参考値として示している。

 今回とりまとめた動向データは、ネットレイティングスが提供しているインターネット視聴率調査サービス「NetView」によるもの。国内の家庭と職場のPCからのアクセスを対象としている。

 mixの訪問者数については、mixiの「イイネ!」ボタンをmixi以外の外部サイトで表示させた際にリクエストされるmixiドメインのURLについて、10月度のデータから集計対象外とするよう変更していた。その結果、10月のmixiの利用者数は838万5000人となり、9月の1472万3000人から大きく減少したように見えていた。一部ブログ記事でこのデータが紹介されたのをきっかけに、mixiの訪問者数が減少したとの誤解を与えていた面があったという。

 今回発表したレポートでネットレイティングスは、「この現象は弊社のネット視聴率の集計処理の変更に起因するもので、mixi自体の訪問者数が突然減ったわけではない」と説明するとともに、2010年10月以降の過去のデータについて、上記URLを除いて集計した参考値をグラフとして公開したかたちだ。

 これによると、当初の集計方法では、mixiの訪問者数は2010年12月ごろに1000万人を突破し、2011年7~9月には1400万人台に達していたことになっている。

 一方、再集計した参考値では、2010年12月以降、1000万人を上回ることはなく2011年10月に至っている。2011年3月に1000万人に近づいたものの、この1年間で見るとほぼ横ばいか、やや減少傾向を示すグラフだ。

 なお、mixiについて再集計した参考値で比較すると、2011年6月の時点でFacebookの訪問者数がmixiを上回っていたことになる。

日本の主要SNSの訪問者数の推移(ネットレイティングス「最新SNS利用動向レポート」より)

 ネットレイティングスによると、最新SNS利用動向レポートは半年に1回程度とりまとめているものだが、mixiの訪問者数について誤解が生じてしまった面もあったことから、今回のレポートではNetViewの集計方法やアルゴリズムについても説明している。

 NetViewでは、調査協力者のPCからリアルタイムに送信されてくるURLのログから、アドサーバーのURLやウェブページに含まれる画像のURL、実際にはユーザーには見えないバックエンドで動くURLなど、本来の視聴ページではないURLを「視聴定義外URL」として除外してインターネット視聴率を作成しているという。しかしウェブサイトの作り方は各サイトごとに異なるため、あらかじめ設定した視聴定義外URL排除アルゴリズムで除外しきれないものがあり、データ集計担当者が問題を発見するたびに除外するよう集計システムに登録しているということだ。

 mixiの「イイネ!」については、mixiの外部サイトで同ボタンを表示させたたけで、実際にはmixiのサイトを視聴していなかったために視聴定義外URLと認定した。

 なお、TwitterやFacebookなどmixi以外の主要SNSでは、同様のボタンを視聴した際に視聴定義外URLが送信されないため、Facebookなどにおいては集計データに問題はないとしている。

「会員数」と「訪問者数」は異なる、ネット視聴率における定義を説明

 ネットレイティングスではまた、日本におけるFacebookの会員数が500万人程度と発表されているのに対し、ネットレイティングスが発表している訪問者が1000万人を超えていることの差について、各SNSサイトが発表する「会員数」と、インターネット視聴率における「訪問者数」の定義の違いについて説明している。

 それによると、訪問者数=ユニークユーザー数とは、集計期間中に一度でもそのサイトを訪問したことのある人の数をカウントしている数値のため、SNSの会員でなくとも、そのSNSサイトのトップページを閲覧しただけでカウントされることになる。

 そこでネットレイティングスでは、言葉の解釈によって一部で誤解が生じているとし、以前使っていた「利用者数」という呼称を今後は「訪問者数」へ変更することにした。また、インターネット視聴率の指標や集計の定義に関して、より一層の周知に務めると述べ、NetViewの測定範囲が家庭および職場のWindows PCからのみであり、学校やネットカフェ、Mac OSやその他のOS、携帯電話などの利用状況は含まれていないこと、さらに「ユニークユーザー数」と「ユニークブラウザー数」の定義が違うことについても説明している。


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(永沢 茂)

2011/11/28 18:43