ACCESSPORT、中国でAndroidアプリ配信事業スタート。現地企業と提携


発表会に出席した皆さん

 ACCESSPORT株式会社は24日、Android向けコンテンツの流通プラットフォーム事業を中国で開始すると発表した。現地のQihoo 360 Technology(チーフーサンロクマル)社と事業提携し、6月にもスタートする。

 本来、アプリをはじめとしたAndroid向けコンテンツは、Googleが運営するAndroid Marketにて配信されるのが一般的。しかし、中国市場ではGoogleがサービスを展開しておらず、現地企業が開設した独自のマーケットを通じてアプリをダウンロードする形態が一般的という。このため、世界的に最もポピュラーなAndroid Marketに登録したにもかかわらず、中国市場でアプリを販売できない実態があった。

 中国市場への進出にあたって、ACCESSPORTが日本ですでに運営している独自マーケット「TapnowMarket」を活用。同マーケットへアプリを登録すれば、中国のQihoo 360 Technology社が開設している中国市場向けマーケットにも出品できるようになる。

 アプリの販売にあたっては、マルウェアが混入していないかといったセキュリティチェックを実施。アダルトコンテンツも取り扱わないという。また、ACCESSPORT側で徴収する販売手数料は、コンテンツの金額に対して30%前後とする計画。課金用の各種SDKも提供していく。


アプリの登録窓口を一本化DRMは日中で共通化させる

 24日に都内で開催された記者発表会では、ACCESSPORTの代表取締役社長である翁 永飆氏が事業の概要を説明。Qihoo 360社とは、TapnowMarketのベースとなるPC向けAndroid管理アプリ、Android上で動作するマーケット用アプリを共同開発する方針が示された。また、DRMについては両企業間で共通化させ、日本のコンテンツホルダーの要求水準に応えたいとした。

 ただし、中国ではネットビジネスを展開するために「ICPライセンス」と呼ばれる許認可が必要なため、TapnowMarketに登録しただけでは販売できない可能性がある。その上で翁氏は「コンテンツホルダーにとっては(ワンストップで)すべて何もしなくて済むというわけではない。しかし数億人規模のユーザーがいるQihoo 360の基盤に対して、ユーザー管理システムなどを構築することなく、直接販売できる」と、そのメリットをアピールした。


ACCESSPORT代表取締役社長の翁 永飆氏6月をめどにプラットフォームを立ち上げる予定

 Qihoo 360からはCEOのZhou Hongyi氏が列席した。Zhou氏によると、Qihoo 360のアクティブユーザーは約4億人。PC向け無料セキュリティソフトの分野で大きな強みを持つという。現在はAndroid向けのサービスも強化しており、DeNAの中国法人であるDeNA Chinaとも提携交渉を進めている。Zhou氏も「DeNAが保有する優秀なアプリを中国にも紹介していきたい」と期待を寄せていた。


Qihoo 360 Technology CEOのZhou Hongyi氏DeNA Chinaとの提携交渉も進めているという

 なお、日本国内向けのTapnowMarketでは、24日付でサービス強化を行ったことが併せて発表された。Android向けユーザーインターフェイスの刷新に加え、有料アプリの配信も開始した。今後は月額課金システムの提供も予定しているという。


関連情報


(森田 秀一)

2012/2/24 19:34