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4K/8K・スマートテレビの実現を目指す「次世代放送推進フォーラム」発足
(2013/6/17 17:46)
現在のハイビジョンよりも高精細な「4K/8K(スーパーハイビジョン)放送」や、ネット配信映像の受信やアプリの利用が可能な「スマートテレビ」など次世代放送サービスの実現を目的として、放送局やメーカーなどが参加する「一般社団法人次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)」が17日、設立発表会を開催した。
次世代放送サービスに向けては、総務省の「放送サービスの高度化に関する検討会」が検討を進め、取り組みを官民共同の「オールジャパン」で進めていくことや、4K/8K放送実現に向けてのロードマップを策定。推進の運営主体として、放送局やメーカー、通信事業者など21社が参加するフォーラムが設立された。
フォーラムでは、総務省の「次世代衛星放送テストベッド事業」を受託。4K/8K放送の実用化に向けた環境の構築と技術・規格などの検証を行う。4K/8K放送のロードマップでは、2014年に4Kの試験放送、2016年に8Kの試験放送を開始し、2020年には「希望する視聴者がテレビによって4K/8Kの放送を視聴可能な環境整備」を目指すとしている。
フォーラムの理事長に就任した東京大学大学院情報学環長・教授の須藤修氏は、「日本が誇る最先端の放送、ネット、家電の技術を活かして、世界で最も早く、最も高度な放送サービスを実現していくことを通じて、日本の放送文化、映像文化の一層の向上を図る。それは国民生活をより豊かにするとともに、日本の産業競争力を強化することにもつながると確信している」とコメント。「放送やVOD、スマートテレビなどがホームエンターテインメントの分野で大きく飛躍するとともに、さらに大きく高精細なスクリーンによるユーザーインターフェイスの向上によって、高齢社会を迎える日本で、公共的なサービスの利便性を高めるとともに、新しいクリエイティブな産業をはじめとして、さまざまな分野のビジネス活動にも大きな波及効果をもたらすものと期待している」と語った。
来賓として挨拶した総務副大臣の柴山昌彦氏は、「総務省として先月、4K/8K、スマートテレビの一体的な導入を図り、高精細でインターネットとの本格的な連携を実現する次世代の放送サービスを実現するため、ロードマップをとりまとめて公表した。ロードマップの実現によって、我が国が放送分野において世界をリードできることはもちろん、4K/8Kは医療や機械の設計、防犯など幅広い分野に展開が可能であり、波及効果に期待している。今後、技術やマーケット、ニーズの変化により、フォーラムが課題に直面する場面もあると思うが、総務省としてもそうした課題に共に解決に取り組み、次世代放送サービスの実現に取り組むフォーラムを全力で支援していく」とコメントした。
フォーラムの副理事長には、NHKの松本正之会長、ソニーの平井一夫社長兼CEO、日本民間放送連盟の井上弘会長、NTTの片山泰祥副社長が就任。NTTの片山氏は、「次世代放送サービスの実現に向けた取り組みを、通信事業者を代表して牽引していくということで、重い責任を感じている。4K/8Kの普及促進には、衛星といった手段の他に、光のネットワークなどいろいろな伝送路の利用が有効だと考えており、検討会でのまとめにもIPTVの活用を盛り込んでいただいたことを嬉しく思う」とコメント。また、NTTではこれまで符号化の分野で技術開発を進めてきており、4K/8Kの実現に向けたエンコーダーLSIの開発にもメーカーなどとともにオールジャパンで取り組んでいくと決意を語った。