ニュース

さくらインターネット、経産省の高温超電導直流送電システム研究事業を受託

 さくらインターネット株式会社は17日、住友電気工業株式会社、学校法人中部大学、千代田化工建設株式会社と共同で、経済産業省の委託事業「高温超電導直流送電システムの実証実験」を受託したと発表した。

 高温超電導送電システムは、液体窒素温度(-196度)で超電導状態となる高温超電導体を用いた送電ケーブルを利用し、送電時のロスがほとんどなく電気を送ることができるシステム。中部大学と住友電気工業が研究開発、蓄積してきた高温超電導や直流送電システムに関わる技術、ノウハウなどを活用し、千代田化工が持つプロジェクトマネージメント機能や冷熱技術により、送電距離世界一の高温超電導直流送電システムを構築。直流の電力需要を有するさくらインターネットの石狩データセンターと連携するシステム構築により、将来の長距離送電システムを早期実用化するための技術的・制度的課題を抽出する。

 事業では、約500mと2km以上の2つの回線を北海道石狩市石狩湾新港地域に設置。約500mの回線は太陽電池など直流電源設備からの送電確認を行い、2km以上では交流変電所などからの送電システムを設計・製作し、送電ケーブルの敷設および冷却システムの建設を行う。

 北海道は太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーが豊富にあり、今回の事業の成果を生かすことで、北海道を縦断する200km以上の送電システムや、多様なエネルギーソースを活用する「スマートコミュニティ」を展開することが将来可能となるとしている。

(三柳 英樹)