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auで「WiMAX2+」モバイルルーター、セット割引も

 KDDIと沖縄セルラーは、UQコミュニケーションズの新サービスに対応したモバイルWi-Fiルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」(HWD14)を発表した。UQから発表された新型ルーターのau版と言える端末で、料金もUQと同等。発売日はボディカラーによって異なり、ブライトシルバーが10月31日、メタリックレッドが11月中旬の発売となる。

 同端末で利用するWiMAX(WiMX2+)の回線は、新サービス「auスマートバリュー mine」の対象回線となり、auのスマートフォンとセットにして申し込むと、スマートフォン側の基本料金に割引が適用される。

 「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」は、ファーウェイ製のモバイルWi-Fiルーター。auのLTE(au 4G LTE、下り最大75Mbps)、WiMAX(下り最大40Mbps)およびWiMAX2+(下り最大110Mbps)に対応する。2.4インチのタッチパネルディスプレイを装備するほか、ワイヤレス充電(Qi準拠)も利用できる。スマートフォンへの充電機能も用意されている。

 2.4インチのタッチパネル液晶では、ホーム画面でデータ通信の使用量や電波状態、設定内容などを確認可能。各種の設定の操作や確認もタッチパネルを利用し、端末のみで確認できる。

 本体は電源投入から5秒で起動するクイック起動に対応している。搭載される1枚のSIMカードで、WiMAX2+と4G LTEの2種類の契約に対応する。最大32GBまでのmicroSDHCカードを装着できる。

2つのLTEを含む「トライブリッドモデル」

 4G LTE(FDD-LTE)、WiMAX、WiMAX2+(TD-LTE互換)と、あわせて3つの通信方式をサポートする「トライブリッド」としており、4G LTEについては800MHz帯にも対応する。

 端末から設定できる通信モードは3種類で、従来のWiMAXのみを使う「ノーリミットモード」、WiMAXに加えてWiMAX2+も利用できる「ハイスピードモード」、WiMAX2+とauの4G LTEを利用する「ハイスピードプラスエリアモード」の3種類。

 接続時の優先度は、「ハイスピードモード」ではWiMAX2+が優先される。「ハイスピードプラスエリアモード」では、電波状況などを鑑みて接続されるとしている。

 初期設定で選択されているモードは、WiMAXとWiMAX2+を利用する「ハイスピードモード」。WiMAX2+とauの4G LTEを利用する「ハイスピードプラスエリアモード」は、利用した月のみ別途月額1055円がかかる。

 なお、サービスエリアは、WiMAXの人口カバー率が約94%。WiMAX2+はサービス開始時点で東京の環状七号線の内側から開始し、2014年3月末までに東名阪の主要都市に拡大する計画。4G LTEは800MHzに対応し、人口カバー率は約97%となっている。

3つのモードを用意

通信速度制限

 従来のWiMAXは通信速度制限を設けない点が特徴のひとつになっていたが、「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」におけるWiMAX2+(ハイスピードモード)の利用では、月間7GBを超えると通信速度が128kbpsに制限される。ただし、契約時に購入した端末について、最大25カ月間は従来のWiMAXのように通信速度制限は実施されない。後述の「auスマートバリュー mine」を契約した場合は、ずっと速度制限は適用されないとしている。

 なお、4G LTE(ハイスピードプラスエリアモード)も、ほかの端末と同様に月間7GBを超えると通信速度制限の対象になる。この場合は、4G LTEを利用しないモード「ハイスピードモード」に切り替えても通信速度制限は継続されるほか、上記の通信速度制限が適用されないユーザーであっても、通信速度制限が継続される。

そのほかの仕様

 無線LANの規格はLAN側がIEEE802.11b/g/n、WAN側がIEEE802.11a/b/g/n。

 3000mAhのバッテリーを内蔵しており、連続待受時間はECOモードで約950時間、クイックアクセスモード時で約27時間。連続通信時間は4G LTEで約550分、(約9.2時間)、WiMAX2+で約540分(約9時間)、WiMAXで約570分(9.5時間)。充電時間は専用ACアダプター利用時で約170分。

 大きさは約100×62×15.5(最厚部15.7)mm、重さは約140g。ボディカラーはブライトシルバーとメタリックレッドの2色。最大10台まで同時に接続できる。

料金

 「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」の料金プランとして「WiMAX2+フラット for DATA」が提供される。通常は利用料が5455円だが、「誰でも割シングル」の適用によって、月額4405円となるほか、さらに「WiMAX2+ おトク割」で最大25カ月間、毎月525円が割り引きされる。

 これにより、月額3880円で利用できることになる。

「auスマートバリュー mine」の対象

 新たに発表された「auスマートバリュー mine」は、auのスマートフォンと「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」をセットで契約して申し込むと、スマートフォンの利用料が割り引きされるもの。割引額は、2年契約で780円(2014年8月までの申し込みでは980円)、4年契約で980円の割引となる。

 なお、これまで提供されてきたauの割引サービス「auスマートバリュー」は、auの固定回線とスマートフォンを契約すると、スマートフォンの利用料が1回線ごと(最大10回線まで)に毎月1480円、割り引きされるというもの。契約期間の制限はない。

 一方、「auスマートバリュー mine」は単身者向けという位置付けで、対象スマートフォンが最大1回線、契約期間が2年単位もしくは4年単位となる。従来からある「auスマートバリュー」と今回の「auスマートバリュー mine」を重複して契約することはできない。

 auスマートバリュー mine契約中は、WiMAX2+利用時の通信量制限(7GB)がなくなる。ただし、前述のように「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」の4G LTEの回線で通信速度制限が適用された場合は、WiMAX2+利用時でも通信速度制限が継続される。

 「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」の購入と同時にauスマートバリュー mineの4年契約に申し込むと、「WiMAX2+ おトク割」の適用期間が最大49カ月間となる。

 なお、「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」における「auスマートバリュー mine」の提供は、UQコミュニケーションズと提携して提供されるという形。今後、提携事業者はUQコミュニケーションズ以外にも順次拡大していく予定で、WiMAX2+回線を扱うMVNOに拡大すると見られる。

「auスマートバリュー mine」

(太田 亮三/関口 聖)