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外国人は枝豆とサマソニがお好き? Googleが2013年旅行検索ランキング発表
(2013/12/20 06:00)
グーグル株式会社(Google)は19日、2013年の旅行検索ランキングを発表した。日本国内の急上昇検索ワード1位は「バニラエア」だった。また、今回は東京オリンピック招致や富士山の世界遺産登録などの話題を受け、海外からの検索動向も分析。同日には記者説明会も開催した。
やっぱり強いMt.Fuji、意外なキーワードも
記者説明会では、グーグル株式会社の旅行業界営業統括部長である松濤(まつなみ)徹氏が「日本の魅力を海外に対してどう発信していくか」「いかに海外からの観光客を増やすか」との観点から解説を行った。なお、今回の調査は2013年1月から11月までを対象期間としている。
調査分析にあたっては、海外で日本について調べるために使われるキーワードを衣・食・住・コンテンツ(mangaなど)・観光の5分野に大別。この構成を地域や国ごとに集計した。これによると、英語ベースの検索のうち、5分野の中で最も割合が高かったのが食だった。
地域別に見た場合でも食の構成比は高く、北米・南米・欧州のいずれでも1位だった。しかし、アジアでは若干傾向が異なり、日本と地理的に近い影響もあってか観光が1位だった。また、2位についても地域差があり、北米では観光、欧州では衣、南米はコンテンツだった。
海外から英語で検索されている日本の観光地およびイベントのランキングでは1位が「Mt.Fuji」、2位が「Aokigahara」と、いずれも富士山関連だった。上位20位までには「Tokyo Disneyland」「Tokyo Sky Tree」のほか、城や寺など、“海外観光客に人気がありそうな名所や施設”として日本人がイメージするものが実際に並んだが、松濤氏はその中でも9位に「Ghibli Museum」(ジブリ博物館)、14位に音楽イベントの「SUMMER SONIC」が入った点にも注目すべきだと説明した。
また、検索ワードのランキングは国によっても大幅に異なる。加えて、ビザが撤廃・緩和されたフィリピンやタイなど、アジア各国での検索数も増えている。松濤氏は「国別の検索データを見ながら、海外のお客様にどう日本の魅力をアピールするか、方針を変えていく必要があるだろう」とも補足した。
12月には「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを受け、和食関連のキーワードランキングも集計した。1位は「sushi」と順当だが、2位には「edamame(枝豆)」が入った。以下、3位は「ramen」、4位には「sashimi」、5位が「tempura」と続いた。
edamameが上位に入った理由について、松濤氏は「edamameと一緒に検索されているキーワードを調べてみると、『calories』や『nutrition(栄養)』などが多かった。健康志向の高まりを受けての現象ではないか」と分析。日本人が想像すらできないニーズが、検索ランキングで浮かび上がる点を強調していた。
話題の国内新施設もきっちりランクイン、スマホ検索は今や主流に
一方、日本国内での検索はどうか。観光地やイベント名でのランキングは1位「ディズニーランド」で、2位「ユニバーサルスタジオ」、3位「ディズニーシー」だった。また、2013年特有の傾向として、20年に1度の式年遷宮で話題となった「伊勢神宮」が5位、同様に60年に1度の大遷宮が行われた「出雲大社」が9位にランクインした。
急上昇ワードに限ったランキングでは、1位「キッテ」、2位「神戸アンパンマンミュージアム」など、新規オープン施設が上位に多数入った。「(相当数の観光施設が次々オープンする中にあっても)やはり、話題の新施設はランキング上位に来る。お客様ニーズはしっかりあるので、これに応えるかたちの旅行商品はやはり必要だろう」(松濤氏)
旅行に関連した検索の回数は近年も伸びているが、これを下支えしているのがスマートフォンの普及だ。国内旅行、海外旅行のいずれでも、旅行関連検索を行う端末の比率はスマートフォンがPCを抜き、50%に達したという。今後も、旅行関連のウェブサイトやサービスのスマートフォン対応を継続させる必要性があると松濤氏も指摘する。
説明会終盤には、日本政府観光局(JNTO)の事業連携推進部事業開発担当部長である亀山秀一氏が、訪日外国人観光客増加を推進する立場から挨拶した。「我々のほうでもサマーソニック目的のお客様が増えているとは聞いていたが、検索ワード上位に入ったことからも、実際の訪日と関連性があると感じた。また、寿司や天ぷら以外、例えばラーメン、餅や団子などもランキング上位に入るなど、食への関心の裾野は広がっているようだ」と亀山氏は感想を述べ、検索動向の“深掘り”にも意欲を見せていた。