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「Cabos」入りPCを販売、操作法も伝授して著作権侵害を幇助、家電店経営者を送検

 香川県警察本部などが24日、ファイル共有ソフト「Cabos」で音楽ファイルなどを違法アップロードしていた徳島県の35歳の女性と、これを幇助した39歳の男性を高松地方検察庁に送致した。一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が同日、発表した。

 JASRACの管理楽曲を含む音楽ファイルを無断で公開し、不特定多数のユーザーに対して送信できるようにして著作権(公衆送信権)を侵害したとして、JASRACが6月10日にこの女性を告訴。あわせて、あらかじめCabosをインストールしたPCをこの女性に販売し、その上、操作方法も伝授していたことなどから、男性についても告訴していたもの。

 警察の調べによると、この女性は、男性が経営する家電販売店で購入したPCで5年ほど前からCabosを利用するようになり、同ソフトで入手した約2000件の音楽ファイルを保存していたという。また、この男性はPCを販売した後も、Cabosが正常に動作しないとの女性からの問い合わせを受けて同ソフトの再インストールを行っていたことが判明している。

 ファイル共有ソフトによる違法アップロードの幇助者をJASRACが告訴したのは初めて。JASRACによると、この男性の場合はインストールしたPCを販売したり、顧客の女性の求めに応じて再インストールするなど、単にCabosの操作方法を紹介するにとどまらず、著作権侵害への関与の度合いが大きかったことから、著作権侵害の幇助で告訴するに至ったとしている。

 なお、この男性の存在は、著作権侵害の正犯である女性の取り調べを進めている過程で浮かび上がってきたもので、同様のPCを販売していた顧客が他にもいることが分かっているという。

(永沢 茂)