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P2P共有ソフトの定期利用者はおよそ15万人、ネットエージェントが年末年始に調査

 ネットエージェント株式会社は30日、2014年の年末から2015年初頭にかけて行ったP2Pファイル共有ソフト利用者数調査の結果を発表した。代表的ソフトである「Winny」「Share」「Perfect Dark」の利用者数は合計でおよそ15万人に上った。

2014年末~2015年初頭のP2P共有ソフト利用者数推移(発表資料より画像引用)

 調査は、ネットエージェントのP2P調査システムを用いて行われた。2014年12月27日から2015年1月4日までの各日とも、WinnyとShareは4万数千件、Perfect Darkでは3万件前後のノードが確認されており、これらの結果、15万人前後のユーザーが当該P2Pファイル共有ソフトを定期的に利用しているものと推計している。

 なお、2013年~2014年の年末年始調査では、利用者推計が15~20万人だった。1年を経て若干減少したものの、未だに多くの利用者が存在するとみられる。

正月三が日のP2P共有ソフト利用者数年度別推移

児童ポルノの逮捕割合が1年でほぼ倍増

 あわせて、報道発表などから判明した情報をもとに、2014年の1年間におけるP2Pファイル共有ソフト関連逮捕・検挙事例についても調査している。逮捕・検挙数をファイル共有ソフト別に集計したところ、最も割合が高かったのはShareで49%。以下、Cabosの36%、eMuleの7%と続いた。

 逮捕者の犯罪種別集計では、1位が著作権法違反で約69%だった。次いで2位は児童ポルノ禁止法違反で28%だが、これは2013年調査の15%と比較して、ほぼ倍増となった。2014年6~7月にかけて改正児童ポルノ禁止法が成立・施行されており、摘発が強化された可能性があるという。

 児童ポルノをめぐっては、日本国内での対策の遅れがたびたび取り沙汰されている。一方で、2012年にはサイバー犯罪条約を日本も正式批准し、国際的な協力体制についても確立されてきているという。これらの状況を踏まえ、ネットエージェントでは「今後はますます児童ポルノおよび著作権法違反への監視の目が厳しくなっていくことが予想される」と指摘している。

P2Pファイル共有ソフト利用による逮捕者犯罪種別割合

(森田 秀一)