KDDI、ドローンで電子メールを集配するシステム開発、災害で孤立した地域でもメールの送受信が可能に

　株式会社KDDI研究所は25日、ドローンなどの無人航空機を利用した電子メール配送システムを開発したと発表した。

システム概要図

無人航空機に搭載された「メッセージ集配装置」

　無人航空機には、小型のサーバーとWi-Fi通信装置で構成する「メッセージ集配装置」を搭載。地震などの大規模災害時に、携帯電話が利用できない孤立地域に無人飛行機を飛ばして電子メールを受信し、ネットワーク接続が可能な非孤立地域まで移動したのちに蓄積したメールをインターネットに配信する。

　利用者は、避難所などに設置されたメッセージ保管装置にWi-Fiで接続し、ブラウザーから専用アプリをダウンロードする。その後、システム専用のメールアドレスを発行することで、メールの送受信が可能となる。メッセージは保管装置に一時的に預けられ、無人飛行機の到着と同時にメールを回収する。また、逆の経路をたどってメールを孤立地域まで届けることもできる。

　これまで大規模災害時の携帯電話ネットワーク復旧には、車載型基地局による陸上からの基地局の復旧に加え、海上から船舶を利用した復旧の実証実験が行われている。ただし、陸上や海上から被災地に物理的に近づけない場合などは、通信の復旧に時間を要することがあった。

ドローンによる実証実験の様子