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自分でCisco! 2万円台で買える「Meraki Go」が製品強化! 事務所や店舗のWi-Fi・LANを改善

 シスコシステムズが提供するスモールビジネス向けソリューション「Meraki Go」に、新たにネットワークスイッチとセキュリティゲートウェイが追加された。

ネットワークスイッチ(左)、セキュリティゲートウェイ(中央)、アクセスポイント(右)のフルラインアップになった

 これにより、従来製品のアクセスポイントと組み合わせることで、店舗や事務所などのネットワークをフルラインアップで構築可能となった。

 スマートフォンアプリで誰にでも簡単にネットワークを管理できるMeraki Goは、「安全で快適なネットワークってどうすればいいの?」と悩む小規模オフィスや個人事業主の強い味方となりそうだ。

直販で買えるシスコ「Meraki Go」にフルラインアップがそろった

 Meraki Goと⾔えば、アプリによる簡単な設定と管理、それをクラウドから行えるので現地にいなくてもいいという特徴があり、シスコシステムズならではの高い信頼性のネットワーク機器を、初めてでも簡単に使えるようにした製品群だ。

 Amazon.co.jpから手軽に購入できる上に、月額料金のライセンス費用なども不要な買い切りタイプの製品となる。しかも、スマートフォンのアプリによって設定・管理できる手軽さから、これまで敷居が高かったシスコの製品を、小規模な環境でも手軽に導入できるとして、非常に高い評判を得ている。

 これまでに提供されていたアクセスポイントだけでも、店舗や事務所などの業務用のネットワークに加えて、来客用のゲストネットワークまでを手軽に構築できるなど、実際の店舗や事務所での利用を想定した実用的な機能を手軽に設定可能な製品だったが(詳細はこちらの記事を参照)、今回、ネットワークスイッチとセキュリティゲートウェイが追加されたことで、さらに幅広い活用が可能となるわけだ。

 これにより、Meraki Goは次の3種類のラインアップによって構成されるようになった。

2万円台のWi-Fiアクセスポイント、11ac対応で最大867Mbps

 IEEE 802.11ac(最大867Mbps)に対応したデュアルバンドのWi-Fiアクセスポイント。イーサネットケーブル経由で電源を供給するPoEに対応した製品で、屋内用と屋外用の2モデルをラインアップする。

こちらは屋内用のWi-Fiアクセスポイント。Amazonco.jpでの販売価格は2万550円

3万円台からのギガビットスイッチ、8/24ポート、PoEモデルも

 有線LANに対応したネットワーク機器を接続するための機器。1000BASE-Tに対応しており、接続できる機器の数に応じて8ポートまたは24ポートに対応する製品をラインアップする。それぞれPoE対応のモデルも用意されている。

1000BASE-Tネットワークネットワークスイッチ。PoE対応の8ポートモデルはAmazon.co.jpで3万8500円

2万円で対策できるルーター機能付きセキュリティゲートウェイ

 ルーターとファイアウォールの機能を搭載したインターネット接続用の機器。PCやスマートフォンをインターネットに接続できるだけでなく、ステートフルなファイアウォール機能によって、外部からの不正アクセスも防止できる。さらに1ポートはPoE給電に対応しているので、アクセスポイントと組み合わせて利用するシーンにも適している。

ルーターとファイアウォールの機能を搭載するセキュリティゲートウェイ。Amazonco.jpでの販売価格は2万700円

スモールビジネスの「ネットワークを何とかしたい」に応えられる「Meraki Go」

 このようなMeraki Goのフルラインアップを活用することで、具体的にどのようなネットワークを構築できるようになるのだろうか?

 スモールビジネス向けとされるMeraki Goが適しているのは、従業員25名程度の⼩規模な環境だ。具体的には、飲食店や雑貨店などの店舗や会計事務所、学習塾、デザイン事務所、スタートアップ企業などの小規模オフィスが想定できる。

 こうした環境では、人員不足や時間的な制約により、IT環境の整備が遅れがちだ。中でもネットワーク環境は、その設定の難しさなども重なり、古い機器を使った環境や家庭向けの機器を流用したネットワークが長年放置されている状況も珍しくない。

 Wi-Fiルーターや回線事業者からレンタルされたホームゲートウェイをそのまま利用しているために、ビジネス向けの設定に苦労したり、管理の煩雑さに耐え続けているケースも少なくないだろう。

 その一方、クラウドサービスの普及によってオフィスのネットワーク環境の快適性や安全性が重要視されるようになってきたり、テレワークの一般化によって店舗のWi-Fiを使いたいという顧客の需要が高まってきたりしていて、「ネットワークを何とかしたいが、どうすればいいのかが分からない」というジレンマに陥っている。

 こうしたスモールビジネスならでのネットワークの課題を「ちょっとよくできる」のが、今回フルラインアップ化で強化されたMeraki Goのポイントだ。

 例えば、それぞれの機器を次のような活用が可能だ。

店舗のゲスト用Wi-Fiがよくなる

 アクセスポイントを活⽤すれば、オフィス側ネットワークと切り離されて、オフィス・店舗への来客や、学習塾の⽣徒などが安⼼して使えるゲストネットワークを提供できる。

オフィスの有線LANがよくなる

  • 接続機器を増やせる
     複数台のPCはもちろん、業務で使うプリンターや複合機、店舗用のPOS、情報共有のためのNASなど、有線LAN接続の機器を全てMeraki Goで管理するネットワークに収容できる
  • LANで延長、離れた場所でも使える
     一般的にインターネット回線の回線がきている場所に設置する、セキュリティゲートウェイなどの通信機器から距離が離れたところにある部署でも、デスクの島をカバーするネットワークスイッチを配置し、ケーブル1本でつなぐことで全体をカバーできる
  • 設置場所が増える
     PoE対応ネットワークスイッチの活用で、電源が確保しにくい場所にもPoE対応のアクセスポイントやネットワークカメラ(セキュリティカメラ)を設置可能に。店舗用のアクセスポイントを増設したり、倉庫を監視するためのカメラを接続したりできる

セキュリティの不安を抱えたままネットを使わずに済む

 ルーター機能を内蔵していて、インターネットへの接続を提供するのはもちろん、ファイアウォールの機能によって、外部からの不正アクセスを防げる。オフィスのPCやスマートフォンはもちろんのこと、ゲストネットワークを利用する顧客や生徒も保護できる。

ネットワークの今が、スマホから手に取るように分かる

アプリを使って、一カ所からアクセスポイント、ネットワークスイッチ、セキュリティゲートウェイをまとめて管理できる

 このようにネットワーク環境をさまざまな面から改善できるMeraki Goだが、実はアクセスポイント+ネットワークスイッチ+セキュリティゲートウェイのフルラインアップで使う最大のメリットは、これら全てを1カ所で、しかもスマホのLTE回線やインターネットが繋がる場所であれば、どこからでも管理できる点にある。

 家庭用の通信機器でも、ルーターとWi-Fiは統合されている場合が多いが、ネットワークスイッチは切り離された世界で個別に管理する必要があった。このため、Wi-Fi接続機器を管理できても、有線LANでの接続機器は把握できなかった。また「つながらない」というトラブルが発生したとき、Wi-Fiルーターだけでなくネットワークスイッチでも原因を別に調べなければならず、原因の調査に手間がかかったり切り分けに専門知識が必要だったりした。

 これに対してMeraki Goは、無線も有線もインターネット接続も、全て手元の端末から一元管理できる。

 今、どの機器が無線でつながっているのか? ネットワークスイッチのどのポートに機器がつながっているのか? どれくらいの帯域が使われているのか? インターネット接続に問題はないか? など、さまざまな情報が手に取るように分かる。

ネットワーク全体の状況を確認

 例えば右の画面では、ネットワーク全体の状況が分かる。全ての機器でどれくらいの帯域を使っているのか? インターネット接続はどれくらいの速度なのか? どのようなアプリを使っているのか? といった情報が集計されたグラフで表示される。

 そうした情報から、今のPCの台数や使い方に対して、アクセスポイントの数や回線速度が不足していないかを簡単にチェックできるわけだ。

 また、左下の画面では、Wi-Fiの接続状況をチェックできる。アクセスポイントにどのようなデバイスが接続されているのか、どれくらいの速度でつながっているのかをチェックできるので、見えない電波を使うWi-Fiを簡単に管理できる。

 さらに、右下の画面では、ネットワークスイッチのポートに接続されている機器の速度を確認したり、古いOA機器を利用している場合は速度を固定できるほか、ポートをオン・オフすることも可能だ。

アクセスポイントの状況をチェック
ネットワークスイッチのポートをチェック。どのポートに何がつながっているのかが分かる

 この機能は地味ながら、実は非常に助かる機能だ。オフィスのネットワークでは、ケーブルの不良や差し込み不足などで、有線LAN端末がつながらなくなるトラブルが発生することがあるが、従来のネットワークスイッチでは、LEDでリンクを確認したり、ネットワークスイッチの設定画面をチェックする必要があり、その原因を調べるのが一苦労だった。

 しかし、Meraki Goなら、Wi-Fiやインターネット接続を管理するのと同じアプリから、ネットワークスイッチの各ポートの状況を簡単に確認できる。これにより、ケーブルがつながっているかどうかというトラブル判断を瞬時に行えるわけだ。

例えば、機器に何かトラブルが発生していたりオフラインになっていれば、管理画面からすぐに分かる
トラブルシューティングツールを使ったり、再起動をしたりと、機器のトラブル対応も手元からできる

フルでそろえても、後から機器を追加してもOK

 そんなにいろいろと管理ができるとなると、使い方が難しいのでは? と思うかもしれないが、設定や管理が非常に簡単なことも、Meraki Goの大きな特徴と言える。

機器のQRコードを読み取ることで、簡単に管理アプリに登録できる

 スマートフォン向けのアプリをダウンロードした後、Meraki Goのアカウントを取得すれば準備は完了だ。あとは、機器の背面などに記載されているQRコードをカメラで読み取るだけで、その機器をアプリへ登録し、簡単に管理できるようになる。

 従来のネットワーク機器のように、機器ごとのツールを使って管理したり、個々のIPアドレスを把握する必要はなく、誰でもすぐにネットワークを管理できる。

 例えば、ゲスト用のWi-Fiネットワークを作りたければ、[ネットワーク]から[+]をタップして新しいWi-Fiネットワークを作成し、名前やパスワードを設定後、[ゲストネットワーク]にチェックマークを付けておけばいい。

 その後、設定で、接続後に自動的に表示されるランディングページを指定して、顧客に知らせたい情報や自サイトへと誘導したり、ウェブブロッキングを設定してアクセスを禁止するURLを登録したりできる。

ゲストネットワークを簡単に作成可能
ランディングページも設定できる

 もちろん、ゲストネットワークの使用状況もチェック可能で、どれくらいのユーザーがアクセスし、どれくらいの帯域を使ったのかも把握できる。店舗などで、顧客に実際にどれくらいWi-Fiが使われているのかが分かるので、効果測定などにも活用できるだろう。

ブロックするURLを指定できる
ゲストネットワークの利用状況も把握できる

 もちろん、Meraki Goでは、製品の柔軟な組み合わせが可能なので、例えば最初はアクセスポイントのみでスタートし、ネットワークスイッチやセキュリティゲートウェイを後から追加して、徐々に構成をアップグレードしていくことも簡単だ。

 構成によっては、ネットワークスイッチを複数台に増やすこともできるので、例えば、オフィス兼自宅のような環境で、オフィス用のネットワークスイッチを最初に導入し、後から自宅側にもネットワークスイッチを追加して、一緒に管理することもできる。

 このほか、全ての機器のファームウェアが自動的にアップデートされるため、ネットワークスイッチやルーター、アクセスポイントの脆弱性を狙った攻撃なども防ぐことができる。

 シスコシステムズというと、設定や管理が難しいとのイメージを持つかもしれないが、Meraki Goシリーズに関しては、基本的に「おまかせ」で快適に使えるようになっている。このため設定や管理に手間がかかることがないことが最大のメリットだ。

知識ゼロから誰でもネットワーク管理者に

 このように、フルラインアップがそろったMeraki Goは、小規模なオフィスのネットワークをトータルでサポートする製品群と言える。

 単に機器が追加されただけでなく、それぞれの機器をトータルで、しかも簡単に管理できるのが特徴だ。特別な知識を学習したり特別なツールを用意しなくても、ネットワークの状態をチェックしたり必要な設定をしたりトラブルに対処したりできる。

 このため、「誰でもすぐにネットワーク管理者になれる」と言っても過言ではない。本業を犠牲にすることなく、安全で快適なネットワーク環境を維持することができる。

 面倒そうで避けてきたネットワークの管理や、古すぎてトラブル続きのネットワークの刷新に手を付けるとすれば、Meraki Goのラインアップがそろった今がチャンスと言えるだろう。