テレワークグッズ・ミニレビュー【特別編】
Webカメラなのに名刺や領収書の取り込みもできる!! マルチディスプレイとも相性抜群のIPEVO P2V ULTRA
- 提供:
- テックウインド株式会社
2024年3月29日 06:00
もはやWebカメラを持っていないという人も少ないと思うが、そろそろ買い換えたいと思っている人はそれなりにいるんじゃないだろうか。今や取引先との打ち合わせもオンラインが当たり前。自分だけ映りがわるいカメラでは、先方に与える印象もよくはないだろう。
かくいう筆者もそろそろ新しいWebカメラが欲しくなっている。まぁ筆者の場合は必要性に駆られてというより物欲に駆られてなのだが。仕事柄いろいろな新製品の情報に触れていると、あれもよさそう、こっちもよさそうとなってしまう。
ありそうで無かったWebカメラ、その形が気になりすぎる
そんな中、これは欲しいっっ!と思ってしまったのが、IPEVO P2V ULTRA オブジェクトカメラだ。初めてブランド名を聞くという人も多いと思うが、それもそのはずで、IPEVOは先日テックウインドが国内での取り扱いを始めたばかりの台湾のメーカー。会議室向けのカメラやスピーカーフォンなどラインアップするが、その見た目からして、他社の製品とは一線を画す特徴的な製品がそろっている(詳しくは後述)。
P2V ULTRAもその1つで、こちらは個人のWebカメラとして使えるものだが、ひと目見て気になるのがその形。Webカメラというと、なぜだか横長のものが一般的だが、P2V ULTRAは、細くて奥行きのあるデザインのカメラなのだ。
この形がいい! と言うのも、筆者宅はマルチディスプレイ環境になっていて、正面には31.5インチという、けっこう大きめの4Kディスプレイを置いている。となると問題なのが、Webカメラの置き場所なのだ。
一般的なWebカメラだと、ディスプレイの上に置くものが多いが、正面のディスプレイが大型なので、その上にWebカメラを付けるとかなり見下ろすような形になってしまう。かといってディスプレイの下だと、今度はかなり見上げる形になってしまって、今度は鼻の穴がよく写ってしまう。
ちょうどいい高さにするには、ディスプレイの前に置くか、ディスプレイとサブディスプレイの間にカメラを設置したいのだが、どちらにしても横長のWebカメラは相性がわるい。その点、このWebカメラの本体の幅はわずか22.6mmしかないからすき間にも置きやすい。さらに正面から見たときの前方投影面積も小さいから、Web会議中だけディスプレイの前に置くような使い方でも勝手がよさそうだ。実際にはスタンドなどもつければもう少しスペースは必要になるだろうが、それでも一般的なWebカメラよりはずっと小さいスペースで設置できそうだ。
それともうひとつ興味深いのが、Webカメラとしてだけでなく、マクロ撮影も得意で、手持ちで細部などを撮影したり、ドキュメントカメラ(書画カメラ)とても利用できるということ。
筆者の場合、最近増えているのが経費精算で必要な紙の領収書の撮影だ。電帳法の改正もあって、紙の領収書もデジタルデータにする必要がある。現状では、iPhoneで撮影して、その画像をメールに添付したりNASを経由したりしてPCに送って、という手順を踏んでいるが、領収書1枚ごとに撮影する必要があって、紙の領収書が多い月は、地味に面倒くさい作業となっている。
それが書画カメラとして使えるP2V ULTRAがあれば、直接PCで撮影できるわけだ。スタンドでカメラ位置が固定できれば、たくさんの領収書を撮影するときも簡単なはずだ。
ということで、今回デリバリー開始されたばかりの製品をお借りして試してみたので、その模様をお伝えしたい。
正面から見た小ささがいい!!
ということで届いた商品を見てみよう。
まずはとにかく細くて、前方投影面積が小さい。実際にはその分奥行きがあるのだが、Webカメラは自分に向けて配置するので、自分の目線では本当に小さくて圧迫感がない。これに慣れたら普通のWebカメラには戻れなさそうだ。
本体は全体的にざらっとしたマットな質感で落ち着きと高級感がある。標準でベース部分となるカメラクリップが付属し、一般的なWebカメラのようにディスプレイに引っかけたり、デスクに置いて使うこともできる。
正面から見るとレンズとマイク部分、そしてビデオやマイクの状態を示すLEDインジケーターがある。レンズにはスライド式のレンズカバーが用意されていて、片手ですぐに開け閉めできる。レンズキャップを外すとか、跳ね上げるとかではないので見た目にもスマートだ。
上部には2つの物理ボタンがある。主に手持ちでの撮影に使うためのもので、1つが撮影に使うスナップショットボタン、もう1つがフォーカスボタンで、フォーカスボタンを長押しでオートフォーカスのモードが、デフォルトのAF/C(連続)とAF-S(シングル)で切り替わる。
側面にはマイクの切り替えスイッチ。マイクのオン・オフ、そしてAI MICと呼ぶAIノイズリダクション付きのモードを選ぶことができる。筆者の場合、あまりWebカメラのマイクを使うことはないが、なにかしらの理由で急ぎ使う必要が出てきたときに、いちいちアプリを開いたりせずに直感的に切り替えられるというのは便利そうだ。
もう1つ側面で目を引くのが丸いへこみの部分だろう。左右共にあるが、実はここがマグネットになっていて、専用のスタンドと組み合わせて使うことができるのだ。
マグネットで簡単に脱着できるから、手持ちで使いたいときにも、すぐに外せるし、すぐに戻すことができる。組み合わせられる専用スタンドは2種類あって、クランプでディスプレイなどに挟んで使える「カメラクランプ」と、書画カメラとしての利用でも便利そうな「カメラスタンド」がオプションとして用意される。筆者としてはこのカメラスタンドがとても便利そうで気になっていたのだが、残念ながらまだ国内に製品がないとのことで、今回は試すことができなかった。
USBケーブルは本体後方から出ている状態で、脱着はできない。長さは1.8m、端子はUSB Type-Cとなるが、USB Type-Aへの変換アダプターも付属するのがありがたい。最近はとかくType-Cが人気だが、筆者の環境だとすでにType-Cのポート数が不足しがちだ。その点、Type-AならUSBハブなどでもカンタンに増やせるから、この変換アダプターが付いているのは結構ありがたい。
カメラは4Kカメラとなるが、Webカメラとして使う時は、デフォルトで1920×1080となる。また、最大では3840×3104という解像度での撮影が可能だ。あまりなじみのない解像度だが、書画カメラとして使う時に、この高さが便利に使える。
ソフトウェアはダウンロード(無料)する形になるが、「IPEVO Visualizer」というアプリと「IPEVO CamControl」というアプリが用意される。「IPEVO Visualizer」は、P2V ULTRAを書画カメラとして利用したり、動画やライブ配信のカメラとして使えるもの。解像度の変更やズーム、色味、パースの調整などもできる。もうひとつの「IPEVO CamControl」は、バックグラウンドで動かしておくタイプのソフトで、明るさやホワイトバランスなどを調整すると、Web会議ツールなどでもその画質が反映される。
Webカメラアームとの組み合わせが快適
ということで使ってみたのだが、いきなり大きな問題に直面した。このカメラ、画角が対角100度と、Webカメラとして使うのには広すぎるのだ。
4Kカメラなのでソフト的に調整できるかと思っていたのだが、前出のアプリ「IPEVO CamControl」では画角の変更ができなかった。これだとWeb会議で部屋全体をお披露目することになってしまうではないか! ご存じのとおり、筆者の仕事部屋は散らかっているのである! 背景をぼかしたり、バーチャル背景を使ったりもできるが、それにしても人物がやけに小さくなってしまう。
解決方法としては、カメラを筆者に近づければいい。据え置きタイプのWebカメラスタンドなどを組み合わせれば、例えばキーボードのすぐ奥などに置けばいい。前述したとおり前方投影面積が小さいので、Web会議の間はディスプレイの前に置いてもさほど問題にはならないだろう。なんならカメラ目線に近くなるので、Web会議でも発言する機会が多い人や、オンラインでプレゼンする様な人なら、そういった使い方もオススメだろう。
ただ、今回はちょっとアイデアを絞って、Webカメラ用アームを買ってみた。このアームをメインディスプレイとサブディスプレイの間から伸ばせるような形で設置すれば、普段はアームを畳んで収納しておきつつ、Web会議の時はカメラを引っ張りだして近くにすることもできるし、さらに下を向ければ領収書などの撮影にも使えそう。いろいろ使えるP2V ULTRAと組み合わせるのにはなかなかよさげな気がする。
思いつきでやってみたのだが、これはなかなか正解だった。アームは手で引っ張ればスムーズに伸びてくるし、Webカメラが重くないので、だんだん下がってくるとか、揺れるということもない。まさに手動でズーミングするようなアナログ感覚で、Web会議前に好きな画角に調整できる。WebカメラアームとP2V ULTRAとは相性はかなりいい気がする。
ということで、画角の問題は解決だ。画質についてはまずまずで申し分ない。まぁ、エフェクトが入りまくってめちゃくちゃ美肌になるとか、そういうこともないが、オートフォーカスが外れたりすることもなく、無難に使うことができる。
領収書や名刺の撮影が自動補正でカンタン過ぎる!!
特筆すべきは書画カメラとしての使い勝手だ。アプリの「IPEVO Visualizer」がなかなか多機能(多機能すぎて一部の機能しか使えていないが……)で、なかでも「ドキュメント」モードだと、たとえば名刺や領収書などの形を自動で認識し、傾きなどをすべて自動で調整して撮影することができるのだ。背景色や光りの反射ぐあいなど撮影時に気遣う必要もあるが、あとからトリミングやレタッチも必要なくキレイに正対の撮影ができるのはかなり便利だ。
「テキスト読み上げ」モードというのも気になったが、日本語に非対応なのかうまく読み取ることができなかった。ほかにも筆者の環境によるものかもしれないが、時々1回では起動しなかったりとやや挙動が不安定なところもあるが、この辺りはバージョンアップでの改善を期待したい。
それとマクロ性能も高い。つまりそれだけ接写ができるということで、1cmぐらいまで近づけてもピントが合う。試しに紙幣を撮影してみたが、紙幣に書かれた非常に小さな「NIPPON GINKO」の文字もはっきり写すことができた。これだけのスペックを求められる職業というのもあまり思いつかないが、たとえば繊維メーカーの方などであれば、繊維の質感といった部分までカメラ越しに伝えることができるだろう。
Webカメラは種類は豊富にあるものの、比較的どれも似たようなものが多く、これという決定的なものもない印象だ。ジンバル付きなどもあるが、そこまで必要な人は限られるだろう。そうした中にあってこの形状は、筆者のようにマルチディスプレイでカメラの置き場所に困るという人や、領収書や名刺、資料の読み込みが面倒、あるいは手持ちカメラで製品のプレゼンなどをする必要があるような人にとっては、他にあまり類がなく、けっこうオススメできるカメラと言えそうだ。
ただ、Webカメラとして使うには、ソフトウェア的にズーミングできる機能があればもっと良かったと思う。これはぜひバージョンアップで対応してもらいたいところ。加えて今回間に合わなかったマグネット脱着可能な専用スタンドがそろえられるようになると、手持ちにするのももっと簡単になるので、おそらく今回以上にめちゃくちゃ便利に使うことができそうだ。
そのほかにも個性的な製品ラインアップ
さて今回レビューしたのはテレワークなどでも使いやすいWebカメラだったが、IPEVOでは他にも会議室向けのWebカメラやスピーカーフォンなどもラインアップしている。
たとえばTOTEMシリーズはこちらもまたかなり変わった形状だが、画角によって120度、180度、360度の3モデルがラインアップ。会議室の大きさや参加人数によってセレクトができそうだ。トールタイプの形状によって話者の目線に自然に合うし、これ1台でマイクやスピーカーの機能もこなす。また、自動フレーミング機能によって全ての参加者が自動でフレーム内に収まるように調整したり、モデルによってはホワイトボードや手元に資料を撮影したり、参加者一人一人を個別のフレーミングに分けたりといったこともできる。
テレワーク中でも出社してても切り離せなくなったオンライン会議。オフィスでもWeb会議向けソリューションを使っている、検討しているということも多いと思うが、ちょっと変わった特徴を持ったIPEVO製品をチェックしてみると、ニーズにはまる製品が見つかるかもしれない。
INTERNET Watch編集部員やライター陣が、実際に使ってオススメできると思ったテレワークグッズをリレー形式で紹介していく「テレワークグッズ・ミニレビュー」。もし今テレワークに困りごとを抱えているなら、解決するグッズが見つかるかも!? バックナンバーもぜひお楽しみください。