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シンガポールでフェイクニュース対策法が施行、恣意的な運用を懸念する声も

 シンガポールで、かねてより物議を醸していたフェイクニュース対策法が発効した。フェイクか否かを政府が判断するとあって、恣意的な運用を懸念する声が上がっている。

 これは同国政府が虚偽と認めたニュース、また、同国の安全保障に脅威を与えたり、国民間の敵意や憎悪をあおるネット上の言説に対して適用されるもので、認定されると訂正の掲載と当該コンテンツの削除を求められるほか、それらを悪意を持って広めた企業団体には罰金、共有した個人には罰金もしくは禁固刑が課せられるというもの。同国は多民族国家ゆえ、その対立を煽って国家を不安定にする勢力を取り締まるにはこうした法律が欠かせないというのが国側の言い分だが、5月にこの法律が可決されて以降、恣意的な運用が懸念されるとして、米IT企業や国内の人権団体や弁護士、さらには同国に拠点を置く海外メディアなどから批判の声が多く上がっていた。10月2日から施行に至ったこの法案、実際にどのように運用されるかは現時点では不明だが、先行事例として世界中から注目を集めることだけは確実なようだ。