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大学の試験に混ぜられたAI作成の解答、94%が見抜けず。対策は「対面試験に戻すこと」?

 試験の回答にAIが作成した解答を混ぜておいたところ、そのうち94%は検出されることなくそのまま採点が完了されたという実験結果が話題になっている。

 これは英レディング大学で行われたもので、同大学の心理学の理学士号を取得するためのオンライン試験の中に、ChatGPT(GPT-4)が作成した解答を混ぜ、その事実を伏せたまま採点者に採点させたところ、実に94%が検出されないまま採点が完了されたというもの。これは多くの大学で採用されている、監督者がいない環境で参考文献を参照しつつテキストを自由記述するタイプの設問であり、コロナ禍以降はこうしたケースが多く見られるようになったことから、同様の脅威は同大学だけでなく増加する傾向にあるといえる。また、これらAIが作成した解答は、一般の学生の解答よりも高い成績を獲得することも併せて明らかになっている。同大学では「学術的誠実さの観点から、100%AIによる筆記試験の提出物が事実上検出不可能であることは極めて懸念すべきこと」とし、AIによる学術上の不正行為の問題に対するシンプルな方法として「監督下で対面式の試験に戻すこと」を挙げる一方で、こうした問題が対処可能であると捉えることが見当違いであり、問題は「AIの使用から逃れるのではなく、教育を強化するためにAIの使用を受け入れるにはどうすればよいか」ということになると指摘している。