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山谷剛史のマンスリー・チャイナネット事件簿
2007年12月

 本連載では、中国のネット関連ニュース(+α)を毎月ピックアップ。中国在住の筆者が“中国に行ったことのない方にもわかりやすく”をモットーに、政府が絡む堅いニュースから三面ニュースまで、幅広い話題をレポートしていきます。


百度とグーグル中国、2007年の検索ランキングを発表

 百度は12月に、グーグル中国は1月初めにそれぞれ2007年の検索ランキングを発表した。百度2007検索ランキング(中文)はこちら(http://www.baidu.com/2007/)、Google中国2007検索検索ランキング(中文)はこちら(http://www.google.cn/rebang/yuedu/2007.htm)。百度は2002年の開始から数えて今回が5回目の発表、グーグル中国は今回が初の発表となる。

 百度は1位が「MP3」。ここ数年間、「MP3」が首位の座をキープしている。2位は、中国におけるPC普及のキラーソフトといっても過言ではない、インスタントメッセンジャーの「QQ」。3位が政治系のキーワードで「中国共産党第17回全国代表大会」こと「十七大」。以後10位までを見てみると、ダウンロード系ワードが3つ、政治系ワードが2つ、それに財テク、人気テレビ番組、人気ゲーム、スポーツに関するワードが各1つずつランクインした。

 一方、グーグル中国も同じ傾向かというと、1位こそ「QQ」となったが、10位までに百度ではランクインしていない4つの銀行名称と「株」がランクイン。また10位以内に、百度ではランクインしていなかった中国国外発のサービス、Google EarthとカスペルスキーとMSNがランクインしたことも興味深い。

 なぜここまで結果が違うのか。中国の各リサーチ会社の過去の検索サイトの利用者に関する調査結果では、Google中国利用者は百度利用者よりも大都市・高学歴・高収入の傾向があるということがわかっている。そうしたデータを踏まえて両検索サイトの検索ランキングを見ると、なるほど納得の結果となっており、利用者層の違いはあるが、それぞれに現在の中国の消費者の傾向を反映していることがわかる。



映画配給会社5社、ネットカフェを海賊版映画配信で訴える【11月29日】

 20世紀フォックス、パラマウント、ディズニー、コロンビア、ユニバーサルの映画配給会社5社は、上海のネットカフェ「上海東方網店同心店」に対し、同店が「パイレーツオブカリビアン2」や「ハルク」など13タイトルの海賊版コンテンツを配信しているとして、同店舗の動画配信システムを構築した企業「捷報網」を相手取り、海賊版タイトルの配信停止と320万元(約4,800万円)の損害賠償を求めて提訴した。

 提訴から約2週間後の12月10日、訴えられた捷報網の担当者は中国メディア「21世紀経済報道」の取材に対して、「もし我々が敗訴することになれば、その意味は、全てのこうしたサービスプロバイダーが訴訟の危険にさらされることになる」とコメントしている。21世紀経済報道は、中国の一部地域において実施されている、カラオケ店で1曲利用につきいくらという形で著作権を支払うシステムに似たシステムが、ネットカフェのコンテンツ配信でも起こるかもしれないと記述している。

 過去における海賊版動画コンテンツ配信に関する判例では、2005年に今回の提訴と同じ映画配給会社5社が老舗ポータルサイトの捜狐(Sohu)を相手取り提訴した例がある。この裁判では、裁判所の北京市一中院は、捜狐に対して100万元強の損害賠償の支払いと、公開謝罪を命じた。

 なお、海賊版音楽コンテンツの配信でも2007年12月に、百度に無罪判決、Yahoo中国に有罪判決となる動きがあった。詳しくは本連載の年末特別企画の最後でご紹介した、「明暗を分けたmp3検索サービス裁判~百度は無罪、ヤフー中国は有罪【12月】」の項をご参照いただきたい。


中国最大ITサイトを擁する太平洋網絡が香港証券取引所に上場【12月4日】

 中国最大のITニュースサイト「太平洋電脳網」や車情報サイト「太平洋汽車網」、ゲーム情報サイト「太平洋遊戯網」などポータル5サイトを運営する太平洋網絡が香港証券取引所に上場した。1株3.3香港ドルで2億8,500万株をIPOに出したため、9億4,050万ドルをIPOにより調達した。


中国信息産業部、中国国内のアダルトサイト摘発結果を発表【12月13日】

 中国信息産業部は2007年のアダルトサイト摘発は、ISPの中国電信と中国網通やIDCの協力の下、1万4,000件の摘発が行なわれたと発表した。2007年は4月から10月にかけてアダルトサイトを重点的に摘発する活動を行なっていた。4月には百度日本への中国からのアクセスが遮断されたが、その活動の一環と思われる。

 また12月30日には、中国全土で重点的にアダルトサイトを摘発していることを中国メディアは報じた。


中国のブロードバンド利用者、1億2,200万人で世界首位に【12月24日】

 中国信息産業部は中国のブロードバンドユーザーは全インターネット利用者の6割にあたる1億2,200万人で世界で首位になったと発表した。また同発表の中で、2007年にブロードバンドを利用し始めた利用者の3分の1が農村の利用者であったことを明かした。全インターネット利用者の6割が1億2,200万人であることから、逆算すると2億300万人がインターネット利用者となり、2007年中にインターネット利用者が2億人を突破したことになる。


C2C最大手の淘宝網、今年3月にオンラインショップを開店【12月28日】

 個人が無料でオンラインショップを出店できる、日本でいえばヤフーオークションと楽天市場を足して2で割ったような、中国で最も人気のC2Cサイト「淘宝網(Taobao)」自身がオンラインショップ開店に乗り出した。淘宝網はC2Cだけでなく、B2Cにおいても同サイトの関連サイトとなるAlibaba.comが圧倒的なシェアを得ており、中国のオンラインショッピング利用者なら誰でも知っているこのブランドサイトがオンラインショップ(B2C)に進出することは、現在さまざまなサイトが群雄割拠となっているB2C業界地図が大きく塗り変わる可能性が大であることを意味する。

 以前のニュースになるが、来年には百度が淘宝網の1サイトがほぼ独占しているC2C業界に参入するため、C2C市場もまた、来年は波乱となるのではないかと予想されている。


中国のブロガーは4,700万人弱、うち1,700万人弱がアクティブブロガー【12月26日】

 CNNIC(China Internet Network Information Center)は中国のブロガーについての統計調査の結果を発表した。それによると、中国のブロガーは4,698万人、うちアクティブなブロガーは1,691万3,000人で、ブログ総数は7,282万個となることがわかった。また中国のブログの読者は、情報源としてのブログはニュースよりも信頼していないという傾向がみられた。

 なお、この話題については、2007年12月27日付のINTERNET Watchのニュース記事「中国のブロガーは4,698万人、ブログ総数は7,282万個~CNNIC調査」で詳しくご紹介したので、そちらを参照してほしい。


北京で中国最速となる下り4MbpsのADSLサービス開始【12月28日】

 中国の北半分を中心に展開するISPの中国網通(China Netcom)は、北京市の一部で中国最速となる下り4MbpsのADSLサービスを開始することを発表した。今までは中国全土で最速のADSLサービスは2MBが一般的であった。

 値段は初期費用300元(約4,500円)で、月額は258元(4,000円弱)。2Mbps(月額188元)、1Mbps(月額138元)、512Kbps(月額120元)利用の既存ユーザーのアップグレードは80元(約1,200円)となっている。


百度、日本で新サービス投入予告、中国で特許検索開始【1月5日】

 百度は中国メディアに対し、中国の春節前に日本市場に新検索サービス投入をするとコメントした。新サービスの内容は不明だ。また、百度日本が渋谷マークシティから六本木ヒルズにオフィスを移転したことも明らかにした。

 百度は2007年に中国で新サービスを矢継ぎ早に投入したが、12月には中国国内の特許を検索する「特許検索サービス(専利捜索)」を投入。270万の特許情報が検索できる。


悪意のあるソフト裁判で消費者側の初の勝訴【1月6日】

 知らない間にインストールされてしまうソフト、インストールしたらアンインストールが難しいソフトを「悪意のあるソフト」ないしは「ならずものソフト」と呼び、おととしからインターネット利用者の非難の的となっていて、おととしの9月頃からは中国各地で週1回に近い頻度でソフトウェア開発会社を相手取り、裁判を起こしていたが、裁判所の判決は常には原告敗訴の判決であった。

 ところが1月6日の法制網の報道によると、悪意のあるソフトと消費者により認定されたソフトに対しての消費者を原告とする裁判で、初の原告勝訴となる判決が下された。

 原告によると、問題となった悪意のあるソフトを知らないでインストールしたところ、広告を出すソフトも半強制的にインストールされ、元々のソフトもアンインストールできず、次から次へと広告が出てCPUを常に利用しPC全体の速度が緩慢になったうえに、ユーザーの行動は問題のソフトを通してソフトベンダーの調査のために見られていたという。

 原告の消費者は、広告のソフトをインストールすることを知らせず、選択の権利を侵害し、プライベートを侵害し財産が損失したとして、開発したソフトベンダーに対し、150元(約2,300円)の損害のうち94元(約1,500円)を賠償し、公開謝罪するよう提訴。裁判所である上海市第一中級人民法院は消費者の訴えを認め、被告敗訴の判決を下した。ちなみに原告の求めた94元は、「反悪意のあるソフト聯盟」の結成日の9月4日から。



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  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/07/19/12688.html

(2008/01/10)


  山谷剛史(やまや・たけし)
海外専門のITライター。カバー範囲は中国・北欧・インド・東南アジア。さらなるエリア拡大を目指して日々精進中。現在中国滞在中。

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