陸上自衛隊の訓練に関する内部資料が、陸上自衛隊第14旅団(香川県善通寺市)に所属する3等陸曹の私物PCから流出した。Winnyを介してウイルスに感染したことが原因だという。防衛省では、隊員に対して近日中に処分を下すとしている。
防衛省では、2006年8月頃に流出を確認していたが、「流出を公表すると、情報流出の被害が拡大する」(防衛省広報)という理由で、公表していなかった。しかし、新聞社に指摘されたことで、3日に流出の事実を明らかにした。
防衛省によれば、3等陸曹は業務で使用していた私物PCからHDDを抜き出し、自宅でこのHDDを組み込んだPCを作成していた。この新たに作成したPCでWinnyを使用していたところ、暴露ウイルスに感染したため内部資料が流出した。機密情報は含まれていないとしている。
防衛省(当時は防衛庁)では2006年2月、Winnyを使用していた隊員の私物PCから、海上自衛隊の護衛艦「あさゆき」の情報を含む秘密情報が流出したことを受け、職務上使用したことのある私物PCからファイル交換ソフトの削除、私物PCから秘密情報・必要のないデータの削除、私物PCによる秘密情報の取り扱い禁止などの緊急対策を発表していた。
また、同年4月には、隊員に約56,000台のPCを支給し、私物PCの持ち込みを全面禁止するなどの対策を発表。防衛省によれば、今回の流出が確認された8月頃には、PCは支給されていなかったとしている。
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■URL
防衛省・自衛隊
http://www.mod.go.jp/
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( 増田 覚 )
2007/02/05 12:53
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