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コクヨ、紙に書いたままを電磁誘導センサーで取り込めるデジタルノート
クラウドに簡単保存、Googleカレンダー連携も
(2014/8/21 20:59)
コクヨS&T株式会社は、専用ペンで紙のノートに書いた文字やイラストをデータ化できるデジタルノート「CamiApp S」を9月5日に発売する。これに先立ち8月22日からAmazonなどで予約を開始する。
ラインナップは2種類、コラボケースも
CamiApp Sでは、ノートカバーに内蔵された電磁誘導式センサーによって、専用ペンの動きを認識。書き終わった後にノート右下の「SAVEボックス」にチェックを入れるだけで、手書きデータがスマートフォンやタブレットにBluetoothで送信される。データはクラウド上に自動アップロードする設定も可能。今までのCamiAppで必要だった、カメラやスキャナーでの取り込みが不要となる。
CamiApp Sは、ノートブックタイプとメモパッドタイプの2種類を用意。また、対応ノート用紙のラインナップは、A5サイズの横罫タイプ、方眼罫タイプ、打ち合わせ記録タイプの3種類が用意される。専用ペンは現時点では1種類のみ。
取り込まれた手書きデータは、画像データのほかに、文字認識機能により自動でテキスト化され、メモを探す際にキーワードで検索できる。文字認識精度は個人差はあるが約80%。画像データは、独自のストロークデータで保存されるが、クラウドへのアップロードやPCに保存する際は、JPEGかPDFデータに変換される。
「オプションマーカー」と呼ばれる自動タグ付け機能を搭載し、オプションマーカーに数字を記述することで、自動的に分類・アップロードできる。例として、1番をA社のノート、2番をB社のノート、3番をC社のノートというように分類でき、Evernoteや指定のクラウドサービスへアップロードすることが可能。
Googleカレンダーとも連携でき、「打合わせ記録」タイプのノートを使用すると、指定箇所に書き込まれた日時がGoogleカレンダーに登録される。スケジュールとともに記録を残したり、カレンダーを共有するメンバーと議事録をシェアすることも可能。
CamiApp Sは、ノートブック、メモパッドタイプにそれぞれAndroid版とiOS版が用意される。Android版のみNFCが搭載され、NFC対応端末であれば端末をかざすだけでBluetooth接続できるほか、Android版はBluetooth 2.1、iOS版はBluetooth 4.0に対応するなど違いがある。現在はBluetoothの規格から2つのモデルに分かれているが、将来的には1つにまとめたいとした。なお、Windowsへの対応も検討しているという。
リチウムイオン充電池を内蔵し、充電はmicroUSB端子から行う。また、連続使用時間(連続して書き続けられる時間)は4時間で、1日2.5時間の会議で使用した場合約5日持つとしている。CamiApp S本体にメモリを搭載し100ページ分保存可能なので、スマートフォンやタブレットを持ち合わせていない場合でも、スタンドアローンで利用できる。
サイズは、ノートブックタイプが179×258×38mm(横×縦×厚さ)、メモパッドタイプが186×243×17mm(横×縦×厚さ)。重さは、ノートブックタイプがノート用紙込みで730g、メモパッドタイプがメモ用紙込みで460gとなる。
価格は、いずれもオープンプライスだが、想定価格はノートブックタイプが2万円を超える程度、メモパッドタイプが1万6000円程度としている。専用ノート用紙は横罫、方眼罫、打合せ記録すべて40枚入りで各280円(税別)。専用メモ用紙は横罫、方眼罫、打合せ記録すべて50枚入りで各460円(税別)。専用ペンはオープンプライスとなっている。替芯は1本80円(税別)。
また、「薄い財布」などで有名なバリューイノベーション株式会社の「abrAsus」ブランドとコラボレーションし、「CamiApp Sメモパッドタイプ専用ケースブックマークホルダー」と、CamiApp SやA4ファイル、ノート、ペンケース、ペットボトルなどをまとめられる、オフィス内移動用バッグ「たためる打ち合わせバッグ for CamiApp S」を発売する。
ケースとバッグの開発には、abrAsusデザイナーの南和繁氏と、アルファーブロガーのコグレマサト氏、いしたにまさき氏が参加している。
デジタル時代に合わせたアナログノート
記者発表会では、コクヨS&T代表取締役社長の森川卓也氏が登壇。アナログノート「Campus」は2011年に5代目が発売され、今年で39周年を迎えるという。Campusシリーズ累計で26億冊を販売し、1秒に3冊売れている計算となり、現在でも手書きノートとして支持され続けているとした。
また、世の中のデジタル化の波に合わせて、アナログノートがいかにデジタルとかかわっていけるかを命題とし、2011年にスマートフォンと連携したアナログノート「CamiApp」を発売。CamiAppは「Campus」「Intetnet」「Application」を掛け合わせた名称で、アナログノートのデジタル化でどのような価値が生まれるかを3年間検証してきたという。
ユーザーからは、簡単にデータ化できないか、内容検索できないか、データ化するのを忘れていたり、ノートを撮影しづらい環境でもデータ化したいといった声をヒントに、CamiApp Sを開発したという。
コンシューマーだけでなくビジネスユースでも展開
今後の展開として、構想段階であるが企業のクラウドや独自システムに、営業日報を簡単にアプロードできたり、研究者が書いたノートをローカルドライブに保存するといったソリューションの展開を考えているという。
CamiAppアプリのSDKを提供予定としており、すでに企業で導入しているシステムと連携が取れるため、スマートフォンからアップロードするデータに、手書きのデータを加えられる。現時点で株式会社インターネットイニシアティブ、株式会社インテック、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社と、CamiApp Sを活用したソリューション展開について協議中としている。
また、法人向けクラウドサービスとして、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の「SmartBiz+」、エバーノート株式会社の「EVERNOTE Business」、グーグル株式会社の「Google Apps for Business」とは、CamiApp発売時から連携しており、今後より一層連携を強化する。
記者発表会には、パートナーとして、エバーノート株式会社ゼネラルマネージャーの井上健氏と、グーグル株式会社エンタープライズ部門パートナーセールスヘッドの大須賀利一氏が登壇した。
エバーノートの井上氏は、CamiAppのほか、PFUの「ScanSnap」、手書きアプリ「Penultimate」、米Adonitのスタイラスペンなど、インプットの手段を複数用意してサービスの利用向上につなげてきた。CamiApp Sは新しいインプット手段になるとしている。また、エバーノートは、ペーパーレスがゴールではなく、紙を含めたあらゆるインプット手段とどう付き合うかを提案しているとした。
グーグルの大須賀氏は、同社のミッションは世の中の情報を整理して、だれでもアクセスして使えるようにすることだが、デジタル化されていない情報がまだ数多く存在している。CamiApp Sによって、その情報をデジタル化する手段が1つ増えることはユーザーにとってプラスになるとした。
漢字の認識精度は上々
記者発表会会場にはタッチアンドトライコーナーが設置され、実際の製品に触れることができた。書く人それぞれの癖があるため一様には言えないが、漢字の認識精度は高いと感じた。アルファベットはすべて全角、数字は半角で認識される。また、単語の間を空けて書いてもスペースはうまく認識されなかった。文字と図形の識別は、文字らしきもの以外は図形と認識される。
ページ単位での認識はできず、SAVEボックスにチェックを入れることで、1ページとカウントする。その後追記した場合は、再度SAVEボックスにチェックを入れることで、別のページとして認識される。分かれたページデータは、1つのページとして合成する機能が搭載される。3種類のノートの識別は手動で行い、ノート1ページ目の設定マークにチェックするか、アプリ側で切り替えを行うことで利用できる。
打合せ記録用紙を使用すると、指定の箇所に書き込んだ日付、タイトル、場所、開始・終了時間、メンバーのほか、ノートに書き込んだ内容がGoogleカレンダーと同期される。スマートフォンやタブレットへの転送は、アプリで側の設定で、手動か一定間隔でCamiApp Sにアクセスし自動的にデータを取得するか選択できる。
用紙はCamiApp S本体の粘着シートで固定することで、横ずれを防いでいる。複数回の付け替えが可能で、粘着力が低下した場合はシートを拭いて汚れを落とすことで、粘着力が復活するという。用紙を本体にはめ込むとしっかりと固定される。
CamiApp Sは電磁誘導方式を採用しており、専用ペンには内部にコイルが入っている。電池を入れる必要が無いため、ペン自体は軽い仕上がり。ペンのラインナップは今後増やす予定としている。