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2008/05/19~2008/05/25


 何かと話題の多いSNS「Facebook」の日本語版が正式発表となり、先週の19日、日本で会見が行なわれました。24歳の若きCEOの登場に、おおっと驚いた方も多いかもしれません。日本ではmixiが圧倒的な一人勝ちとなっているSNS界に何が起こるのか、詳しくは後半の解説をお読みください。

 先週はまた、米Microsoftと米Yahoo!の再交渉が始まったというニュースもありました。両社の間でユーザーにとってもメリットの大きい協業関係が生まれたら理想的ですね。国内では「小中学生に携帯電話持たせない」という刺激的なフレーズで教育再生懇談会の話題がありました。こちらの件については今週中に内容が確定し、報告書が提出されそうです。


MicrosoftがYahoo!と再交渉へ、完全買収以外の選択肢を提案
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/19/19598.html
 5月18日、米Microsoftは一度は買収提案を撤回した米Yahoo!と、新たな交渉を開始したと発表。Yahoo!すべての買収ではなく、何らかの形での取り引きを行なう可能性を示唆した。

Facebookが日本語サイト公開、実名ユーザー登録で差別化図る
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/19/19603.html
 5月19日、米国のSNS「Facebook」が日本語サービスの開始を発表。都内で行なわれた会見において、Facebook社CEOのMark Zuckerberg氏は実名登録によるmixiとの差別化と、実名により実社会と同じネットワークを築けることのメリットを強調した。

MySpaceがエイベックスなど33社と協業、「才能の出口」ビジネス拡大へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/20/19624.html
 5月20日、米国発のSNS「MySpace」で、新人アーティスト/クリエイターを発掘・支援するためのオフィシャルパートナーシップ制度が発足した。芸能事務所やレコード会社33社が参加し、オーディション等を実施。CDデビューや番組出演、海外進出などを支援する「才能の出口」となるビジネスの拡大を目指すとした。

民主党が有害サイト対策の法案骨子を公表、携帯フィルタリングは義務化
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/22/19652.html
 5月21日、民主党は青少年向けインターネット規制法案の同党版「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案骨子」を公表。携帯電話のフィルタリング原則義務化、ISPへのフィルタリング手段提供義務化などが盛り込まれており、今国会中での成立を目指す考え。

「Microsoft Office Live Workspace」日本語ベータ版公開
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/23/19672.html
 5月23日、マイクロソフトは「Microsoft Office Live Workspace」の日本語ベータ版を開始した。Word、Excel、PowerPoint文書をオンラインで保存・共有できるサービスで、利用は無料。Mac環境にも閲覧のみだが対応している。


米国第2位のSNS「Facebook」日本語版の登場で、SNS業界の地図が変わる?

 「Facebook」は当初は米国の一部大学の学生向けSNSとして始まり、その後、全米の大学生に、さらに一般に、各国言語にとサービスを拡大してきました。米国では「MySpace」に次ぐ規模を誇り、世界で7,000万以上のユーザーが登録しているとのことです。

 Facebookの特徴は、システムをオープンにしてユーザーが自由にアプリケーションを作成できるようにしている点にあります。ユーザーが作成しているFacebook向けアプリケーションは(大多数が日本語には対応していないものの)既に2万を超えており、日本のmixiなども「API公開、プラットフォーム化、オープン化」といった方向への進化を指向しているようですが、Facebookはこの方向でずっと先を走っています。

 開発者にとっては非常に魅力的な環境であるため、新しいチャレンジの場を求めてGoogleからFacebookに転職する技術者も多いそうです。日本語版公開にあたっても、ローカライズは日本法人や国内のパートナーではなく、ユーザー有志のボランティアによって行なわれています。「実名登録だから」だけが人気の理由というわけではないのです。

 先週はまた、世界で約1億1,000万のユーザーを有する最大手のSNS「MySpace」日本語版でも大きな発表がありました。エイベックスやHMVジャパンなど33社と協業してクリエイターやアーティストを発掘・支援することで「才能の出口」となるビジネスを展開するとのことです。

 MySpace日本語版を運営する「マイスペースジャパン」は、ソフトバンクと米News Corpの合弁会社で、世界のアーティストが多数参加しており音楽ビジネスと親和性の高いサービス展開を行なってきています。MySpaceを通じて有名になったアーティストもいる(日本語版開始時のコメント)とのことで、メジャーデビューを目指すアーティストの登竜門として、MySpaceに才能が集まるようになるかもしれません。


 SNSの最も重要な資産は「人の繋がり」です。現在mixiを日常的に利用し続けている方の中には、友人と連絡を取るのに便利だからアクセスしている、という方も多いでしょう。他にちょっと気になるSNSがあったとしても、友人全員で他のサービスに移るのは難しいものですね。

 FacebookやMySpaceがいくら日本で頑張っても、これまでにmixi内で築かれてきた人々のネットワークが、別のSNSに簡単に移ってしまうことはないでしょう。でも一方で、Facebookが持つ世界の先進的な開発者のネットワークや、MySpaceが持つアーティスト(とファン)のネットワークも、それぞれのサービスが持つ重要な資産です。それらに魅力を感じるユーザーにとっては、より自分に合った、活動しがいのある新しい場所が生まれたことになります。開発者に限らず世界で活躍するビジネスマンを目指す学生にとって、Facebookを通じて世界の同年代を知ることは、良い経験になるでしょう。

 先週はSNS関連でもうひとつ、So-netが同社のSNS作成サービス「So-net SNS」利用者を対象にしたアンケート結果を発表したというニュースがありました。これによると、少数の顔見知りによる居心地のいい「たまり場」として利用されている、という利用傾向が見られたとのこと。SNSは「人脈を広げる場」として注目されることが多いですが、気心の知れた仲間だけで小さなSNSを作って楽しむ、というスタイルも広まってきているようです。



2008/05/26 12:02
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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