日本はゴールデンウィークでしたが、アメリカ発のニュースはここ2週間も活発です。「Windows 7」のRC版が公開になり、Googleは「サーチウィキ」など新機能を公開。Amazonは「Kindle DX」を発表しました。
国内でも、連休が明けて7、8日には大きなニュースが連発しました。「Cafesta」、「Ask ビデオ」の終了といった寂しいニュースもあった一方、携帯電話キャリア各社が3.9Gの免許申請(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・モバイル)など、今後が楽しみなニュースもあります。
◆「Windows 7」RC版、日本でも一般公開開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/07/23338.html
5月7日、マイクロソフトは「Windows 7」の製品候補版(RC版)の提供を、日本のサイトでも開始した。5月5日には米国で一般向けに、4月30日には開発者向けにすでに公開が行われていたもの。外出先から自宅PCにあるデジタルメディアを利用できる「リモートストリーミングメディア」「Windows XPモード」などの機能が加わっている。
◆米Amazonが大画面の「Kindle DX」発表、9.7型ディスプレイ搭載
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/07/23337.html
5月6日、米Amazon.comは電子ブックリーダー「Kindle」の大画面版「Kindle DX」を発表した。従来の6インチから9.7インチとなり、PDFリーダー機能も搭載。メモリは現行機の倍となり4GB(ユーザーが利用可能なのは3.3GB)となっている。夏ごろ発売の予定で価格は489ドル。同時に、米大手教科書出版社3社が「Kindle DX」向け教科書の販売を行うことも発表された。
◆警視庁、mixiやモバゲータウンなどに協力依頼、年齢確認厳格化を
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/07/23349.html
4月30日、警視庁生活安全部は、mixiやモバゲータウンなどのサーバー管理者8社に対し、子供が有害情報を閲覧できないよう、年齢確認の厳格化を依頼した。EMAによってmixiやモバゲータウンは“健全サイト”と認定されていたが、警視庁は「努力義務」としてさらなる厳格化を求めた形となる。
◆Twitter、検索機能を一般公開。注目キーワードも表示
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/07/23346.html
4月30日、米Twitterは「Twitter」の検索機能を一般公開し、全ユーザーのページの右メニューから利用できるようにした。ただし、日本語の検索に関してはまだ機能が十分ではないとしている。合わせて「Treading Topics」で注目キーワードが表示されているが、その多くは英語。日本語に限定したキーワード表示も開発中だという。
◆無線LANの10倍速以上を目指す無線規格「WiGig」の業界団体が発足
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/08/23366.html
米国時間5月7日、Intel、Microsoft、NEC、Panasonicなど15社は、60GHz帯を利用した新しい無線通信の仕様を策定する業界団体「Wireless Gigabit(WiGig) Alliance」を設立した。現行無線LAN規格の10倍以上の速度を目指し、PCやデジタル家電、携帯端末などを接続した高画質映像などを実現する。
● 「つぶやき」の枠を超え、リアルタイム情報ハブとして発展する「Twitter」
米Twitter社のマイクロブログサービス「Twitter」は、2006年7月にサービスを開始。日本では2007年4月頃から流行り始め、「Twitterクローン」と呼ばれた類似サービスもいくつか登場しました。
Twitterの機能は非常にシンプルです。基本的には140文字以内のTweet(さえずり、つぶやき)を投稿し、ユーザーをFollowして相手のつぶやきを読み、時に返信する、というもの。対話の成立も、友人同士の双方向関係の確立も前提としない(互いがFollowすれば双方向の関係は成立するが、一方的にFollowする関係もある)徹底的なソーシャルメディアとしての「ゆるさ」も特徴です。
そのシンプルさ・ゆるさが受けたのと、APIを利用して他のメディアの情報をTwitterに流し込むツールが多数登場した(例:ソーシャルブックマークをTwitterへ自動投稿する「Bktter」、タスク管理ツール「Remember The Milk」がTwitter連携)ことで、Twitterの情報ハブとしての価値が高まっていきます。
2008年の4月には日本語版が公開になり、同年8月には創業者のEvan Williams氏が来日してイベントが行われるなど、国内での人気、ユーザー数を確実に高めていきます。
一方では2008年7月にマイクロブログサーチエンジンの「Summize」を買収。次のフェーズへの布石を打ちます。
Twitterの特徴に、「タイムラインに(時系列に沿った)情報が一覧表示される」ということがあります。古い情報は遡って見ることもできますが、アクセスしてパッと見たときには過去ログのストックは見えません。これは、未読がどんどん貯まるメールやRSSリーダーとは明らかに異質なもので、多量の未読による圧迫感がなく、また、最もタイムリーな情報だけをすぐに見られるのが魅力です。そして、ブログなどよりも気軽に簡単に書き込め、投稿された発言は全てTwitterのデータベースに保存されるので、一般的な検索エンジンやブログ検索エンジンよりも、システム的にタイムリーな情報を集めやすくなっています。
この、リアルタイムな情報の蓄積を活かして新たなサービスを提供するのが、Summizeのリアルタイム検索機能です。Twitterは「つぶやき」をやりとりするマイクロブログサービスの域を超え、リアルタイム検索エンジン、またはリアルタイム情報ハブとでも言うべき存在になりつつあります。
先に公開になった検索機能では、キーワードでTwitterの発言を検索できるほか、現在多く検索されているキーワードの一覧を表示し、旬の話題がすぐ分かるようになっています。残念ながら日本語対応は不完全で旬のキーワードも英語が主(世界中のTwitterユーザーの中では英語ユーザーの比率が高いため)ですが、今後は日本語のキーワード表示も開発中のことで、期待したいところです。
最近では米国のセレブが次々とTwitterを利用したり、オバマ大統領のホワイトハウスが公式アカウントによる情報発信を始めたり、日本でもNHKの「ザ☆ネットスター!」で紹介されるなど、さらなるメジャー化が進んでいます。先週にはWeb版アカデミー賞と呼ばれる「Webby Award」の「Breakout of the Year」を受賞し、今後も勢いは止まりそうにありません。
2009/05/11 13:16
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(インプレス) |
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