先週の4月1日には、各サイトで力の入ったエイプリルフール企画が大いに盛り上がりました。
一方、セキュリティ方面では、新手口のワンクリ詐欺やPowerPointの脆弱性といった、新たな脅威のニュースが出ています。また「青少年ネット規制法」施行など、新年度に合わせた新たな動きも見られた1週間となりました。
◆次世代PHSは“XGP”に、XGPフォーラム設立
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/02/23018.html
4月2日、「PHS MoU Group」が改組した「XGPフォーラム」が設立記念セレモニーを開催した。ウィルコムで導入予定の高速無線通信規格「XGP」について「eXtended Global Platform」と再定義。マイクロセルの実績やスケールメリットなど、他技術と比べた優位性をアピールした。また、中国ZTEがパートナーシップについて言及している。
◆USBメモリ利用時の危険性、認知しているのは約半数~IPA調査
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/30/22959.html
3月30日、IPAはインターネット利用者を対象とした「2008年度第2回情報セキュリティに関する脅威に対する意識調査」の結果を公表した。 これによると、USBメモリ使用経験者のうち、セキュリティに関してある程度認知しているユーザーは約半数にとどまった。そのほか、無線LANの暗号化方式についての質問では、暗号化を行っていない・行っているかどうかが分からないというユーザーが約4割だった。
◆ワンクリ詐欺に新たな手口、PC設定改ざんで請求画面が消えず
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/02/23016.html
4月2日、IPAは「ワンクリック不正請求」の相談が急増しているとして注意を促した。現在問題になっている新たな手口は、スクリプトによってレジストリを変更し、PC起動時に自動的にブラウザが立ち上がり、アダルトサイトの請求画面を表示するというもの。こうした手口は現状のウイルス対策ソフトでは対応できず、復旧には高度な知識が必要となってしまう。
◆Gmail Labsが日本語対応に。「オフライン」などLabs機能を表示
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/03/31/22971.html
3月30日、GoogleはGmailの実験機能「Gmail Labs」が日本語に対応したと発表した。従来は英語環境のみであったGmail Labsが、日本語を含む47言語に対応したもの。利用できる機能の一部は英語版とは異なる。
◆キーエンスがジャストシステムを傘下に、45億円出資
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/04/03/23031.html
4月3日、ジャストシステムとキーエンスが資本・業務提携契約を締結したと発表した。これにより、ジャストシステムはキーエンスの持分法適用関連会社となる。ジャストシステムでは2006年3月期から3期連続で営業損失を計上しており、今後はキーエンスとの提携により抜本的な事業構造の見直しなどを推進する。
● 「Gmail Labs」が日本語に対応。すぐに役立つ実験的機能も搭載
「メールボックス容量1GB」で業界に大きな衝撃を与えた「Gmail」が登場したのは、2004年の4月1日。以来、Gmailはこれまでの5年の間に、容量の拡大や、日本語を含む多言語対応、モバイル対応など、精力的に機能の強化を続けてきました。
2008年の6月には実験的機能を試用できる「Gmail Labs」を英語版限定で開設。次々と実験的な機能を公開してきました。Gmail Labsは、日本のユーザーでもGmailの設定を英語(US/UK)モードに変更すれば利用可能でしたが、利用していた人はそれほど多くないでしょう。
このGmial Labsが3月30日から日本語版にも対応し、日本のユーザーも簡単に利用できるようになりました。利用するには、Gmailの[設定]から[Labs]をクリックし、表示された一覧から利用したい機能の[有効にする]をクリックして[変更を保存]すればOK。すぐに機能が追加され、利用できるようになります。
とはいえ、すでにGmail Labsには40を越える機能があり、選ぶのもちょっと大変になってきています。そこで、おすすめの機能をいくつか紹介します。
・オフライン機能
Webアプリケーションをオフラインで利用可能にする「Gears」を使って、オフライン環境でもGmailを利用可能にするもの。ネットに接続できない状態でもメールの内容が確認でき、モバイル環境などで大いに役立ちます。
・検索のオートコンプリート
先週追加されたばかりの新機能。検索キーワードの入力を補助するほか、添付ファイルの検索を助ける機能もあります。
・マルチ受信トレイ
通常表示される受信トレイと同時に、別のラベルや検索結果を表示しておける機能。表示するメールの数や位置を詳細にカスタマイズできます。
・送信取り消し
メールの[送信]ボタンをクリックしてから5秒間だけ実際の送信を保留しているので、その間に送信の取り消しが可能になる機能。勢いで変なメールを送信した直後に「失敗した!」と公開したときや、操作ミスで[送信]ボタンをクリックしてしまった場合に有効です。類似した機能では、現在の正気度を測る「酒気帯びテスト(Mail Goggles)」機能もあります。
・添付忘れチェッカー
うっかりファイルを添付し忘れたままメールを送信してしまうのを防ぐ機能。筆者が試したところでは、本文中に「添付」と書かれているのにファイルが添付されていない場合、[送信]ボタンをクリックしたときに確認メッセージが表示されました。「添付ファイルがありませんよ」と相手に指摘するメールでも確認メッセージが表示されますが、そのまま送信してしまえばOKです。
・常に全員に返信
うっかりCCの人への返信を忘れてしまいがちな人に。返信のデフォルトを[全員に返信]にします。
・タイトルバーの表示変更
タイトルバーに新着メッセージ数を「受信トレイ(1)」のように表示し、新着メッセージに気付きやすくします。
この他に、YouTubeやPicasaのプレビュー機能、GoogleカレンダーやGoogleドキュメントなどのガジェット機能などもあります。「Gmailのここがもうちょっとこうなっていれば……」というような要望があったら、Gmail Labsを確認してみると、機能が公開されているかもしれません。
なお、日本語版のGmail Labsでは、英語版にある「Tasks」「Text Massaging(SMS) in Chat」が公開されていません。これらを試したいときには、いったん言語設定を英語版にして機能を有効にし、その後日本語環境に戻すことで日本語環境でも継続して利用できます。
2009/04/06 13:13
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小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(インプレス) |
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