先週は、「男の子牧場」「GENOウイルス」など、ニュースの見出しに見慣れない単語が頻出しました。ニュースを読みながら、戸惑った方も多かったのではないでしょうか。
ソフトバンクとNTTドコモの新モデル発表会が5月19日に行われ、日本初の「Android」端末など、2社合わせて37機種が発表になりました。後半では、これらAndroidと気になる新モデルを紹介します。
◆NTTドコモが日本初の「Android」携帯、HTC製端末を6~7月発売へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/19/23486.html
NTTドコモは、携帯電話向けのオープンソースプラットフォーム「Android」を搭載した国内初の端末「HT-03A」を、6~7月をめどに発売する。同時にAndroid向けアプリケーションの配布サイト「Androidマーケット」も開始する。
◆いわゆる“GENOウイルス”が猛威、G DATAがその挙動を解説
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/20/23509.html
5月20日、G DATA Softwareは、いわゆる“GENOウイルス”について解説した。これはAdobe FlashやAdobe Reader/Acrobatの脆弱性を突き、自動的にウイルスのダウンロードなどをさせるもの。。アプリケーションのアップデート、ファイアウォールの使用、適切なウイルス対策ソフトの使用といった基本的な対策の徹底を呼びかけている。
◆「Google Chrome 2.0」公開、フルスクリーンモードなどの新機能
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/22/23527.html
5月21日、Googleは「Google Chrome 2.0」の安定版を公開したと発表した。新規タブページの改良、フルスクリーンモード、フォームオートフィルといった新機能を搭載し、安定性と速度も向上している。
◆医薬品通販規制、「離島」「継続使用」のみ認める経過措置実施へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/22/23537.html
5月22日、厚生労働省「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」が第7回会合を開催した。医薬品のネット販売規制について、先週実施したパブコメでは反対が約85%を占め、議論の中でも結論は出なかったが、検討会の議論は討ち切り。「薬局のない離島居住者」や「薬の継続使用者」についてのみ2年間通信販売を認めるという、省令の再改正が行われる見通しとなった。
◆「Googleブック検索」和解案リストに、まだ売ってる本が大量に?
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/05/18/23475.html
5月18日、出版流通対策協議会は、「Googleブック検索」の和解案から離脱する旨を発表した。絶版本のデジタル化をうたうGoogleに対し、米国の販売ルートのみで絶版か否かを判断し、国内の流通を軽視していると指摘。Amazon.co.jpなども販売ルートに含めるという案が出ているが、これからも離脱するとともに、連邦地裁に対しては和解案を認めないよう要請している。
● いよいよ「Android」が上陸。日本のモバイルに与えるインパクトは?
5月19日に開催されたNTTドコモの2009年夏モデル発表会にて、日本初となるAndroid搭載端末「HT-03A」が発表になりました。
Androidは2007年11月にGoogleが発表し、同社が中心となって開発してきオープンソースのモバイルデバイス向けプラットフォームです。Andoroidの開発・推進のために「Open Handset Alliance」という団体が設立され、NTTドコモとKDDIは、初期メンバーとして参加していました。
世界初のAndroid搭載端末「T-Mobile G1」は2008年10月に米国で発売されました。2機種目となる「HTC Magic」は2009年2月、Vodafoneより欧州諸国で発売。今回日本に登場した「HT-03A」は、この「HTC Magic」をベースにしたものです。
2台目端末需要の喚起、iPhoneブームから来る(いわゆる日本の“ガラパゴス”ケータイではない)スマートフォンへの関心の高まり、新しいビジネスユースの提案など、さまざまな理由から各キャリアがスマートフォンに力を入れつつあり、NTTドコモでは「Docomo PRO」シリーズとしてWindows Mobile(今回も「T-01A」を発表)、BlackBerry Bold、Androidと、多様な端末を取りそろえています。
そんな中で、Androidは発表会で「ケータイするGoogle」とコピーが付けられたように、GmailやGoogleマップ、PicasaなどGoogleのサービスとの相性の良さが大きな特長です。とはいえ、GmailやGoogleマップなどはiPhoneでも標準で利用でき、「Google」ブランドがAndroidを選ばせる決め手になるかというと、やや疑問があります。
もうひとつの特長は、プラットフォームがオープンであること。iPhoneのプラットフォームはAppleががっちり囲い込み、AppStoreで販売するアプリケーションにも厳格な審査を行っています。これに対し、Androidは比較的自由です。そこからiPhoneとは異なる方向性のアプリケーションが流行るようになったら、Androidは独自の魅力を放つようになるかもしれません。また、Androidは携帯電話用だけでなく、他のデバイス(ネットブックなど)に組み込むことも可能で、こうした部分から、新たな可能性が広がるかもしれません。
2009年夏のNTTドコモ、およびソフトバンクの新モデルには、Android以外にもユニークな製品が発表されています。NTTドコモからはWi-Fiアクセスポイントとして使える「N-06A」(不具合により販売一時停止中)、ソフトバンクモバイルからは無線LAN接続が可能な「931N」、デジタルフォトフレーム「HW001」など。新しいケータイの使い方を提案する端末として、興味深い製品です。
2009/05/25 11:48
|
小林祐一郎 プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「できるポケット+ クラウドコンピューティング入門」(インプレス) |
- ページの先頭へ-
|