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2008/10/06~2008/10/13


 IT関連企業にも大きな影響を及ぼした世界同時株安、TwitterやRSSでも発表されたノーベル賞と、先週は世界的にも大きなニュースが続いた1週間でした。

 国内では「東京ゲームショウ2008」が開催。また、「PostPetDS(仮称)」のニュースもありました。


民間主導で「安心ネットづくり」、携帯3社はじめ産学で協議会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/08/21111.html
 10月8日、大手携帯キャリアや通信・ネット関連企業、PTA団体の代表や学識経験者らによる任意団体「『安心ネットづくり』促進協議会」の発起人総会が開催された。産学による民間主導で、リテラシー向上および民間の自主的取り組みの推進と、関連する知見の集約を行っていく。

マイクロソフト「Silverlight 2」、正式版は来週にも公開予定
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/10/21139.html
 10月10日、マイクロソフトは、Webブラウザのプラグイン「Silverlight 2」の概要を発表。DRMの強化、高速な拡大・縮小ができる「Deep Zoom」や、.NET Frameworkを基盤としたアーキテクチャへの対応、Webサービスとの連携強化などの新機能を紹介した。今週にも正式版が公開となり、開発ツールは11月の公開を予定している。

Mozilla、Firefoxで地理情報を活用する「Geode」プロジェクト発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/08/21102.html
 10月7日、Mozilla Labsは、「Firefox 3.1」ベータ版に搭載を予定する地理情報を活用するプラグインのプロジェクト「Geode」を発表した。現行のFirefox 3で初期の実装を試用可能なアドオンが公開済みで、地理情報の利用法についてアイデアを募集している。

「ストリートビュー」法規制検討を、町田市議会が政府などに要請
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/10/21144.html
 10月9日、東京都町田市議会は、Googleマップの「ストリートビュー」について規制や法整備を求める「地域安全に関する意見書」を採択した。今週中に政府や関係機関に提出の予定で、当該サービスに関連する実態調査、インターネットを利用しない国民への広報、事業者への指導などが盛り込まれている。

英Sophos、WEPの利用禁止を呼びかけ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/09/21123.html
 10月8日、英Sophosは公式ブログで、無線LANの暗号化方式として「WEP」の使用を止めるよう呼びかけた。米国で発生した大規模なクレジットカード情報の窃盗事件において無線LANが侵入ルートとなっており、クレジットカード情報を扱う企業のセキュリティ基準「PCIDSS」の最新版においては、今後WEPの使用が禁止になるとしている。


安心できるネットのために民間の取り組みを活性化。協議会が発起人総会

 携帯キャリア3社やマイクロソフト、ヤフー、楽天、ミクシィのほか、PTA団体の代表、学識経験者らが発起人となり、任意団体「『安心ネットづくり』促進協議会」が設立されることになりました。

 団体は11月7日より会員の募集を開始し、2009年1月の設立を予定。本格活動は4月から、「普及委員会」「事業支援委員会」「調査企画委員会」という3つの委員会を柱として行う予定となっています。

 普及委員会は総合的なリテラシー向上の推進を担当し、地域における啓発活動の拡大や、学生の参加、NPOとの連携などを図ります。事業支援委員会は民間の自主的取り組みの推進を担当し、個人サイト運営者も含む「自主憲章」の共有、国民運動「『e-ネットづくり!』宣言(仮称)」の展開を行います。そして調査企画委員会は、インターネット利用環境整備に関する知見の集約を担当し、情報収集・分析を行う一方で、Webや機関誌で啓発活動の紹介や政策提言を行っていきます。

 8日に行われた発起人集会では、特に青少年の健全育成の観点から、自治体やPTAの期待の声が寄せられました。

 こうした動きは、これまでの総務省の動きに呼応する形になっています。同省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の議論では、「誰もがインターネットの利用環境整備の責任の一端を担うことを明らかに」として、そのための「自主憲章」的な目標のもと、地球温暖化対策の「チーム・マイナス6%」のような国民運動として、誰もが参画できる仕組みを提案していました。また、7月には増田総務相(当時)が「安心ネットづくり」促進プログラムを年内に策定する方針を明らかにしています。


 また、さかのぼって6月には、国会で「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」――いわゆる「青少年ネット規制法」が可決・成立しました。

 このとき、マイクロソフト、ヤフー、楽天らは何度も反対声明を発表しており、参議院においては、これに配慮する形で「フィルタリングの基準設定や開発にあたっては事業者団体などの自主的な取り組みを尊重すること」「事業者などが行なう有害情報の判断、フィルタリングの基準設定に干渉することがないようにすること」といった付帯決議がされました。また、同法は施行後3年以内に見直しをすることが予定されています。

 青少年ネット規制法の成立にあたって、民間の意見は国会に対して十分な影響を与えられたとは言い難い状態でした。しかし、現場をよく知る民間企業や、青少年に直接関わるPTAの意見がより濃く反映された方が、多方面にとって望ましい形になる可能性は高いでしょう。

 また、フィルタリングによる単純な規制よりも、リテラシーの向上により各人が情報を選別できる能力を身につける方が良いことは間違いありません。「『安心ネットづくり』促進協議会」は前述のように誰もが参加可能な団体ですから、我々ひとりひとりが関心を持ち、行動していくことも重要となります。



2008/10/14 11:38
小林祐一郎
プログラマ、編集者、Webディレクター等を経て、ライター・編集者として活動。興味のあるテーマは「人はどうすればネットで“いい思い”ができるのか」 。ごく普通の人の生活に、IT技術やネットのコミュニケーションツールがどんな影響を与え、どう活用できるのかを研究している。近著「Web2.0超入門講座」(インプレス)

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