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国土地理院、戦後・復興期の航空写真をウェブ地図上で面的表示、三角点・水準点の配置も
(2015/4/9 06:00)
国土地理院が提供しているウェブ地図サービス「地理院地図」において、1945~1950年および1961~1964年に撮影された空中写真(航空写真)について、複数の写真をまとめて面的に表示する機能を追加した。従来は撮影ポイントを示したアイコンを地図上に配置し、それをクリックすることで単写真を1枚ずつ見ていく方式だったが、面的な表示により、広範囲の写真を一度に見られるようになった。
これまで国土地理院は空中写真の提供方法として、「国土画像情報」については第1期(1974~1978年撮影)と第2期(1979~1983年撮影)、第3期(1984~1986年撮影)、第4期(1988~1990年撮影)、「電子国土基本図(オルソ画像)」については2007年以降の写真を面的な表示で提供してきた。今回の措置により、その範囲がさらに広がった。
表示方法は、地理院地図の画面左上の[情報]をクリックし、[表示できる情報]を選択する。[地図・空中写真]から[写真]を選ぶと、年代別にリストが表示されるので、この中から見たい年代の写真をクリックすると、その年代の写真が存在するエリアに色が付いて表示される。見たいエリアを拡大していけば写真が表示される。これらの写真は透過率を調整することも可能だ。
なお、単写真の見せ方についても、従来は地図の中心部だけ撮影ポイントが表示されていたが、今回の追加によって地図全体で単写真の配置を表示できるようになった。単写真を見る際は、[表示できる情報]>[地図・空中写真]>[単写真]と選択すると、撮影ポイントを示す赤丸のアイコンが地図上に表示される。[詳細]をクリックすることで年代を絞り込むことも可能だ。
これらの撮影ポイントをクリックするとウィンドウがポップアップし、撮影年月日や撮影縮尺、撮影高度などを確認することが可能で、[写真を表示]をクリックすると詳細情報と、解像度が100dpiの空中写真が表示される。また、左下のコンテンツ操作ボタンにより、400dpiの画像表示やダウンロードも可能だ。
このほか、基準点(地図作成や測量の基準となる点)の配置を地図全体で見られるようにもなった。これまでは、基準点のうち、電子基準点(GNSS衛星からの電波を連続的に受信する基準点)のみ掲載していた。今回の措置により、三角点(山頂や見晴らしの良い場所に設置される基準点で、一等・二等・三等・四等などの種類がある)と水準点(土地の高さを求めるための基準点で、一等・二等・三等などの種類がある)の配置についても、地図全体で閲覧可能となった。
基準点の種類はアイコンのデザインでひと目で分かるようになっており、三角点は三角形、水準点は四角形で描かれている。また、三角点のアイコンはローマ数字で、水準点のアイコンは漢数字で等級が分かるようになっている。各アイコンをクリックすると、ウィンドウがポップアップして基準点の種別や点名を確認できる。