編集部コラム

変化が速すぎる今だからこそ、あえて聞きたい「インターネットの未来」への展望

本誌30周年記念インタビュー裏話

 INTERNET Watch 30周年記念企画として、創刊年からのニュース振り返りに加えて、通信・IT業界各社へのインタビューを行っています。

 「今」のニュースを追いかけるだけでも大変な昨今ですが、インターネットの、あるいはITの力でよい未来を作るには、そのビジョンを描くことが、まず大切ではないかと思います。そこで、インタビューでは「これまでの最大の転機」と「1~3年後」「5~10年後」「30年後」の予定・見通し・予測を伺っています。

 30年前に今のインターネットの姿を正確に予測するのは難しかったように、これから30年後を予測することも、まあ無茶な話ではあります。が、本誌30周年の節目ということで、そういう機会ならと許容いただければ……と申し込ませていただき、これまでに3本の記事を掲載しています。


 第1回では、NTT東日本の山口肇征氏(執行役員 CTO マーケティング統括本部 ビジネス開発本部長 営業戦略推進部長兼務)と、NTTドコモビジネスの吉田友哉氏(プラットフォームサービス本部 クラウド&ネットワークサービス部開発オペレーション部門 部門長)にお話しいただきました。

 「30年後~」のような変な質問も、何人もの方から伺っていると、その傾向・法則のようなものが見えてきます。「正確には分かりませんが……」などと前置きしつつお話しいただく内容には、それぞれの方のバックグラウンド、それまで活動されてきた基盤とでも言うべきものが、強く反映されているように思われます。

 山口氏・吉田氏のお二人には、技術者として、日本の通信インフラを支える企業としての強い自負と、通信技術はこれからもずっと進化を続けるという信念のもと、30年先のイメージをお話しいただいたと感じています。


 第2回は、インターネットイニシアティブ(IIJ)の創業メンバーである浅羽登志也氏(顧問)と、谷脇康彦氏(代表取締役 社長執行役員)にお話しいただいています。

 IIJ入社前には官僚として、通信やセキュリティの幅広い分野に関わってこられた谷脇氏からは、インターネットだけでなく日本の未来について、示唆に富んだお話を伺いました。インタビューを終えた帰り道で皆が、最高に面白い映画を観た高校生のようなテンションだったことを覚えています。


 そして第3回は、LINEヤフーの葭沢光伸氏(上級執行役員 メディア・検索ドメイン AI Agent統括SBU リード)にお話を伺いました。

 LINEヤフーはこの30年でいくつもの大きな転機を経てきたと思いますが、お話しいただいた最大の転機は、個人的には少し意外でもあった「生成AIの登場」。それだけAgent iに注力しているということか……と思いつつ伺っていたら、話題が急転換して「AIで便利にしていくばかりではないと思う」といった方向になったことには、驚きました。

 昨今のAIサービスは、必ずしも100%の人に歓迎されているわけではないと感じます。ですが、これからの時代、AIと関わらずに生きていることも難しいでしょう。AIあるいはITと、人との関わり方を考えるヒントとして、葭沢氏のお話は非常に面白い可能性を示すものであり、あらためてAgent iおよびLINEヤフーが作り出すサービスの今後に注目したいと感じました。

 30周年インタビューは、この後も続々公開予定です。