テレワーク、空いた時間でなにしてる?

放置してても勝手に育つ!! たった半畳の家庭菜園でお手軽に30玉以上のタマネギを育てる方法【はんじょう農場その3】

夏野菜のあとに植える野菜はどれにする?

 10年前に建てた一軒家の庭先に設けたわずか半畳ほどの畑、その名も「はんじょう農場」。

 例年は夏野菜としてゴーヤとキュウリを1株ずつ植えていたが、子供の要望もあって今年はゴーヤをやめてキュウリを2株に。以前にも書いたがキュウリとゴーヤはどちらも根を浅く広く張るので、どうも根の張り合いでケンカをするようだ。序盤はキュウリが旺盛に育つが、お盆ぐらいになると一気に元気がなくなって、そこからゴーヤが挽回する、というのが例年の様子。だが、キュウリ同士だとそこまでケンカはしない様子で、今年はいつもより長くキュウリを収穫できた。

今年の夏はキュウリ2株とナス(庄屋大長)を2株育てた
2株でもキュウリは毎日何本も採れる。毎日味噌マヨのもろきゅうとキュウリの浅漬け、でも飽きない

 ただ、気温の影響もあってか、あまりツルが広がらず、例年だといい具合の緑のカーテンになってくれるところが、今年はスカスカ。収穫量も2株にした割にはそこまで増えた感じはなかった。来年はまたゴーヤとキュウリ1株ずつにしたいところだが、ゴーヤが嫌いな子供がなんと言うか。ゴーヤとナスの揚げ浸しがおいしいのだが。

 そしてその横に2株植えたナス(庄屋大長)は、8月に入ってからの気温が低かったおかげか、8月の間もずっと採れ続けた。

 ナスは暑すぎるのは苦手なので、いつも7月末から8月頭ごろになると、新しい実が付かなくなる。そこで一度伸びた枝を半分ぐらいで切ったり(更新剪定)、スコップで根を切ったりすると、一度は株が小さくなるものの、8月の間に新しい芽や花が咲いて、8月の終わりぐらいから、おいしい秋ナスが楽しめるようになる、というのが例年のパターン。

 だが、今年は更新剪定のタイミングを見計らっているうちに涼しくなって、収穫した枝を切り戻すぐらいで乗り切れてしまった。どれが正解なのかは分からないが、単にセオリー通りだけではないいろいろなやり方が見つかって面白い。

30cmほどの長さになる庄屋大長は8月の間も採れ続けた。焼くとトロッとして特に生姜焼きが絶品

 結果的に、8月の間もかなり多くの実がついて、このまま秋ナスまで続いて大収穫かと思っていたのが、9月はあまりの日照時間の短さに、数は多いけど色や形が悪いものが多くなってしまった。こんなちっぽけな畑でもやっぱり相手は自然、なかなか思い通りにはいかないものだ。

 はんじょう農場で家庭菜園を始めて10年、ずっとやってきて育てるのがうまくなったかというと、あんまりそういう気はしていない。ただ、あきらめは良くなった気がする。今年は去年より何本多く採れた、なんていうことをやっていると、うまく行かなかったときに気が滅入るから、細かいことは気にせず、必要以上に頑張り過ぎず、ゆるくゆるく楽しんでいる。

 そんなわけで詳しい人から見ると、それダメ~みたいな部分もあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。

秋ナスのあとに植えるのにオススメの野菜とは?

 さて、今回久しぶりに筆を執ったのは、夏野菜(秋ナス)を終えて冬の野菜に植え替える時期が来たからだ。わずか半畳ほどの畑では、そんなにいろいろな野菜は育てられないので、毎年二毛作をしていて、そしてこの時期に植えるのがタマネギの苗だ。

 もちろん畑の広さや日当たりの条件、地域にもよるので一概には言えないが、筆者のようなずぼらでゆるく家庭菜園を楽しんでいる人にとって、タマネギはオススメだ。

 なにしろタマネギはカンタン。なんて言うと本職の方に“なめるな”と怒られそうだが、手を抜いて育てるにはとてもいい。最初は土作りや肥料、マルチングなどが必要だが、それを終えたらあとはちょっと草むしりしたり、場合によっては土寄せしたりするぐらい。それも最初の1カ月ほどで、12月になれば雑草も生えてこなくなるし、あとはそのまま放置するだけ。真冬の寒い時期に畑作業しないで済むというのは、本当にありがたい。

 しかも日当たりがそこまで良くなくても育ってくれる。我が家は家の東側に畑があって、冬の間は朝日ぐらいしか直射日光が当たらないが、それでもそれなりに育ってくれた。2年ぐらい前に東側の家が取り壊されて、おかげで午前中は日が当たるようになったら、さらに大玉ができるようになった。そんなわけで住宅街の中にある小さい畑でもタマネギはぜひ挑戦してみてほしいオススメの野菜だ。

今年の春先のタマネギの様子。わずか半畳のスペースでも30玉以上収穫できる。ちなみに葉が倒れているのは収穫時期の合図

タマネギの苗はどれを選ぶ?

 タマネギは育ちの早さに応じて極早生(ごくわせ)、早生(わせ)、中生(なかて)、中晩生(なかおくて)、晩生(おくて)と分けられる。極早生のほうが育ちが早いが、収穫したあとに日持ちしやすいのは晩生。新タマネギとして出回るのは極早生や早生だが、極早生の方が甘みがある。

 狭い農園で夏野菜をやることを考えると、選択肢はGW前には収穫できる早生か極早生。以前は極早生をやっていたが、早生の方が失敗しにくい印象で最近は早生を選んでいる。

 タマネギの苗を植えるのは、筆者の住む神奈川県だと11月頭ごろ。そしてちょうど今ごろホームセンターで苗が手に入る。抜き苗と呼ばれる、土から抜いた状態の苗が束になって売られていることが多いが、それだと100本以上、とかいう量になって、とても我が家の半畳スペースでは使い切れない。

 そこでプラグ苗とかセル苗と呼ばれる小さく区切られたセルトレイに1本ずつ苗が生えているものを選ぶようにしている。束で売られている苗だと、根が切れてしまっているものや、弱り切ったものもあって、そこからさらに選別する手間もあるが、セル苗だとそこまでハズレは多くないし、本数も22本程度からで売られている。1本あたりの単価では束のほうが安いが、余ったところで使い道もないし、我が家のはんじょう農場にはセル苗がちょうど良い。

 ただ、今年はホームセンターで初めて見るタイプがあったのでそれを買ってみた。ハルディン(Jardin)というメーカーの「しっかり太い玉ねぎ苗」というもので、カットパックと呼ばれる4セルのポッドに計40本程度が生えたもの。見た感じ、その名のとおり比較的太めの苗として売られている。

 並んで売られていたプラグ苗はかなり細いものが多かったので、これはこれで良さそう。気になるのはバラすときに根っこが絡み合って根を傷めることだが、一応メーカーの説明だと、きれいにばらけるらしい。本数も太いものだけでも30本以上はあって、30本ちょっとが植えられるはんじょう農場の広さにはちょうど良さそうだ。残念ながらまだ買ってきただけでこれから植える予定なので、実際の使用感は来年お伝えしたい。

今年はハルディンの「しっかり太い玉ねぎ苗」というのを選んでみた。抜き苗と違って前もって買っておいても大丈夫
左は昨年買ったプラグ苗のセル。セル1つに1本の苗が生えた状態で売られていて根を痛めずに小分けにできるのがメリット

一発肥料ならあとは放置しておけば勝手に育つ

 土作りについては、実はあまり手をかけていない。

 以前は堆肥を入れていたのだが、夏野菜の前に堆肥を入れているのと、あまり堆肥を入れすぎるのもよくないと聞いて入れないようにしてみたところ、今のところ特に問題無さそうだ。それと、後述する肥料が「堆肥入り」となっているので、それも効いているのかも。ただしこれはあくまで筆者宅の場合なので、土の状態や春先にいれた堆肥の量などによって事情は異なるだろう。一般的に土が硬くなっている場合は堆肥を入れることでふかふかの土にすることができる。

 あとは土の酸度を測って、必要であれば石灰をまく。土壌酸度を測定するのには酸度計を使うが、今回使おうと思ったら壊れていたのでシンワのものを新調した。酸度のような目に見えないものを測定する機械は、信頼できるメーカーのものを選んだほうがいい。

シンワ測定のデジタル土壌酸度計 A-2というのを新調した

 タマネギに適した酸度はpH6.0~7.0。数値が低いほど酸性で、高いのがアルカリ性。作物を育てていると酸性になっていくのが一般的だ。とりあえず既に終えているキュウリが植えてあったほうの土で測定したところ結果はpH6.5だったので、今回は石灰をまかなくてよさそうだ。

pH測定は、まず水で濡らした土をよく混ぜて、しばらく寝かせてから測定する
何カ所か測定してみたが、いずれも測定結果は6.5、これならそのまま植えても大丈夫そう

 もし数値が低い場合は石灰をまくことでアルカリ性になる。その場合も一般的によく使われる苦土石灰ではなく、有機石灰という貝や卵の殻からできた石灰を使っている。

 有機石灰は、苦土石灰にくらべて効果が緩やかになるが、その代わりに散布したあとすぐに植え付けができるのが特長。苦土石灰だと、早く効くがまいた後1週間ぐらい寝かさないと植え付けができないのだ。秋ナスはギリギリまで育てたいし、かといってタマネギの後には夏野菜も控えているので、できるだけダウンタイムを少なくするべく、有機石灰を選んでいる。

有機石灰は効きがマイルドなので、すぐに植え付けできる

 肥料は朝日アグリアの「玉ねぎ・ねぎ用一発肥料」を使っている。同じようなタマネギ用の一発肥料は他社からも出ており、手に入れやすいものを買えば問題ないだろう。もちろん普通の肥料でもいいのだが、これを使えば最初に元肥として入れたあとは追肥が不要になる。それと、この朝日アグリアの一発肥料は一応「堆肥入り」となっているので、土作りのときに堆肥を入れないで済んでいるのはそのおかげかもしれない。

朝日アグリア 玉ねぎ・ねぎ用一発肥料 2kg 堆肥入り。似たような製品は他社からも出ている

 そして最後にマルチと呼ばれるビニールシート。これもタマネギ用に穴があけられたマルチが売られているのでそれを使う。穴開けの必要も無いし、タマネギの苗を植えるのにちょうど良い間隔で穴が空いているので、植えるときも穴の位置に合わせるだけでちょうど良い間隔で植えることができる。

タマネギ用のマルチシート。タマネギ用だと15cm間隔で穴が開けられているものが多い

 マルチは冬場に土の温度が下がりすぎるのを防いだり、乾燥しすぎるのを防ぐ効果もあるらしいが、一番のメリットは雑草が生えるのを防げること。穴の空いたところには生えてしまうので、完全に防げるわけではないが、なにもしないのと比べたら圧倒的に少なくて済む。ただ、マルチはゴミになるんだよなー、と思っていたら、生分解するマルチというのもあるらしい。手持ちのマルチを使い切ったら試してみたいところだ。

 土を作り、マルチを張って、苗を植えたら、水をやる。最初は水をやると葉が倒れてしまうが、根がちゃんと張ると葉が起き上がってくる。それまでは毎日か1日置きぐらいで水をやるようにしよう。水で土が流れてしまっているような場合は土寄せをしつつ、雑草があれば取る。葉がピンとまっすぐに立ち上がってくれば、根がしっかり張った証拠なので、そこからは基本的には水やりもしなくて大丈夫。あとは雑草が生えていたら抜くぐらいでいい。4月末から5月頭ぐらいまで放置すれば勝手に大きくなる。

写真は数年前、極早生種を植えていたときのものだが、植えた直後はこんな風に葉が倒れてしまう
また別の年のものだが、根が張るとこんな風に葉が起き上がる

ナスを抜くのは大変、でも子供と楽しむ一大イベント

 そんなわけで今年は土の酸度も問題なさそうだし、一発肥料を入れるだけで済みそうだ。

 この週末にナスを終わらせて土を作ったら、来週の祝日にでもタマネギの苗を植えるつもりだ。ナスは地中深くまで根を張っているので、毎年抜くのが大変だ。子供と一緒に「うんとこしょ、どっこいしょ、それでもナスは抜けません」と大きなカブのマネをしながら抜くのが毎年の恒例となっている。そして抜いたあとはダンゴムシが大量に出てくるので、そこでも我が子はヒートアップするのだろう。

 一緒に土作りをして、苗を植えて、何歳まで付き合ってくれるかは分からないし、無理強いするつもりもないが、楽しんでくれるうちは子供とも一緒に楽しみたいと思っている。

テレワークで余裕ができた時間を有効活用するため、または、変化がなくなりがちなテレワークの日々に新たな風を入れるため、INTERNET Watch編集部員やライター陣がやっていることをリレー形式で紹介していく「テレワーク、空いた時間でなにしてる?」。バックナンバーもぜひお楽しみください。